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希望と期待
ひどく傷ついている人が居た
膝を抱え込み
何も見えないようにうつむき続ける人だった
ほら 太陽だ
そう呼び掛けても
決して顔をあげようとはしなかった
ほら 雨だ
そう呼び掛けても
決してその場から動こうとはしなかった
幾つも幾つも 心を寄せて
何度も何度も 心をさらけ出して
それでも
何も届きはしなかった
手を差し出した
ほら 僕が居るよ
ちょっと力を入れるだけさ
それだけで 君は――
それでも
握り返されなかったその手を
僕はどこに戻せばよいのだろう
本当に泣いていたのは僕で
僕だった
昔、もうタイトルも忘れてしまったある小説で「手を差し出すとき、人は、どうか握り返してほしいと願っている」という文を読み、衝撃を受けたことがあります。(記憶で書いているので、原文ママではありません。作者の方、申し訳ないです)本当にそうだと思います。最初に優しくするって勇気が必要で、返されないときに傷つくことってよくあります。それを分かっていて、ドキドキしながら手を差し出す人は、尊敬します。願わくば、そういう人に成りたいものです。




