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一度きり

作者: 藤乃花

年に何度か親戚の人の家に泊まりに行って、遊んでいた習慣が小学生の頃にありました。


親戚の叔母さん夫婦には私より年が上のお姉さんがいて、よく遊んでいました。


住んでいる所は団地でして、近くには森がありました。


ある日私とお姉さんは森に遊びに行って、その奥に開けた空間を見付けたのです。


木々が囲うようにして出来た空間には、ターザンごっこができそうなロープが一本木から結ばれていました。


そして上方にある木々にひずみが在り、木を昇ればそのひずみに行けそうな感じがしたのです。


ひずみの向こう側に行きたい、と好奇心が芽生えたものの、その時には心の準備が出来ずにいた為実行には移せずにいました。


(あの場所まで昇りたいけど、高いから無理やな……)


その日はロープがある場所でお姉さんと遊んで過ごしました。


翌日、私たち森の奥のひずみが在る場所にもう一度行こうと足を運んだのですが、その場所を見付けられませんでした。


昨日歩いた方角へ確かに進んできた筈なのに、どうしても開けた空間を見付けられずにいました。


思い過ごし等ではありません。


私とお姉さん、二人であの場所を見付けたのですから、絶対在るはずでした。


(昨日、昇っとけば良かったな……)


ガッカリしながらも森でそれなりに楽しく遊んだあの日は、今ではまるで夢を見ていたのかと思えてなりません。


これと同じようなエピソードが『ちびまる子ちゃん』の『不思議な洋館』で以前放送されていましたよね?


まるちゃんたちが今まで見たことのない古い洋館を見付けて、探検をする……まさに私が体験した森のお話と似ています。


森の出来事もそうですが、他にも一度しか行けずにいたお花畑の記憶も私の中で鮮明に生きています。


不思議で、そして楽しい場所に足を踏み入れられるのは、幼い時一度きりなのかもしれません。


時々は思い出して、いつか森の事を物語にしようと思う私です。


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