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航空戦

―東郷―


「機動部隊と上陸船団が本海域に侵入した可能性があります。」


偵察機が不審な航跡を捉え、周辺の部隊が警戒を高めている所だった。


「こちらからも偵察隊を出して敵を探させましょう。」


「分かった。99式艦爆を6機、爆装にて出撃させよ。」


「了解。」


命令を受け、250㎏の爆装をした99式艦爆が偵察の為に飛び立った。



―こんごう-


「瑞鶴より、索敵を厳にせよとの通達です。」


ソロモン諸島に派遣された旗艦、瑞鶴は同型の翔鶴と共に索敵を続けている。その他にも、赤城、加賀などの空母がラバウルに集結していた。


「索敵機の電探に反応が出ていないそうです。ガダルカナルからもP3Cが飛び立っているそうですが、発見は出来ていません。」


比叡と霧島の前方に出てこんごうを含む海上自衛隊も捜索しているが、電探に敵艦隊を捉えられないでいる。


「対空電探に反応あり。敵がガダルカナル目指して飛行中。」


「何!?」


「いえ、二手に分かれました。一隊はこちらに向かっています。」


「比叡に発光信号。『敵接近中。本艦隊、前方に出て敵を迎撃する。』と。」


直ちに比叡に発光信号が送られ、最大船速にて航行を続ける。




「敵艦隊発見。」


米海軍航空隊は航行する海上自衛隊艦艇を発見する。


「機長、変わった船体ですね。上部構造物の殆どがアンテナやら通信装置やらで埋まっていますよ。それに、見た感じ武装は単装砲が一門。貧弱すぎます。」


後部機銃手は発見した艦艇を見て言う。まあ、この時代にはVLSなどを知らないし、CIWSの航空機が上空から見分けるのは難しい。


「こんなの沈めても戦果なんて言えん。本命は空母。最悪でも戦艦を沈めたい。」


そう言って通り過ぎようとすると。


「機長、発煙です。何かが、こちらに。」


「何!?」


昇ってきたのはスタンダードミサイル。即ち、対空ミサイルが飛行する航空隊に向かって昇ってきたのだ。


「か、回避!!。」


機長も、昇って来たものが直感で攻撃だと分かった。しかし、ミサイルは追尾機能を有しており


「き、機長。噴進弾が追ってきます!!」


「な、何故だ?」


次の瞬間。ミサイルが乗機のドーントレスに命中し、撃墜された。5艦一斉のミサイル発射で合計ミサイル発射数は100本。飛んできた航空機は50機。運よく一本は回避できても、2本目まではうまくいかず、全機が撃墜された。




「撃墜しました。」


レーダーから光点が消え、見張り員が全機撃墜を報告する。


「そうか。」


「艦長?」


「いや、何でもない。警戒を厳重にしておけ。」


「了解しました。」




「まもなくルンガ泊地。報告では、敵の輸送船が居るとの事だ。」


「了解。」


飛び立ったもう一隊。ルンガ泊地目指して飛行し続けていた。そこへ。


「何故、零戦(ジーク)が?」


ガダルカナルの早期戦力化で進出してきたラバウル航空隊が迎撃の為に出撃していた。



「おうおう。敵さん、驚いちょるがな。」


史実でも活躍したラバウル航空隊のベテラン達が米航空隊を迎え撃った。


「敵さん、可哀そうやのう。」


零戦の後方に着いたグラマンの更に後ろに零戦のパイロットが言う。


「前に集中し過ぎて、こっちの方に気付いとらん。」


「早く落としてくれよ。」


後ろに着かれている零戦のパイロットが言ってくる。


「分かっとる。後ろに着かれたくせにぎゃあぎゃあ騒ぐな。」


そう言ってグラマンに20mmを浴びせて撃墜する。


「しかし、この無線機。良い性能だな。」


離れていても鮮明に相手の声を聞き取ることも出来、発信することも出来る。


「編隊空戦も楽々じゃな。」


そう言って、次のグラマンに狙いを付けるのだった。



「護衛機が追ってきません。」


振り切る事の出来た僅かな爆撃隊は編隊を組み直してルンガ泊地を目指していた。


「もうすぐだ。輸送船を沈めて、戦闘機隊と爆撃隊の仇を取ろう。」


飛び続け、ようやく泊地にたどり着く。しかし、現実は甘くなかった。


「な!?湾内に、一隻も居ない。」


輸送船どころか魚雷艇などの小型艇まで一隻残らず湾内には居なかった。そして、出迎えたのは。



「撃て!!」


15式自走高射機関砲だった。



「ぎゃあああ!!」


40ミリ機関砲の餌食となり、ドーントレスは撃墜されていく。


「畜生。」


爆弾を投棄し、生き残っている爆撃機は上昇を始め、帰還する。しかし、帰還に成功したのは僅か、2機だけだった。戦闘機は1機帰還したが、着艦の際にミスり、海没する事態が発生した。



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