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ガダルカナル陸上戦

―ガダルカナル 米海兵隊上陸地点―


「て、敵の抵抗が激しすぎます。」


上陸した部隊は敵の猛攻に晒され、次々と命を落としていく。


「艦隊は撤退しちまうし、航空支援は受けられん。このままじゃあ、飛行場を奪取する前に全滅しちまうぞ。」


砂浜は見晴らしがよく、機銃で狙い撃つには絶好の場所だった。逆に、海兵隊は日本軍の隠れているジャングルに効果的な抵抗が出来ず、日米陸上戦は日本が優勢だった。


「せ、戦車を出せ!!。一気にジャングルへ突っ込む。」


海兵隊は負けじと戦車を繰り出し、その陰に隠れて前進を開始する。



―ガダルカナル 日本軍司令部―


「川口司令官、敵が戦車を繰り出してこちらに向かっていると前線から報告が。」


「そうか。陸自さんは、戦車を動かせるかね?」


「ジャングルでの戦闘は出来ない事もありませんが、経験が足りなさすぎて困難かと思います。飛行場まで誘い出せれば、見晴らしがよく、前面装甲も貫く事はありませんので可能かと。」


「そうですか。海岸防衛隊に飛行場まで撤退するよう伝えろ。」


「了解しました。」


伝令兵が川口少将の命令を伝えるために通信室へと向かった。


「それでは、航空機隊は翔鶴と瑞鶴へ退避させましょう。航空機が失えば、ガダルカナル飛行場を戦力化した意味が無くなりますので。」


「そうだな。陸攻や、海自さんの偵察機なども全てブインに退避させましょう。」


航空隊は、命令を受諾し、ガダルカナルから急いで退避を始める。進出してきた第五航空戦隊とその護衛艦群はガダルカナル北方280㎞地点に待機しており、命令があれば直ちに航空支援を行える状態だった。


そして、非戦闘車両はガダルカナル飛行場からジャングルの中へ退避を始め、飛行場には土嚢などで作り上げた即席の機銃陣地や戦車が配備され、ジャングル内には99式自走砲や陸軍の95式野砲が備えられた。




「来たぞ。」


木を倒しながら、M4やM3の中戦車と歩兵部隊、M3ハーフトラックなどが来た。


「総員、攻撃用意・・・・始め!!」


その瞬間、機銃陣地から一斉に機銃弾が放たれ、ジャングルから出てきた兵を倒していく。


「18式戦車隊、砲撃開始。」


陸自の18式戦車も攻撃を開始。シャーマンやリーが反撃をしてくるが、装甲の固い18式戦車を破壊できるはずがない。



「ジャップのあの戦車は一体なんだ!?」


応戦する部隊が日本軍の戦車の機動力、防御力、攻撃力を見て驚く。シャーマンにとっても海兵隊員にとっても初陣だが、これまでの日本軍戦車の能力を聞いていた海兵隊員には目を疑う様な戦闘力だった。


「砲撃だ!!」


更に追い打ちをかける様に、ジャングルに作られた砲撃陣地からの砲撃を受ける。


「ジャップの奴ら、これまで以上の反撃をしてきやがる!」


「戦車が遣られる。ジャングルに逃げろ!」


急いで、海兵隊員は来た道を全速力で逃げて行く。




「敵戦力の撤退を確認。」


「追撃はどうします?」


「心配ない。ジャングルの中を、適当に砲撃してやればいいよ。爆撃もな。」


続き、第五航空戦隊とブインから出撃した爆撃隊と、ジャングルの中にある砲撃陣地が海兵隊員が逃げ込んだジャングルを徹底的に砲撃する。



「目標、前方のジャングル。派手に機銃掃射してやれ。」


零戦が低空にてジャングルの中を機銃掃射し始める。機銃掃射用に、機銃を下向きに備えておいてあるため、水平からでも対地攻撃が可能だった。


「ここまで一方的だと、逆に清々しいですよ。」


「無駄口叩くな。」


一旦上昇し、編隊を組み直して再度攻撃。


「敵は蜘蛛の子を散らすように逃げてますよ。」


空から確認した逃げる海兵隊員に対し、再び機銃掃射する。


「これで、降伏すればいいのだが。」


機銃弾を切らし、母艦目指して飛行を開始する。




―ガダルカナル飛行場―


「効果はあったでしょうか?」


「分かりませんが、少なくとも戦意は挫きました。後は、どう出るか。」


「もう沖には輸送船がありません。このままジャングルで彼らは餓死するか、戦闘で全滅するか、降伏するかです。」


そこへ、伝令兵が入ってきた。


「川口司令、敵の司令官と名乗る者が降伏交渉をしたいと言って来ていますが。」


「司令官?誰かね?」


「は、ヴァンデクリフトと名乗っておりますか。」


「川口さん、それは間違いなく、司令官です。」


「そうか。会うと伝えろ。」


「了解しました。」




その後、ヴァンデクリフトと川口少将が交渉。ハーグ陸戦条約を尊守することを条件にヴァンデクリフト少将以下、第一海兵師団は降伏した。

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