◆
「いいえ。ディアさんは人間なのです」
「そうなんだ……!?ビックリだよ。ディアはさっき、ああいう魔法っぽい攻撃してきたから、てっきり魔法使いなんだとばかり」
瑞希ちゃんはショートボブの髪を自分の手でなでつけ、悲しげに笑う。
「永音さんが受けたディアさんの攻撃。あれは魔術なのですよ」
「まじゅつ?」
魔法と、どう違うんだろう?
俺の疑問を察したみたいに、瑞希ちゃんは説明してくれた。
「魔法は、魔法使いの血を引いている者が使える、先天的な能力のことをいいます。
一方、魔術は、魔法をアレンジしたもので、魔法使いの血を引かない0(ゼロ)……『0(ゼロ)』とは、私達の世界で『能力を持たない一般の方』を示す用語なのですが、魔術は、0(ゼロ)の方が使えるように、と、古い時代に編み出された術なのです。自然の持つエネルギー、惑星が放つ本来の力を、決まった術式で操り自分の力にする――。魔術は、魔法使いが魔法を使うよりはるかに大変なことで、細やかな技術と高い能力を要求される術なのです」
「努力して魔術師になったのか。ディアは、魔法使いに憧れてたんだな」
「そうだと思います。ディアさんは、私以上に魔法や調合に詳しかったのです。でも、魔術は魔法より能力的に劣ると言われています。魔法学校で劣等生だった私ごときがこんなことを言うのは恐れ多いですし、そうでなくとも口にするのは嫌なのですが、ディアさんはそういう現実にショックを抱いたのかもしれません」




