吹奏楽に入った理由
ここ一ヶ月楽団生活になれるのに必死だった。だいぶなれてきた頃、久々に
真夏日と花香に会った。
麗華、真夏日、花香、私の4人でお昼を食べる約束をしたのだ。
「2人とも久しぶり~」
「うん本当!一ヶ月ぶりよね。」
「2人が楽団に入ってから頑張ったんだからあたし達。」
「とりあえず昼食べようよ。お腹すいた~」
お昼は安くて美味しくて評判な店に行った。
まだ早いからか店はすいていた。
「ねえ、皆はなんで吹奏楽に入ったの?」
麗華は
「私の家庭知ってる?
母親は元バイオリン奏者
父親は元ピアニスト
祖父母は元指揮者 だったのよ。
まあ、音楽が好きだったのもあるけどね。」
真夏日は
「あたしは、小学生の頃からずっと吹奏楽部だったからだよ。でも、将来の夢は別に音楽関係じゃないけどね。」
花香は
「私は、昔からピアノを習っていたから。それに私音楽をとったら何も残んないしね。」
「ていうか、聞いた本人は言わないの?
だめよ。そんなの。言いなさい。」
うっ。言いたくない。でも、皆いったからなあ。言わなくちゃ。
「えっと、私は音楽が好きだから?」
嘘ではない理由を言ってみる。
鋭い麗華は
「はあ?なんで疑問系なの?もっと他の理由があるんでしょ。」
ばれてるし。言うしかないか。
「実は私今まで祖母に育てられたの。
両親は本当にどうしようもない人でね、自分勝手。私には5個上の兄と3個上の姉がいたんだ。私が小1のとき私の兄と姉が決断したんだ。祖母に育ててもらおうってね。両親とも祖母とは仲が悪くてね、それに祖母は私達にはすごく優しく厳しかった。
祖母は音楽をやっていたんだ。両親は音楽が大っ嫌いでね、兄と姉がそれに反抗するように音楽をはじめたんだ~。
兄はピアニスト。
姉は歌手として。
祖母はサックスをやっていたから
私もサックスをはじめたの。
親の反抗として。だからはいったの。吹奏楽にね。」
あぁ、いっちゃった。
反抗として吹奏楽に入った。それは事実。
でも今は……そんなの関係なく楽しい。
いつでも楽器吹きたいと思う。
「一応波野先輩には言わないでね。
反抗として入ったなんて知られたら……」
「誰にいわないでほしいって?」
えっ、この声は……?
波野先輩の声。やばっ!
今の話聞かれてたかな?
「あの、先輩はいつから?」
「お前らが来る前からだ。」
「ねえ、かい君その人達は?だあれ?」
そう。波野先輩の隣にはこの間の女の人がいたのだ。
「あぁ、こいつらは俺の大学の後輩だ。」
「あらぁそうなの?あっ、この間の子がいるわ。」
女の人の目はまるで「あんたのせいでデートが中止になったのよ」といってるようだった。さすがに居心地が悪くなって「お手洗い行ってきます」といってその場から離れた。
あの女の人先輩の彼女かなあ?
怖いなあ。はあ、席に戻りづらいや。
鏡の前で立ち尽くしているとガチャと
あの女の人が入ってきた。
「あなたってかい君のなんなの?
かい君は私のだから。あんたみたいな性格悪いバカはとっとと、かい君の前から姿消せブス。」
なに?この人。と、いつもだったら無視できたけどなぜか今は、今は涙がでちゃう。
半分涙目でトイレを飛び出したら目の前には先輩や麗華達。今私はきっとひどい顔してる。にげようと思い店を飛び出す。誰も追ってくる気配はない。
安心したとたん今までためていた涙が溢れ出た。思い切り泣いた。
私がでてったあとの店のことを考えながら。




