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オラルメンテ コンフリクト  作者: 蒼崎 慶
111/143


「そうです。とても心ない話です」


 瑞希みずきちゃんが言った。


「もっとひどいのは、彼が盗みの事実について問い詰めた時の、親友の反応の方でした」


『お前のことなんて、ずっと嫌いだったんだよ!親友?んなこと思ったことねーよ、バーカ!

 お前レアカードいっぱい持ってんだから、1枚くらい文句言わずくれればいいのに、ほんとケチな奴!!』


 親友はそう言い捨てると、一方的に彼を無視するようになった。もちろん、レアカードは彼の元に二度と返ってはこなかった。


「彼は、大切なカードを盗まれたことよりも、親友の言動にショックを受けました」


 そうだよな。盗み行為を開き直り、カードを返してくれない。、絶縁されたら、さ……。



「彼は、考えたそうです。自分のどういうところが嫌われ、親友の反感をかっていたのかを。他の友達にも、自分の短所を教えてほしいと、思い切って尋ねてみたのです。しかし、返ってくる答えは同じような内容ばかりでした。『お前に欠点があるとすれば、俺らなんて生まれながらの欠陥品けっかんひんだって』『しいて言うなら、お人好ひとよし過ぎるのが短所かな』『騙されやすそう。純粋だから』。どれも、彼の予想とは違う答えでした。『そういうお前だから、皆に好かれるんじゃん』と言う生徒まで居たとのこと。


 彼は、自分の何が親友を怒らせたのかが分からないまま、次第に、周りの人の言葉も疑うようになり、他人と関わることがつらくなってしまったそうです。


 一時いっときは、親友のことを忘れて他の人と仲良くすることを考え動いていたのですが、人と仲良くなればなるほど、いつかまた裏切られたり、嫌われてしまうのではないか。そういった恐怖心も大きくなっていきました」


「それが原因で、高校でも周りと上手うまくやれなくなっちゃったんだな……」


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