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「俺も、周りの友達も、そのゲームにハマってたんだ。キャラクターやアイテムを友達やクラスの子と交換したり。本屋とかでカードゲームも売られてた。ゲームを持ってない子も、友達に借りて遊んでたよ」
「永音さん、詳しいのですね。あの人と同じ目をしていました、ゲームのお話をする時」
「さっきの人も、好きなんだもんね」
「ええ。ゲームだけではなく、グッズを集めたり、地域限定販売レアキャラクターのカードをカードケースに入れて大切に保管しているそうです」
「うわぁ、すごいな。地域限定レアカードなんて手に入ったことないよ。うらやましいな」
俺には、そこまでグッズを買う金銭的余裕はない。うっかり本音が出てしまった。
瑞希ちゃんがクスッと笑い、
「好きなもののお話をする時、永音さんって子供みたいで可愛いですよね」
「ははは……」
可愛いってよりかっこいいと言って下さい!だなんて調子に乗ったことは言えず、笑ってごまかし、
「そのゲームと、彼の悩みに、何か関係が?」
話をうながした。
「ええ。深い関係があります」
瑞希ちゃんは感情のない声で言った。
「彼が中学に入学したばかりの頃、そのゲームの限定レアカードが発売されました。それは、全国の小中学生のみを対象とした極めて限定的な企画で、大人のゲームファンからクレームが殺到したり、ネットオークションで出品され異例の高値がつくなど、メディアでも取り上げられ、大きな騒ぎになりました」
「そういえば、そんなこともあったね」




