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同級生が学校に行っている間、俺は自室でアニメを見たり、テレビやパソコンのゲームをして過ごしている。この時間が、いちばん癒されるんだ。
深夜には、けっこうな数のアニメがやっている。中には好みに合わないものもあるし、エロ釣り感が露骨過ぎて引いてしまうものもあるが、だいたいは面白い。
近頃の主流は、主人公の高校生男子が可愛いクラスメイトや後輩女子に絡まれ、楽しくてゆる~い日常を過ごしている、といった内容のものだ。女の子同士の友情を描いたほのぼのコメディアニメも、見ていて楽しい。
リアルタイムで見る日もあれば、録画予約をして後日にまったり見ることもある。
アニメにハマったのには、もうひとつ理由がある。
好きな声優さんがいるからだ。
マミと名乗る女性声優さんで、この人の声がまた格別なんだ!澄んだ声に、爽やかな甘さが漂っていらっしゃる!
幼い少女役から、クールな生徒会長役まで、どのようなキャラでもこなせるスーパーボイスの持ち主なのだ!
失礼なことを言ってしまうが、マミさんの声を知る前までは、声優なんてみんな同じようなものだと思っていたし、もっと言うと、声優にまで興味を持つことはなかった。主役はあくまでアニメの中で動くキャラクターだけ。裏の声優には関心すらなかった。
けれど、マミさんの存在を知ってから、俺は必死にアニメを見るようになった。
アニメのエンドロールをガン見し、誰がどのキャラクターボイスを担当しているのかをチェックするクセができた。
最近では、声を聞いただけでマミさんの担当キャラクターを当てることができる。
この頃、ギャルゲーに物足りなさを感じつつある。俺は、声優さん演じるアニメの声を聞き、物語の世界観に浸ることだけが生きがいだった。
マミさんの神ボイスを耳にするだけで、一日中幸せ気分が持続する。
中学三年に進級して早々、義務教育をドロップし、引きこもりとして地味な人生を送る俺に、マミさんは光を見せてくれた。アニメという媒体を通して、元気をくれた。
冴えない男子中学生と人気女性声優。マミさんは、俺にとってまさに雲の上、いや、オゾン層より上の存在だ。
だからこそ、俺は信じられなかったんだ。
マミさんと対面する現実、その機会を自ら引き寄せたってことを――。




