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18.答えを探して

そうだ。私は答えが欲しい。


「じゃあここでクイズ。私とベルさんの違いは何だと思う?」

「年?」

ゴツッと頭にげんこつを落とされる。


「違うよ。もっと他にあるだろう?」

「え~っと、経験値が違うとか、国が違うとか?」

「そうじゃない。私とベルさんとの違いはね、アランという人間を知っているかどうかってこと。私はアランのことをよく知っている。だから変な噂を信じて暴言吐いても、腹は立つけど許せてしまう。『どうせ、あの性格だから思い込んだんだろう』ってね。でもベルさんは、アランをよく知らない」

「だから私は、彼の言動に腹が立つし、彼を許せない?」

「いや、アランのことを知っても、許せないかもしれない。それならそれでいいんだよ」


驚いた。

アラン本人も、側近のトーマスもみんな「許してほしい」と言う。

嫌でも許さなきゃいけない雰囲気だったけど…。


「今言えるのは、ベルさんもアランもお互いのことを知らなさすぎるってことさ。知った上で許せないって思うんだったら、その時に離婚すればいい。答えを今すぐに出すのは早計さ。まずはお互い、どんな人間かを知る努力をしないとね」


そうかもしれない。

私が知っているのは、嫌悪を露わにした冷たい表情と、後悔の表情、あとはカイル殿下が熱く語った友情エピソードだけ。

彼もまた、私自身のことをよく知らないまま。

その状態で別れてしまうのは、確かに何か違う気がする。


あれやこれや思いにふけっている私に、ララはムフフと笑いかけた。

「何ですか…その怪しげな笑いは」

「いい事を思いついた。ベルさん、来週からうちにおいで。住まわせてやる代わりに、治療院の雑務全般を引き受けてくれたらいいよ」

「はい?」


こちらの戸惑いを無視して、ララ先生はうんうんと頷く。

「アランにも言っておくよ」

「ちょっと待って。ララ先生の所に住むことと、お互いを知るってことと、どう関係するんですか?」

「距離を置いた方がお互い見えてくるものもあるってことさ」

いや、よく分からない。


「それにさ。ベルさんが公爵家を出ていけば、アランも危機感を抱くだろうよ。まあ、今まで好き勝手言ってきたことへの、いい罰になるだろうさ」

ララ先生はニヤリと笑う。

罰かどうかはさておき、公爵家と物理的に距離を取れば、お互い冷静になれていいかもしれない。


「確かにまぁ…悪くないかもしれませんねぇ」

「じゃあ決まりだ。早速言いに行ってくる。いや、アランをここに呼ぼう。そうすればベルさんも、アランの落ち込む顔が見られるだろう?」


いたずらっ子のような顔のララ先生を見て、私は苦笑した。

「ララ先生、私そこまで意地悪じゃないですよ。でもせっかくですから、連れて来て下さい」

「ベルさんのそういうところ、私は好きだよ」

そう言って、ララは大笑いした。

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