逮捕
-警察庁-
「調査の結果、経済操作を行っていた者が判明しました。」
国家公安委員会の調査で、経済操作を行っていた者4名が判明した。
「いずれも、新羅国籍の者です。身元調査を行った結果、彼らは元北朝鮮工作員。」
「分かった。早急に逮捕に向かうぞ。」
都内の戒厳令下、パトカーで逮捕に向かう。
「ここだな。」
連絡を受けた警視庁は、逮捕のために警官を派遣。経済操作を行っている者が潜伏するマンションに来た。
「相手は工作員だ。武器の扱いにも慣れているだろうから、気をつけて行け。」
警官が銃を取り出し、マンションの階段を上がっていく。
「この部屋だ。」
潜伏している部屋の前に辿り着いた警官は、武器を構えて扉に手を掛ける。
「1・・・2の・・・・3!!。」
扉を開け、室内に入った。その瞬間、部屋が大爆発を起こす。
「な、何だ!?。何事だ!?。」
下で待機していた他の警官は、爆発した部屋を見る。
「わ、分かりません。突然、爆発しました。」
「爆弾でも仕掛けてあったのか!?」
「不明です。」
現場は混乱していた。突然の爆発で、マンション内の住民もドアを開けて外に出てくる。
「あ!!。警部、車が。」
「何!?」
駐車場から黒塗りのBMWとベンツ・W204が猛スピードで都内の道路を走っていく。
「乗車!!直ちに追うぞ!!。」
各警官も、急いでパトカーに乗って追いかける。
「方南通りを西に向けて逃走中。都内中心を目指して走っております。」
サイレンを鳴らしながら、パトカーが追跡する。
「は、犯人が発砲!!」
BMWに乗っている工作員が、パトカーに向けてVz61で銃撃する。
「え、エンジン被弾。停車します。」
一台のパトカーが追跡から脱落し、僅かな速度で惰性走行して路肩に止める。
「くそ。防弾装備が無いから、銃撃を喰らったら追跡できん。」
路肩に止めたパトカーの横を何台ものパトカーが追跡している。
「都内には戦車も配備した陸軍治安部隊が居る。その部隊に応援を頼もう。」
無線で、陸軍治安部隊に事情を説明し、応援を要請した。軍用車両なら、防弾も考慮されている。追跡には申し分なかった。
「88式小銃まで持っているのか。」
ベンツ・W204からは88式小銃の銃撃を受ける。
「流石、戦争の為に開発された銃だな。」
銃撃を受け、パトカーが爆発する。
「構わん、反撃しろ!!。」
警官も、銃を取り出して反撃に移るが、自動小銃相手に自動拳銃では火力負けする。
「タイヤを狙え。何としても止めるんだ。」
警官はタイヤを狙って発砲するが、上手く中らない。
「RPG7です。」
BMWから、RPG7が放たれる。弾頭は先頭を走るパトカーに命中し、後続車両を数台巻き込んで爆発する。
「治安軍より、軽装甲機動車と96式装輪装甲車が合流。」
各2台の車両が合流し、追跡に加わる。
「射撃開始。」
装備されている機関銃で射撃を開始する。
「防弾車両とは、中々命を大事にしてるじゃないか。」
ガラスは銃弾を受けても割れない。しかし、車体には命中しているので、効いている。
「この先に戦車が待機している。そこに誘い込め。」
パトカーと無線周波数を同じにし、連携を取りながら追い続ける。
「戦車確認。この場でバリケードを作れ!!。」
道の先は戦車が塞いでおり、パトカーや治安維持軍の車両は停車してバリケードを作り上げる。
「降りました。」
工作員は車を止め、銃を出して反撃してくる。警官や治安軍は車両に隠れて難を逃れる。
「反撃しろ。だが、出来る限り生け捕りにする。」
足を狙い、各自が発砲する。銃撃戦は数分で終わった。何せ、挟まれているのだから工作員は完全に身を隠すことなど出来ない。2人が射殺され、もう2人が銃弾を全て使い果たして片方が自決。もう片方は降伏した。
-ニューデリー-
「日本は、当面の敵を新羅軍として反撃しております。竹島は奪還できましたが、まだ敵国本土は精鋭部隊が残っており、今後は上陸戦になるでしょう。」
西澤は諸国会議の場で発言する。
「それは理解しておりますが、こちらも苦しいのです。どうか、早急に片付けてこちらに来て頂きたい。」
ベトナム代表のグエン・ディン・ミンは日本に助けられた身である為に強くは言えないが、それでも早く日本の本格的な参戦を願っている。
「今現在、日本は中国に対して防衛しか出来ません。新羅軍は予想以上の精強っぷりを発揮しまして、中国にのみ戦力を割けれないんです。」
「それは理解できますが、どうかお願いします。」
対中包囲網を形成できているが、それでも上手く連携を取ることが出来ない。一部の部隊が突出した前線を構築していれば、一部の部隊は下がった前線を構築している。これでは、押し返されるのは時間の問題である。
「早く、参加していただきたい。貴国には、優秀な戦略空軍が居るではないか。それで、工業地帯だけでも爆撃していただきたい。そうすれば、前線に着く中国軍物資は遅らせることが出来る。」
「残念ながら、今は舞水端里にある弾道ミサイル基地破壊を計画しており、戦略空軍はその作戦に投入するので。」
「では、その爆撃機を提供していただきたい。そうすれば、我がインドで量産。瞬く間に対中包囲網参加国に行き渡り、投入することが出来る。」
「残念ながら、それも無理です。我が国は武器禁輸国。それだけは、出来ません。」
まだ、日本は武器禁輸を掲げている。国防省内では、これを期に武器禁輸も解くべきであるとの声もあるが、それでも中々難しい。
「そうですか。まあ、それは貴国の掲げる国策でもある故、強くは言えませんな。強く言えば、内政干渉でもありますから。」
「ご理解していただいて、感謝します。」
結局、日本は中国に対しての現時点の方針は領海・領空侵犯があった場合は警告無しに撃沈・撃墜することになった。戦時だから、警告は無用なので当然の措置でもある。
「新羅の方は出来る限り早く片付けますが、難しいことも理解していて貰いたいです。」
会議は終了を迎え、代表は自国に帰国していった。




