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「すっかり瑞希ちゃんの虜なりね」
感謝を伝える俺の言葉に照れているのか呆れているのか、タマはぶっきらぼうな言い方で、
「行くのはいいなりが、新しい登場人物に出会った時は気を付けるなりよ?」
「わかったよ」
タマのアドバイスにうなずき、俺は質問した。
「そういえば、結局、店に行ってもタマのことは分からなかったな」
ストラップとして店内に並べられていた間も、タマは商品としてジッと言魂使いの出現を待っていたのだろうか?という疑問は、解決していない。
「そのことなりか。話す必要性を感じないから黙ってたなりが、そんなに気になるなら教えてあげてもいいなり」
言葉とは裏腹に乗り気な様子で、タマは語り始めた。
「永音氏がミーの体を買う前まで、ミーはあの店の中やその周辺をさまよっていたなり」
「さまよっていた?」
「今はこうしてストラップという物質に入り込んで君と会話してるけど、本来のミーは霊体。導く者は、実体を持たない、人の目に見えない存在なり。また、サポートしたいと思える言魂使いが現れても、ミーはすぐに名乗り出ることができないなり。なぜなら、導きたいと思った後に、対象の言魂使いが自分の意思で入手した物にしか、導く者は宿れないから」
「物なら何でもいいってわけじゃないんだ。ってことは、例えばの話、タマが俺を見つけ出した後、俺がどこかで帽子を買っていたとしたら、タマはしゃべる帽子になっていたってこと!?」
「そういうことなり」




