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エアコンのきいた室内で涼み、ディアは言った。
「私を前にして、今さら何を驚いている。会うのはこれで三度目じゃないか」
「そういう問題じゃなくてっ!どこからこの部屋に入ったんだよっ。心臓飛び出すかと思ったって!」
「ああ、そのことか。
魔術師は、空間の構造に干渉し、自分の体を好きな所へ転移させることが出来るんだ。お前の言う『鍵』など、あってないような物。
プライバシーを気にするのなら、魔法陣か魔術結界でも張っておくんだな。そうすれば、私も入って来られない。フォントオーディスの人間は、皆そうしているぞ」
「一般人が結界なんて張れるかっ!」
ツッコミを入れてしまった。ビックリしてつい。
ディアは鼻で笑い、
「それだけ元気があれば、大丈夫か。私はもう行く」
「永音氏に何か話があったんじゃないなりか?」
タマがディアを引きとめる。
「ああ。一言礼が言いたくてな」
ディアは俺を見た。一週間前に会った時と、雰囲気が違う。ディアの空気、丸くなったかな?
それに、衣装も変わった。以前の青装束ではなく、男子高生の私服姿と思える日本のスタイルを着こなしている。やっぱり、悔しいほどイケメンの黒髪。
ディアは言った。
「まだ駆け出しだって言うのに、私の新しい商売はウソのように順調だ」




