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世界最強の航空機動部隊  作者: 橘花
平成 4
42/90

両諸島奪還作戦 前編

―日本軍総司令部―


「現在、作戦部隊は順調に目標に向かっております。」


「フィリピン、ベトナム、両軍も出撃した模様。」


オペレーターが情報を処理し、スクリーンに映す。




―空中空母 伊弉諾尊―


「乃木司令長官、目標まであと少しです。」


「日本本土から、増援に来る輸送機などを掩護するのも我々の任務です。」


降下部隊も乗る空中空母は、空中戦艦に護衛される形で目標上空まで到達する。


「攻撃を開始しなさい。」


乃木は、静かにそう命じた。それを受け、空中戦艦に搭載されている30㎝連装砲が火を噴き始める。


「まずは、西沙諸島からです。」


2日間の艦砲射撃のち、降下部隊が降下し始める。それと同日、ベトナム陸軍が海軍援護の許で上陸。



「戦車などが少数配備されております。」


降下後に司令部を作った日本軍はベトナム軍との合流を目指し、島を包囲する形で布陣する。


「陸鳳がおります。大丈夫でしょう。」


乃木は落ち着いて、そう言った。



「前方、中国戦車。」


96式戦車が少数配備されてる南沙諸島は各島に降下・上陸した日本・ベトナム連合軍を少なきながらも圧倒している。


「旧式化している戦車だ。破壊するぞ。」


「エネルギー充填良し。発射!!。」


陸鳳から発射された超高熱爆発レーザーが放たれる。光を一点に収束させ、それによって超高熱状態まで引き上げる。これに触れると、太陽光線一点に受けたように燃え上がる。鉄製の物は爆発した後に燃え上がる。


「破壊確認。」


「レーダーに、敵機の反応あり。戦闘ヘリです。」


見ると、戦闘ヘリWZ12だった。


「馬鹿な。最新鋭の戦闘ヘリをこんな辺境に配備したのか。」


流石にこんな離島に中国軍最新鋭戦闘ヘリを配備していたことに驚く。


「なら、こっちも本気にならんとな。」


半数が履帯を水平にし、ディーンドライブエンジン改。即ち、反重力エンジンを作動させる。


「垂直尾翼、主翼開放。」


水平尾翼と主翼を開く。デルタ翼機みたいな翼と垂直尾翼が現れ、上昇していく。



「な、何だあれは?空飛ぶ戦車か?」


戦闘ヘリに乗る乗員も驚く。突然、攻撃目標の一部が空に上がってくるのだから。


「滑空戦車か?」


「馬鹿言うな。あれは実現しなかっただろう。」


第二次大戦中滑空戦車構想は実在した。グライダー部隊の挺身戦車部隊が運用する予定であり、実際に実物大の模型製作にこぎつけた。日本軍は実物大の模型製作までは行ったが飛行の不安定さから、計画は中止となってしまった。連合軍も同様の研究をしたが、こちらは模型製作前に日本軍同様に飛行の不安定さから中止となった。


「じゃ、じゃああれは?何なんですか?」


戦車から空へ上がってきたら、流石にどんな人間でも驚くだろう。


「こっちに来ます。」


左を見ると、既に戦闘用意が出来た陸鳳が向かってくる。




「喰らえ!」


砲塔上部の迎撃用自動制御式拡散レーザーライフルが発砲した。WZ12はそれに撃ち抜かれ、撃墜される。


「このまま要塞を攻撃するぞ。」


直接、圧縮空気が原子炉内を通ることが無いので、放射線に汚染されることは無い。なので環境を気にせずに戦える陸鳳は思う存分に空を飛べる。


「目標、敵要塞。」


「エネルギー充填良し。発射!!」


発射された超高熱爆発レーザーは要塞をフルボッコにする。



―中国軍 司令部要塞―


「し、司令。敵の攻撃が激しく、各島で降伏を訴えております。」


西沙諸島守備隊総指揮官の(ワン)培為(ベイウェイ)中将は過去には中国共産党政治員でもあった。それ故に


「降伏は出来ん。最後まで戦わせろ。」


負けを認めることが出来ない。


「し、しかし。場所によっては猛撃を受けている地域もあります。」


将校等はこんな辺境の地に補給など望めないと分かっており、汚名を着てでも降伏したかった。


「ならん。何としても耐え続けるんだ。本土から、応援が来るまで。」


中々、聞き入れない。




「富嶽爆撃隊から連絡。」


日本軍司令部が爆撃準備に入った富嶽から連絡を受け取る。


「爆撃用意完了。付近に居る部隊は一時待機を要請する。っだ、そうです。」


「そうですか。部隊を一時、引かせないさい。」


命令を各部隊に送り、後退させる。



―中国軍 司令部要塞―


「見ろ、敵は退いたではないか。」


攻撃の音が止んだのを聞き、王は威勢を増す。


「諸君等が臆病なだけだ。この隙に・・・」


その時、爆弾の落下音が響き渡る。そして、司令部に何発を爆弾の雨を受ける。




「ウ・・・くっそ。」


瓦礫を退け、王が何とか這い出してきた。気絶しており、幾分経ったか分からない。


「げ、現状を報告・・せよ。」


見ると、無事な人間全員が銃を構えて王を狙っている。


「き、貴様ら。」


王がそう言うが、全員微動だにせずに王に狙いを付け続ける。



「人は、命が何よりも危険だと分かると。どんな人間でも、生き残ろうと、手段を選ばなくなります。彼らの選んだ生き残る最善の手段が、貴方を殺す事だったのでしょう。」


取り囲む中国軍将兵の後ろから、数人の日本軍に護衛される形で乃木が現れる。


「中将、貴方はよく戦いました。誰も、非難はしません。彼らも、降伏を選びました。残るは、貴方だけです。」


乃木は、ゆっくりと王に近づきながら言う。


「わ、私は元中国共産党政治委員だ。私は祖国に忠誠を誓っている。決して、降伏などしない!!。」


銃を抜き、乃木に狙いを定める。それを見て、護衛していた日本軍も銃を構えるが


「やめなさい。銃を、降ろして。」


部下に、銃を下すように命じる。


「彼は、最後まで戦う事を選んだのです。武士(もののふ)として、彼に敬意を表します。」


王は乃木を狙うのをやめ、自分のこめかみに銃を突きつける。


「貴方と戦った事が、私の人生の中で、一番の誇りです。」


その瞬間、引き金を引いた。王は降伏ではなく、自決を選んだ。





「遺体を丁重に扱いなさい。国の為に戦った勇敢な将兵たちです。この時代、騎士道も武士道も無いかもしれませんが、せめて、彼らには祖国の土を踏ませてあげましょう。」


西沙諸島では、ベトナム・日本・中国軍の遺体回収を行っている。乃木は、日本とベトナム軍の遺体は簡単に祖国へ帰せるが、中国軍の遺体をどうやって祖国へ帰すか悩んでいる。


「一度、本土に運んで、富嶽を使ってパラシュート投下したら如何でしょうか?」


一人の将校の提案は採用され、後日には中国本土へ向けて離陸した富嶽によって遺体をパラシュート降下。無事(戦死しているが)に祖国の土を踏むことが出来た。なお、現地で捕虜となった中国軍の中で、以外にも義勇軍志願した者がいたのだ。勿論、少数ではあったが、中国の態勢を支持できない者たちは義勇軍部隊を組織してベトナム軍籍で戦う事となった。

乃木希典大将の伝記呼んでて、感動したのでこの小説に無理やりでも登場させようと思ったのが、今の乃木大将です。

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