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珈琲〜Coffee〜  作者: 餅月 響子


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第54話 再会の代償と暴かれた仮面

『Hello, Mary? (もしもし、メアリー?)』


孝俊は喫煙ルームでタバコを吸いながら、電話をかけた。何か言われるんじゃないかと若干緊張するし、震えもある。責められるのかと覚悟を決めていた。


『……Taka? Really? (タカ? 本当に?)』

 メアリーは、ブロックされていた孝俊からまさか電話が来ると思っていなかったため、信じられなかった。


『ah. That's right.(ああ、そうだよ)』

『What's wrong? At a time like this. Isn't it around 10pm in Japan? (どうしたの? こんな時間に。日本は夜の22時くらいじゃないの?)』

『Oh, uh...I was at a Pomeranian store in America right now.(あ、えっと……今アメリカのポメラニアンのお店にいたよ)』

『No, I can't believe TAKA is coming this way. I thought Taka didn't want to see me or Natsuha.(嘘、タカがこっち来るなんて信じられない。夏楓にも私にも会いたくないと思っていた)』

『That's right. I think so too. But I came back because of this store. Cut to the chase, Mary, tell me what happened.(俺もそう思う。だけど、お店のために戻って来たんだ。本題に入るんだけど、メアリー何があったか教えてくれないか)』


 タバコを深く吸って灰を落とした。メアリーはしばらく沈黙のまま話さなかった。


『Mary? (メアリー?)』

『Sometimes you don't want to talk about it just because it's your ex-boyfriend.(元彼だからといって話したくないこともあるわ)』

『wait a minute. Does that mean I'm the cause? (ちょっと待って。それって俺が原因ってこと?)』

『It's something you'll see as you follow it. but. That's enough. Because I'm not going anymore. Now let's cut it.(たどっていけば、見えて来るわ。でも、それももういいの。もう行かないから。それじゃぁ、切るわね)』

 

 メアリーは孝俊の話を聞かずに電話を切った。孝俊は、納得ができずにうなだれる。重要なことを聞けずにいた。深くため息をつく。


「結局は、俺の行動が原因ってことか……ちくしょう。あの時に……」

 硬い壁にパンチして八つ当たりすると、電話がかかってきた。真由からだった。


「今? 何の用事だよぉ……」

 真由には頭が上がらない孝俊はしぶしぶ電話に出るが、いつ日本に帰って来るのかと急かされていたが、問題解決にはまだなっていない。八方塞がりだった。

 喫煙ルームに昼休憩に入ったレイモンが入って来た。

 うなだれる様子を見て、ぼそっとつぶやく。

「それは四面楚歌?」

「おうおう、よう知ってるなぁ。四字熟語」

「日本大好きおばあちゃんに習いました。四面楚歌!」

「もしかして、三国志とかも好き?」

「That's China!(それは中国だね)」

「アジア的な話は置いといて。日本ができるレイモンに聞きたいんだけど、ぶっちゃけどうなの? 日本語で話して」


 孝俊は外部で話しをしようと思ったが、らちが明かないだろうとレイモンに聞いた。

「ぶっちゃけ? どういう意味?」

「ああ、ごめんごめん。本当のところ、何が起きたか教えて」

「It's because of Ian's bullying of the staff.(イアンがスタッフ全員をいじめたのが原因だよ)」

「あ、バカバカ! 英語で話すなよ」

 レイモンの口を両手でふさいだが、すでに遅かった。扉の向こう側でそっとこちらを睨みつけていたイアンが鬼のような形相で近づいてきた。


「Shut up Raymond.You talk fluently. I'm not doing anything. Takatoshi. That guy is lying.(黙れレイモン。ペラペラとお喋りだな。僕は何もしてないよ、孝俊。そいつが嘘をついているんだ)」

 本性を出し始めたイアンだ。レイモンは強面ながら後ずさりする。想像以上にチキンだ。裏表のある性格が苦手だ。


「You've peeled off your disguise. I thought something was wrong though.(化けの皮はがしたな。何か変だなとは思っていたけど)」


 イアンは舌打ちをして、孝俊とレイモンを睨みつける。孝俊は、どうイアンを説得するか頭をフル回転させていた。レイモンは諦めモードにその場から立ち去った。喫煙ルームにはイアンと孝俊だけになる。不穏な空気が広がった。




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