表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オラルメンテ コンフリクト  作者: 蒼崎 慶
106/143


 他の客を見るのは、これが初めてだ。


 俺と同い年か、年下に見える男子。やや幼さの残った優しそうな顔立ち。

 彼は、俺が席についてもこちらに目を合わせることなくずっとうつむいていた。不登校のコかな?引きこもってた時の俺と似たオーラを感じる。


 そういえば、末森すえもりさんが言っていたな。ここには、普通の生活をはずれた人が多くやってくるって。この人も、末森さんに声をかけられてここへ来たのかもしれない。初めてここを訪れた時のことを思い出し、俺はそんなことを考えていた。

 末森さん、自分から気になった通行人に声をかけてここに連れてくるとか言ってたし。



 瑞希みずきちゃんがコーラを出してくれたのと同時に、その人は席を立ち、無言で店を出ていった。


「ありがとうございました。また来てくださいね」


 瑞希ちゃんの挨拶も、空調の聞いた店内でむなしく消える。


 瑞希ちゃんからコーラ入りのグラスを受け取り、俺は尋ねた。


「今の人、常連さん?」


「はい。常連さんと言うほど多くはいらっしゃいませんが、永音ながとさんがこちらに通われるよりずっと前から、時々来て下さる方です。


 あれは、私がこのお店でお世話になり始めたばかりの頃の事でした」


 瑞希ちゃんは、今出て行った男子について話した。


「彼は、中学卒業後、定時制の高校に通っていたのですが、クラスの人とうまくいかず、先日に高校を辞めたと言ってみえました」


「高校を中退……。あの人、俺より年上だったんだ」


 てっきり、タメかと……。


「そうですね。彼は童顔でいらっしゃいますものね。でも、永音さんより1つ年上ですよ」


「ってことは、高校辞めたのも最近ってことになるね。無口そうな人だったけど、俺が来たらまずかったのかもしれない。あの人、瑞希ちゃんの占いをしに来たのかもしれないし……」


「いえ、問題ありませんよ。彼はいつも、ここでただ静かな時を過ごすのが好きだとおっしゃっていました」


 それはそれで、俺、邪魔しちゃったんじゃ……。他の客が来たら静かとか関係なくなるもんな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ