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世界最強の航空機動部隊  作者: 橘花
昭和 8
89/90

ソ連侵攻とアメリカ本土上陸

-ハワイ-


「全艦隊、出撃!!」


朝、サイレンと同時に全艦が真珠湾を出撃する。大型艦もタグボートに曳かれて洋上へと出て行く。


「全艦、洋上にて艦隊を組め」


参謀達が自分の作業を進めていく。山本は長官室に篭って作戦を確認しているのだ。


「宇垣参謀長、全艦出撃を確認しました。爆撃隊も予定通り離陸したとの事です。作戦は定刻通り始動です」


「そうか。そのまま続けたまえ」




-長官室-


「山本長官、艦隊並びに爆撃隊は予定通りです」


「そうか」


山本は机上の地図を見ながら唸る。


「何か懸念でも?」


「満ソ国境に集結しつつあるソ連軍が心配なのだ」




-ウラジオストク-


「日本軍がアメリカ本土へ上陸したとの報告が届きました」


「そうか。全軍に通達。攻撃を開始せよと」




「進撃開始」


命令と同時にソ連軍は国境線を突破。満州国領内へと侵攻を開始した。





-新京 関東軍司令部-


「閣下、満蒙並びに満ソ国境警備隊より緊急連絡。ソ連軍が、侵攻を開始しました」


ソビエトの国境集結は予想していた総司令部ではあるが、攻撃までは予想していなかった。


「そうか。ソ連が侵攻を開始したか」


救援陸軍満州方面司令官に着任していた『真田吉宗』大将は頷き、無線を取った。


「ソ連が侵攻してきた。全軍出撃」


満州に派遣されていた部隊はいずれも冷戦時代に対ソ戦を意識して鍛えられた精鋭の北海道駐屯軍。


「ソ連は我々が意識して訓練してきた敵だ。気合を入れろ」



-新京駅-


「鉄道をフル動員させろ。これより、鉄道は全て軍務についてもらう」


満州鉄道保有の鉄道全てを動員して各地に部隊と兵器運搬を開始する。更には操車場に擬装を施された列車砲が引っ張り出された。


「列車砲の運搬を最優先せよ」


列車砲は巧妙に擬装されたレールを走り、既に構築を終えている砲撃陣地へと向かって走り始める。続いて戦車や火砲を積んだ鉄道が駅を通過して行った。


「凄い騒ぎだな」


90式戦車や74式戦車で到着した救援陸軍はとても相乗りさせてくれる様な雰囲気でないことに気付いた。


「何をやっている。俺らが着くまで待っていろと言ったろ」


後ろから特大型運搬車や73式大型セミトレーラーが到着し戦車を乗せ始めた。


「慌しいな」


「戦争だからな」


新京駅では未だに混乱が続いている。




-虎頭要塞-


「石原参謀、ソ連が満州に侵攻しました」


「そんなモン、見れば分かるわ」


既に虎頭要塞にソ連軍が到着しつつある。既に列車砲の援護射撃を受けており、ソ連軍陣地を砲撃している最中だった。


「連中、突撃だけの馬鹿頭だと思っていたが、流石にこの堅固な要塞に突撃命令は下さんか」


陣地に向かって列車砲は攻撃してくれている。48km彼方からの砲撃にソ連軍は反撃できないのだ。更に航空優勢を確保できたこちらに有利なのは目に見えている。


「連中、やはりドイツに叩かれたのはでかいな」




-紀伊-


「長官、ソ連軍が満州国境を突破して侵攻を開始しました」


既に陸軍の上陸は開始してしまっている。更に海軍落下傘部隊もパナマ運河に降下してしまった。今更中止に出来ない。


「続けよう。このまま。なーに、見栄っ張りの関東軍に任せておけば良いだろう。彼らとて、そう易々に負ける連中じゃないよ」


サンフランシスコ沖に展開している山本五十六直属の連合艦隊主力艦隊はサンフランシスコに展開するアメリカ軍に砲撃を加え続けた。




-東郷-


「攻撃部隊が帰還しました」


攻撃隊はロサンゼルスを攻撃し終え、帰還した。そして、甲板では第二次攻撃隊の用意が始まる。


「剣龍より、第一次攻撃隊が出撃しました」


影鎖が指揮する艦隊には更に増強艦隊が加わっている。空母『剣龍』と『泉』である。その内の剣龍から第一次攻撃隊が飛び立ったのだ。


「急いで第二次攻撃の準備をしたまえ。それから泉にも攻撃隊を出すように伝えろ」


既に航空優勢はこちらが握っている。度重なる空襲でアメリカの工業生産能力は瀕死を迎え、更に基地航空隊も爆撃で被害を受けている。


「更にヨーロッパに送った部隊は重兵器を全て失う損失。まあ、兵士を帰還させるのに手一杯でUボートが跋扈ばっこする大西洋を重兵器運搬の余裕はある訳無いけど」


事実、兵士を帰還させる為に送った輸送船も多数が沈没するという事態に陥っており、とても戦車や重火器、大西洋を越えられない航空機を運搬する事は不可能だった。


「さて、これで講和に応じてくれると良いのだが」


影鎖はただそれだけを願っていた。

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