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世界最強の航空機動部隊  作者: 橘花
平成 7
81/90

半島反攻

上陸した後、1個軍集団を構成する4個軍は2個軍ずつに分かれて北へと攻勢を開始する。


「急げ!!。ソウルまで休まずに進撃する」


西側の平野を走る2個軍は平野の為に戦車をはじめとする車両の移動は迅速に行える。しかし、東側は山岳地帯であり、車両移動は困難を極めた。


「空挺部隊が敵陣地後方に展開したようです」


新羅軍の陣地に阻まれている第4軍は空挺部隊を陣地後方にヘリ降下させ展開させた。そして、攻勢をかける。


「偵察用無人ヘリからの情報を送信します」


通信部隊が受信した陣地を捉え続ける無人偵察ヘリの送ったデータを基に99式自走砲が狙いを付ける。そして、砲撃を開始した。


「こちら第3砲兵連隊。ただいま陣地に砲撃中。戦果大なり。繰り返す、戦果大なり」


8個の砲兵連隊総数80両の99式自走砲が新羅軍の陣地を砲撃する。攻撃前の前進支援射撃を終えた自走砲は次に支援要請を受信する体制に移行した。そして、砲撃終了後に戦車を主力すると部隊が攻撃を開始した。


「18式戦車隊、突撃」


山肌に備えられているトーチカを陸鳳がレーザーで吹き飛ばし、道路に作られた塹壕を18式戦車が突破。後続の10式戦車と89式装甲戦闘車、96式装輪装甲車が塹壕に立て篭もる歩兵を制圧した。



「敵戦車確認、攻撃開始!!」


そして、塹壕を突破して陣地奥に進んでいた18式戦車隊の前に新羅軍のK2とK1が立ち塞がった。そして、攻撃を加えてくる。


「前方の味方がやられた。後続車は注意しつつ、反撃」


K1を撃破するのは簡単だが、戦車同士の情報共有が行えるK2は手強い。日本などのような戦場全域を情報で統合することはまだ新羅、元韓国にはできなかった。しかし、それでも部隊内の情報共有技術は持っており、それをK2は採用している。


「K2が手強い」


18式戦車隊が苦戦していたところを、後方に展開していた空挺部隊が到着。バイクから降り、01式軽対戦車誘導弾を構えた。


「ロックオン完了。発射!!」


発射された対戦車ミサイルは、赤外線に誘導されてK2に命中。炎上するK2がどんどん増えていった。


「新羅軍を挟んだ。これで逃げる事はできない」


前方と後方で新羅軍を挟み込んだ。そうなれば、新羅軍に待つ運命は全滅か降伏しかない。戦車部隊が壊滅し、歩兵のみでは抵抗できずに降伏した。




「陣地に駐留している部隊は降伏した」


陣地救援に向かう新羅空軍へリボーン部隊が現地発信の通信を傍受する。Mi-24をはじめ、Mi-17更にはKa-22が飛行していた。


「なら、降伏した部隊ごと殲滅するぞ。全火器の使用をきょ・・・」


次の瞬間、先頭を飛ぶ隊長機がミサイルで撃墜される。撃墜されたヘリは炎上しながら墜落し、爆発した。



「こちらアパッチ隊。飛行中の新羅空軍ヘリ部隊を発見。先頭のハインドを撃墜した」


報告を終えた後、アパッチ隊は驚愕する。飛行する新羅空軍ヘリ部隊の内、ヘリとしては巨人機と言っても良い大型ヘリ、ka-22を確認したからだ。


「目の錯覚かと思ったが、どうやら本当らしいな。アントノフ輸送機と肩を並べると称された試作ヘリ、Ka-22だ。北で量産されていたのか」


「隊長、どうしますか?」


「撃墜するに決まっている。その為に来たんだ」


「了解」


アパッチ隊が敵に肉薄攻撃を開始する。ヘリ同士の格闘戦と言いたいが、勝負の結果はする前から分かりきっている。鈍足な新羅空軍ヘリ部隊が、俊敏な機動を行えるアパッチ攻撃ヘリに敵う筈が無い。真後ろに付かれて機関砲で撃墜されるか、空対空ミサイルで撃墜されるかのどちらかだった。


「一方的!!」


やはり一方的に終った。アパッチ隊の損害は無く、敵ヘリ合計14機を撃墜した。だが、帰還しようとしたときだった。


「後方よりミサイル!!」


気付いたときには、アパッチ一機が火の玉になっていた。それと同時に青と赤の円に囲まれた赤星を付けたMIG27。新羅空軍の戦闘機4機が飛来した。


「くそ。散開!!、散開!!」


急いでアパッチ隊は散開し、ミサイルなどは俊敏な機動で回避する。しかし、機関砲には敵わずに撃墜される機が出る。


「救援を寄越してくれ。このままじゃあ全滅だ」


しかし、最寄の航空部隊からでも20分は掛かる。待っていれば全滅する。


『しょうがないな。後で何か奢れよ』


無線からそんな声が聞こえたかと思うと、1機の戦闘機が火の玉になって落下していく。そして、上空には飛行戦車陸凰が飛んでいた。


『1機撃墜。続いて2機目』


後ろに付き、レーザーで撃墜する。2機目も火の玉になって落下してくる。


『3機目』


3機目も、4機目も火の玉に変えた。敵部隊は全滅した。




-ソウル郊外-


「第4軍より報告、市街の戦闘は順調」


ソウルに突入した第3軍と4軍は、市街地戦を展開している。偵察ロボをはじめとするハイテク兵器を最大限に利用し、市街地戦を優位に進めている。


「そうですか」


郊外に司令部を構える第3軍司令の乃木は、ただそう答える。


「兵達に伝えなさい。なるべく、犠牲を抑えて早急に終結させるようにと」


そして、そう命じた。



「くそ。流石に市街戦は慣れんものだ」


支援砲撃を満足に受けれずに攻撃をしている部隊が殆どであった。占領後を考え、支援砲撃は控えたのだ。


「犠牲は戦史を見た限りでは少ないと言えるが、それでも近代の市街戦としては長期化している。早く終らせないと、日が暮れてしまう」


1日の内にソウルを占領したかった。長引けば、反撃兵力を整えられてしまう。だから、1日で占領したかった。


「戦車は4台に分かれて、我々の盾になりながら戦ってくれているが、それでも犠牲は多いな」


ハイテク兵器と戦車の盾を以ってしても、やはり兵士の犠牲は出る。何時の時代になっても、血を流さない一方的な勝利などあり得ないのだ。


「市街戦じゃあ、戦車は余り役に立ちませんからね」


歩兵の隠れるところの沢山ある市街地での戦車運用、技術の進歩した現代でも歩兵支援無しでは不利といっても良い。結局、歩兵と戦車は切っても切れない仲である。だからこそ、戦車と歩兵の綿密な連携が必要になった。情報統合システムもそれを助けている。


「とにかく、終結を急がせる」




夕方、遂にソウルの抵抗は減ってきた。残存部隊は遂に国会議事堂、青瓦台、ソウル市庁舎に立て篭もった。


「砲撃!!」


包囲した戦車隊は軽く砲撃した後、歩兵部隊を屋内に突入させ、立て篭もった部隊を殲滅した。そして、同時にソウル市庁舎に日の丸を掲げた。

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