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「そんな……。でも、瑞希ちゃんは劣等生なんかじゃないよ。実際ディアも、瑞希ちゃんには敵わないって……」
しんみりする瑞希ちゃん。ディアの心情を気にしてるのかもしれない。それとも、自分の能力が低いと心底思ってるのだろうか。
ディアのことを心配している。そう解釈するところだよな、ここは……。
魔法使いとして頑張ってる瑞希ちゃんの心境も気になるけど、今はディアのことも引っかかる。アイツは、普段から何か良からぬことばかりしている感じっぽかったし(俺の偏見かもしれないけど)。
気の利いたことが言えないまま黙っていると、今まで無言だったタマが、苛立ちをあらわにし、責めるような口ぶりで瑞希ちゃんに言った。
「さっきから黙って聞いていれば……。どういうことなりか!?
ディアは魔法使いじゃないのに、響君を消そうとしていたなり。魔術師にそんな権限ないはずなりよ。言魂使いの発言を実現する手助けをする影の存在は、いつだって、オラルメンテ認定協会に認められた一部の魔法使いだけのはず!たかが魔術師のディアが首を突っ込めるような問題ではないなりよ!」
「ええ、その通りなのです」
タマの言葉に怯むことなく、瑞希ちゃんは事の深刻さを表現するみたいにやや低い声で説明した。
「おそらく、ディアさんは、オラルメンテ認定協会の何者かから、非合法に仕事をもらっているのではないでしょうか。
私達の故郷・フォントオーディスでは、魔術師の就職難問題が深刻化しています。条件の良い職には、たいてい魔法使いが就いてしまいますから……」
「聞き逃せないセリフなり」
タマはビシッと言い放つ。
「永音氏。今からディアを処罰するなりっ!」
えええ!?




