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初めまして。蒼崎 慶といいます。たくさんの作品がある中、貴重なお時間をさいてこちらに訪れてくださり、本当にありがとうございます。
本作品は、『第20回電撃小説大賞 長編小説応募作品』になります。一次選考発表時に落選だとわかったため、こちらのサイト様で公開させていただきました。
応募した原稿のコピー(手書き原稿用紙385枚分)を元に、加筆修正をしながらの更新になってしまうため、時間がかかったり、1ページあたりの文字数にばらつきが出てしまうかもしれませんが、できる限り元の原稿のまま、読者様にとって読みやすい文章になるよう改行等極力気を付け、出来るだけこまめに更新していきたいと思っています。
もしよろしければ、ご一読ください。
今自分にできる精一杯を注いで創作していますが、未熟者ゆえ、自分で気付かない欠点が多々あると思います。ご感想やアドバイス等、もし何かお気付きの点がありましたらお伝えいただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。今後の作品作りのための糧にさせていただきます。
人は人の言葉に傷つき、人の言葉に癒され、励まされたりもする。
学校に行っている時は、当然のようにそういうことを理解していたけど、俗に言う『引きこもり』になってから、俺は言葉ってものに重きを置かなくなってしまったんだ――。
「このコとはずっと付き合ってたいなぁ」
自室のパソコン前で、俺はつぶやく。
「ハッピーエンド希望!」
昼間にやることと言えば、もっぱらパソコン(あるいはテレビ)ゲーム。いつでも手軽に可愛い女の子と話ができる、いわゆるギャルゲーというやつだ。
学校に行かなくなって、早2ヶ月。俺の日常スケジュールの大半は、ギャルゲーのプレイで占められる。
ギャルゲーというのは、基本ひとりで楽しむ男向けのゲームだ。大抵の場合、ゲーム内に登場する女の子全員が主人公男子に惚れているという設定だ。
そんなウマイ話があるか、
男の妄想乙、
と、上から目線でバカにするリア充が多いが、今の俺は、まさしくギャルゲーの虜だ。
ギャルゲーにハマった理由。それは、お気に入りの女の子と必ずハッピーエンドを迎えられるからだ。たかがゲーム、されどゲーム。良いエンディングを迎えることができると、かなり嬉しいものだ。
ギャルゲーでは、気に入った女の子とのイベントを出来るだけ多くこなし、かつ、自分に対する女の子の好感度を上げることがハッピーエンドへの布石となる。途中の選択肢を間違うと好感度は下がり、最悪、バッドエンド直行。お気に入りの女の子に嫌われるエンディングが待っているのだ。
ただ、ちょっと不思議なことに、俺の気に入る女の子は、必ずと言っていいほどハッピーエンドで終わることができる。ハッピーエンドを迎えたプレイヤーには、おまけエピソード付きの話が楽しめるので、ハマらないわけにはいかなかった。
こんな、今の俺の生活を知ったら、学校のみんなはこう言うだろう。「非リア充、乙!」
分かりきったことを想像し、悔しいような悲しいような、どうしようもない気持ちになった。