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世界最強の航空機動部隊  作者: 橘花
昭和 3
31/90

インド洋作戦 『アジアの盾作戦』

―東郷―


「マラッカ海峡、まもなく通過。」


江田原が艦橋にて報告する。


「もうじき、インド洋へ入るか。今度の作戦、どうみるかね?副長。」


「現時点では何とも言えませんが、恐らくは軍令部の読み通りにアジアに欧州の白人帝国を完全に崩壊させるには絶好の作戦だと思います。」


「そうか。後方の機動部隊は?」


「赤城が沈んでしまい、見栄えは少し悪くなりましたが、戦意の低下は見られませんでした。」


「そうか。しかし、戦意が高いとはいえ機動部隊の象徴を失ったのだ。何らかの影響は覚悟せねばな。」


「はい。」


独立航空機動部隊は先行してインド洋に入り、敵情などを偵察。後に合流して共同でチッタゴンなどの英印軍飛行場を破壊。アラビア海に進出して港湾設備やボンベイの空襲を行う予定だった。


「陸軍も直に動き始めます。陸海軍共同作戦としてはこれ以上の大規模作戦はありません。」


尾上は双眼鏡でインド洋を眺める。


「夜間に突入。敵影は無し。完全な奇襲作戦ですね。」


「だろうな。」


双眼鏡から眼を外し、林原の方を見る。


「それでは艦長。私はCICに。」


「頼むぞ。」


そう言い、尾上は艦橋を後にする。




数時間後、チッタゴン飛行場


「なあ、聞いたか?ついさっきの放送。」


「ああ。ボースの仮政府設立だろう。」


日本陸海軍作戦開始の合図とも知らずに、英印軍は搭乗員待機所に集まっていた。


「俺は嫌だぜ。同胞の頭上なんかに爆撃や機銃掃射するの。」


「俺もだよ。」


英印空軍はボースの仮政府設立の放送を聞き、士気の低下が見られた。


「なあ、植民地政府に従う俺達と、自治政府設立して独立を訴えるボースの政府。一体、どっちが正しいのだろうか?」


「さあな。最終的に、やった者勝ちだ。この戦いに勝利した方が、正しいって事だよ。」


「じゃあ、同胞の頭上に爆撃や機銃掃射できるってのかよ。」


「そ、そうは言ってない。」




「もうじき、チッタゴン飛行場だ。」


機動部隊を飛び立っていた航空隊は陸軍の進撃を確認し、攻撃に移る。


「他の飛行場攻撃隊も突撃命令を受信。」


「よーし。母艦に打電『我奇襲ニ成功セリ。トラ・トラ・トラ。』だ。」


「了解。」


無線手が母艦にモールスで奇襲成功電を打った。




―東郷―


「攻撃隊より受電。奇襲成功です。」


「そうか。頼むぞ。」




―チッタゴン飛行場―


「目標、駐機中の戦闘機。」


彗星艦爆が爆弾によって駐機されているハリケーンを破壊する。


「目標は駐機中の航空機と司令部や管制塔だ。滑走路は破壊するな。」


「了解。」


滑走路は、占領した後に現地軍の飛行場として利用する予定となっている。


「陸軍が飛行場攻撃を開始。」


見ると、飛行場に幾多も火柱が上る。


「砲撃だな。着弾観測をしてやれ。」


「了解。」




―砲兵陣地―


「攻撃中の航空隊より、着弾修正電。」


「分かった。」


航空隊から送られた修正を頼りに、目標を再補正する。


「撃て!!」




―チッタゴン飛行場―


「くそ。何てことだ。」


滑走路へと飛び出してきた英印軍は応戦するイギリス軍の事を放っておいて茂みに逃げ出す。


「結局、俺たちは日本とボースの政府軍を攻撃する事なんか出来ないのか。」


「どうせならイギリス軍に挑んでみないか?」


「そりゃあ良い。俺達を人間と見ていないんだ。その人外に反乱を起こされた連中の顔を拝んでみようぜ。」


そう言って武器庫まで走り、英印軍はステン短機関銃やブレン軽機関銃、リーエンフィールドなどで武装し、背後から攻撃した。


「俺たちをさんざんこき使いやがって。」


怒りに任せ、銃を撃った。戦闘はこの後も続く事となり、2時間に及ぶ戦闘でイギリスは弾薬を欠乏、降伏した。





―東郷―


「攻撃隊が帰還してきました。」


攻撃隊は見る限り被弾機は少なく、戦闘に支障は無さそうだった。


「チッタゴンではインド軍の反乱でイギリス軍を攻撃したそうです。」


「そうか。」


甲板では、攻撃隊が次々に着艦してきている。


「作戦は、完璧の様だな。」


「はい。」


「分かった。被弾している航空機を格納庫で応急修理させろ。我々と機動部隊から分離した龍驤、飛鷹、隼鷹とその護衛隊でボンベイや港湾施設を破壊しに行くのだからな。」


加賀などの第一航空艦隊はこの後も陸軍の掩護を続ける事となる。その他はボンベイと港湾施設を攻撃するため、アラビア海へ入る事となった。



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