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望
例えば
濃い暗闇が覆い尽くす世界で
わずかな時間に出来た隙間が
世界を救うかもしれないとしよう
手を伸ばすその先にあるのは
雲の切れまのような小さな光か
暗闇に埋もれたままの世界か
曖昧な言葉に踊らされて
人は意味のない希望を持ち
曖昧な態度に化かされて
人は無駄な絶望を体感する
そこに悪意はあるのか
そこに偽善は存在するのか
意思を持ってそこに向かおうとする
つわものに
悪意や偽善は通用するのか
諦めたものに
悪意は振り返ろうとするのか
朽ち果てるものは
朽ち果て
打ちひしがれるものは
打ちひしがれ
それらはすべて
定まったものではないのか
君いつまでそこから動こうとしないのか
希望は救いではなく
絶望は滅びではない
なぜ理解を拒む?
君は自分から首に手をかけた
だから
やはり
すべて 定まっていたことなのだ