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対価
平和と命を守ろう
それは人類の未来だ
平和
それはかけがえがない
命
それもまたかけがえのない
綺麗事だ、と僕は吐き捨てた
否、心中で大いに笑ってやった
さて、解答を出す時間だ
君の命と引き換えに世界が平和になるとしたら
君はそれでもあさましく自分の命を
価値あるモノとしてとっておくのかね?
Noだ!
勇者は大声で喚いた
「冷笑する勝者は魔王でしかないのか」
人の王は答えて言う
しかして、それもまた大儀である
いいかい?
大義じゃないんだ、大儀なんだよ
平和と命を比べた君は命を投げ出そうとした
否、投げたのさ
ああ、何と滑稽なのだろう
君が引き換えたそれが
仮初の平和だと知っていたら
やはり君は投げ出していたのだろうかね?
全ての祈りは破られた
砲撃の舞う白昼に
勇者の命はその他大勢の命とともに
礎になり
記録されず
記憶すらされなかった




