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世界最強の航空機動部隊  作者: 橘花
昭和 6
56/90

攻撃成功

-真珠湾-


「ペンシルベニア、大破しました。」


魚雷3本を喰らい、更に急降下爆撃を2回受け、傾いた。


「戦闘能力喪失です。」


「了解。別の目標も狙うぞ。」


天山艦攻は別の目標に攻撃を移した。



-真珠湾 アメリカ太平洋艦隊司令部―


「日本軍の攻撃が止まりません。湾内の艦艇、消耗率50%を越えました。」


「こちらに向かっている空母は?」


「サンディエゴ基地を出撃した空母艦隊が今日到着する予定ですが。」


ニミッツは司令部に到着するなり、状況を聞く。


「ホーネットやエンタープライズ、レンジャーか。」


「はい。」


参謀が頷く。


「勝てると思うか?」


「敵の規模は不明ですが、艦載機の数を見る限りはかなりの数と思われます。北太平洋艦隊から、ノースカロライナなどの戦艦が出撃したようですが、こちらを加えても、勝てる見込みはないでしょう。」


参謀たちは、冷静に彼我の戦力差を分析した。


「軍人たるもの、ただ戦うだけでは駄目だ。損害を考え、後を考える。今重要なのは、ハワイよりも空母だろう。キングはハワイを死守しろと言ったが、ここで空母を失えば、後の戦いも厳しい。」


「提督。」


「ノースカロライナはともかく、空母艦隊は直ちに引き返させろ。本土にも電報を打て。一分一秒でも長く持たせ、合衆国の反撃準備を整えるための時間を稼ぐと。」


ニミッツは直ぐに電報を打たせた。軍人としては抗命罪だが、戦力を見誤っての戦いで損害を出したら、それこそアメリカを負けさせてしまう。ニミッツはそれだけは避けたかった。




「優れた人間だよ。ニミッツ元帥は。」


上空を旋回するE2は既に電子妨害をやめている。既に攻撃している為、電子妨害をする必要が無かった。


「本土の戦いの用意が出来るまで時間を稼ぐそうだ。」


そして、先ほど発信された電報をキャッチしたE2は、それを味方に発信していた。




「目標、燃料タンク。」


天山水平爆撃隊が燃料タンクへの攻撃を開始した。既に港湾の艦艇は戦闘能力が殆ど喪失している。


「敵は予想外ですね。もっと、湾内に艦艇が居ると思って、4段構えの作戦を立案したのに。」


「敵は狡猾だよ。恐らく、ここだけが決戦場じゃないと睨んでの事だろう。」




-紀伊-


「先ほどの電報通りだと、空母は引き返したそうですが。」


紀伊でも、E2の発信した電報を受け取っていた。


「そうだな。戦艦が向かっているそうじゃないか。」


山本は落ち着いて言う。


「どうしましょうか?」


「どうするもこうするも。戦うしかないだろう。どうせだ。本艦一隻だけでやらんか?」


山本突然、とんでもない事を言い出す。


「長官、護衛も連れて行かないのですか?それでは、潜水艦からの攻撃に対処できませんよ。」


「私が言ったのは、連合艦隊は本艦一隻だと言う意味だ。」


「では、救援海軍を?」


「こんごうって言ったっけ?それに、護衛を頼めばいいだろう。」




-こんごう―


「浜西司令、連合艦隊旗艦より入電。本艦に、紀伊の護衛を依頼してきていますが。」


「恐らく、ノースカロライナを叩くのだろう。」


浜西も状況を読み取っている。


「艦隊指揮をひえいに移譲し、本艦は紀伊の護衛に着く。」


紀伊と共に、こんごうは進路を北西へとった。




-大和-


「攻撃隊より、真珠湾攻撃成功。湾内艦艇は予想以上に少ないも、目標を全て破壊。」


第一航空戦隊旗艦の大和では、山口が報告を受ける。


「中将、追撃すべきです。」


参謀らは追撃を具申する。


「戦闘機を中心とする第二次攻撃隊を飛ばす。今度は飛行場だ。先ほどの攻撃を受け、飛行場では戦闘機が次々昇っているだろう。」


「E2からの報告では、湾内上空にも戦闘機が出現し始めたそうです。また、陸軍基地からも戦車やトラックなどの移動が活発になっており、上陸してくる兵の迎撃態勢が整えられているとの事。」


山口は、発艦していく戦闘機隊を中心とする第二次攻撃隊を見守りながら


「上陸戦は近いと、伝えておけ。」


「了解しました。」




-上陸艦隊 旗艦『安宅丸』-


輸送船『安宅丸(あたけまる)』では、上陸部隊指揮官の山下奉文大将が居た。


「今回は空からの掩護もある。大本営は出来る限り早く落とせとしか言わなかったから、特に急がず、損害を抑え、そして確実に勝利する事だけを考えていい。」


マレー作戦と違い、今回は特に期限を決められていない。その為、山下大将もやりやすかった。


「気楽に行ってくれればいい。損害は抑えながら、気楽にな。」


輸送船は平成を含め、至る所から掻き集めた外洋航海能力を持つ1000t以上の艦艇計120隻以上。日本海軍史の中で、これほど大規模な作戦展開は無い。


「戦車、火砲、自動車、それに兵力に物資。この作戦が、如何に重要かを物語っている量を揃えている。」


戦車は最新の5式戦車を改造した2式戦車、それに平成からの技術提供を受けて生産されている2式重戦車(61式戦車の事)。その他、自動車は平成の中型トラックなども含まれている。


「上陸する兵らは1週間で落とせる言う者も居るらしいが、私は一か月は確実に掛かると予想している。」


「恐らく、予想は的中するでしょう。下手をすれば、ゲリラ戦で半年は持ち堪えるかもしれませんよ。」


「ありえるが、取りあえず基地を全て潰せば継戦能力は削ぐ事が出来る。」


その時、上陸作戦開始の放送が流れた。


「では始めよう。上陸戦を。」

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