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……響は、今ごろ何をしてるんだろう?俺みたいなヤツのことは忘れて、自分の生活を送ってる。そうに決まってるよな。
あーあ。どうしてこうなっちゃったんだろう、俺は……。
ダメ人間だよな、中学すら行かないなんて。病気もケガもしてないのにさ。世の中には、家から出たくても出られない人だっているのに……。俺のは単なる甘えでしかない。ダメ人間としか言い様がない。
“君はダメ人間なんかじゃないなり!もっと、自分をよく知るなりよ!”
……ん!?妙な夢を見た気がする。
暗闇の中から、何かのゲームに出てきそうなゆるキャラボイスに語りかけられたのだ。
翌朝、なんとも言えない気分で目を覚ました俺は、枕元に転がっていたスマホを見た。
引きこもりについてネット検索をかけ、検索結果を読みながら寝たせいで、スマホ画面はそのままになっている。
ブラウザを終了させ、ため息まじりに充電をした。ネット接続すると、スマホの充電の減り方は半端ない。
なんだったんだろうな、夢に出てきたあの声は……。声変わりする前の少年みたいに、高い声だった。
『君はダメ人間なんかじゃない』
あれは俺に向けられた言葉なのだろうか。だとしたら、自分を卑下する俺を見かねた俺の深層心理が、俺自身を励まそうとしてくれたのかもしれない。
自己防衛の一種なのかもな。詳しいことは分からないけどさ。




