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見えない咎


水晶玉が割れた


その音を僕は確かに聞いた


その音の正体を僕は知っていた



君の音だった


君の心の音だった


君の心が砕けた音だった



理解して拒絶した僕がとどめを刺したことなど

君は気づいてもいないだろう

無関心に包まれた棘は性質が悪い

そんなことも今や判らないだろう


君は散った後なのだから




過去の過ち

現在の後悔

未来の償い


全ては去ってしまった後の悪い足掻きだ



僕に出来ることを模索する


それはあまりにも不出来な僕自身の枷



いつでも抜け出せるくせに

いつでも外せるくせに


無闇に身を捩って逃れられないふりをする



救いなどいらないとほらを吹き

その実、誰よりもクロノスへ祈願を捧げる


叶えられない駄々をこね続ける醜い人の子

それを誰よりも自覚しながら手を伸ばすことを止められない









上を見上げた僕に

今日もあの日の君が落ちてくる









全身へ降りかかった朱が始まりを告げた―













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