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響が訪ねてきたことに、タマも気付いてたんだな。
「不都合と言えば不都合、かな」
俺は、それ以上響の話なんてしたくなかったし、するつもりもなかったけど、タマを相手に口を閉ざすのは難しい相談だった。
「サポートをする上で、ミーは君のことを出来るだけ知っておきたいなり。
引きこもり歴が邪魔をして人と話をするのが苦手という弱点がプラスされているのだとしても、話してほしいなり。君の言葉で。ミーでよければ、前向きに物事を解決する方法を導き出してあげるなりから」
今の言葉、引きこもり云々って部分が無かったら素直に感動できたのに。タマは何てもったいないヤツなんだろう。一言多い。とはいえ、タマの気持ちが少し嬉しかったのも本心だし、話すだけならタダだよね。
俺は、響のことをタマに話すことにした。
「さっきウチに来たのは響。同じクラスの男子なんだ。俺は、もう二度と会いたくないんだ、響とは……。だから、帰ってもらった」
俺は響を拒絶した。
「その男子は、君の友達なりか?家にまで来るくらいだし」
「違うよ。友達なんかじゃない」
「友達じゃないのに家に来るなりか、なるほど~。頼んでもいないのに先生の目を気にしてノートのコピーを持ってくるお節介な学級委員、あるいは、教師に媚びを売るために来訪した腹黒優等生の類なりか?」
「そんなんじゃないよ、響は。っていうか、タマ、日本の中学生事情に詳しいね!何者だよっ。さっきまで異世界の話をしてたとは思えないっ」
「言魂使いを導く者は不老長寿なりよ。言魂使いの意思で手に入れた小物に乗り移っていない間は、様々な世界を飛び回るハードマンなり。というか、ミーの素性を知ろうとするなんて、初心者のクセに調子に乗り過ぎなりっ!」
「自分から話し始めたんじゃないか~!」
「そんなこと、今はどうでもいいなり」
バッサリ言い、タマは何事もなかったかのように話を戻した。
「響君というクラスメイトは、君にとってどういう存在なりか?玄関先で口論するほど深い仲だったなりか?」
「そう言うと痴話喧嘩みたいだからやめてほしいな……」
「だって、良く知る間柄じゃないとああいう喧嘩はしないなり」
タマは真理を口にする。
そうだよな。タマの言うことも間違ってはいないんだ――。




