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珈琲〜Coffee〜  作者: 餅月 響子


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第47話 衝撃的な朝

翌朝の日曜日

夏楓はとんでもないものを目撃する。

スズメのさえずりで目を覚めて、目覚まし時計よりも先にベッドから起きた。パジャマ姿のまま部屋を移動するとリビングのソファがベッドタイプに変えて、男女裸の2人がふとんを体にかけて横になっていた。


衝撃的な絵面に開いた口が塞がらない。


「ちょっ……」


 言葉を失う夏楓。


「あ!やべ。パンツどこだ」


 ㇵッと目が覚めて現実に戻る孝俊と見たことのない綺麗な女の人だった。夏楓よりも胸が大きく、悔しいくらいにスタイルが良い。怒りが込み上げてきそうだったが、もう孝俊は夫ではない。冷静にクールダウンと何度も言い聞かせた。

 夏楓の後ろからワイシャツとスラックス、ネクタイ姿の空翔が覗き見る。


「孝俊、やらかしたな……」


 孝俊は横にいる裸の美女をそのままに床に土下座した。


「本当に申し訳ございません。二度とこのようなことはしませんので、見逃してください!!!」


 孝俊は、パンツ一丁のまま土下座した。カレンダーに書いた家事の当番表と約束事。この家に住むにあたっての家訓。必須項目は絶対に恋愛の持ち込み禁止。どうしても彼女や彼氏と会いたいときは外で会うことを約束した。その約束を孝俊は破った。完全なる事後を見せびらかした。


「夏楓……良いのか?」

 空翔は心配そうに聞く。夏楓は無表情のまま何も言わない。孝俊は冷や汗が大量に流れる。


「私の夫じゃないし。別にいいんじゃない?」

「神様ぁーーー」

 孝俊は両手を握って、夏楓に拝む。


「でもさ、家訓を守れないなら、このまま一緒に住み続けるのは無理だよね」


 夏楓は大きな言葉の矢を孝俊に放った。ズタボロに体がパズルのようにバラバラに崩れたように孝俊は倒れる。


「ごもっともだな」

「孝俊さん、あの……どういうことですか」

 状況を読み取れない名前も知らない美女は服に着替えて、孝俊に聞く。


「……真由ちゃん。ごめん。今ね、静かにしててもらえる?」

(デジャブかな。アメリカにいたときと全然変わらない。離婚して本当に良かった)

 

 夏楓は、孝俊の態度に過去を思い出す。辛かった。仕事に夢中になっていると夕飯を疎かにしただけですぐ女を連れ込む孝俊に恋愛感情が薄れる。なんで結婚したのか理由すら覚えていない。ただお金を稼ぐだけではダメで、夫も丁寧に扱わなけれならない。お金や物ではない。結局最後には人間を求める。罪悪感も湧き出て来る。夏楓はそれ以上、ボロが出るのが嫌で、話すことをやめた。

 

 空翔が、そのまま孝俊と真由という女性の対応を済ませて帰らせた。夏楓の心境を読めた。

 空翔は、ぱたんと2人を外に追い出した後に、テーブルに座る夏楓の前にクマのラテアートを描いたカフェラテを出した。ぼーとした中にほっこりとする可愛いクマのイラストが癒された。何気ないこの瞬間がありがたいなと感じる。


「ありがとう」

「お、おう」


 夏楓は、普段言えないありがとうを空翔に心から言えた気がした。

 家の外にある小さな公園で1羽の鳩が空に飛び立った。


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