表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
珈琲〜Coffee〜  作者: 餅月 響子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/66

第15話 失われた幸せなひととき

粉雪が降っていた日だった。


その日は仕事も休みをとって待ちに待ったクリスマスデート。

どこに行こうかいろいろなお店をインターネットを駆使して探した。計画するのは空翔だった。予約は1ヶ月前にしないとすぐに予約はいっぱいになる。洋食にするか和食か、はたまた中華か。やっぱりここはクリスマスというのだから雰囲気のことも考えて洋食かなと洋食レストランを探した。クリスマスデートだけは夏楓も楽しんで出かけていた。何の服を着ていこうかなとか、プレゼントは何にしようかとウキウキしていたのを隣で見ていた。何気ない瞬間が幸せだったなと振り返る。誕生日はそこまで重視していないのか、街のイルミネーションの雰囲気や何となくざわざわする空間が夏楓が好きなのかもしれない。結局のところ、夏楓は空翔と一緒にいて居心地よかったのかというのは見出せない。謎めいていた。

 前もってリサーチしていた欲しいものをそれぞれ仕事終わりに1人で買い物した。

 夏楓はバイト帰りだ。あえて、何が欲しいとかは聞かなかった。意外とそれがサプライズになって、気に入ってくれた時の瞬間はひとしおだ。確か、今回はそろそろ財布のファスナーの調子がよくないと言っていた。長財布だった気がした。それなりのブランド革小物なら当たりじゃないかと思う。占いでラッキーな財布の色は緑とか言う占い師が多いが、そもそもそれを持っているからって金運うんぬんと言うが、お金は使うとき使うし、使わないときはずっと財布に入ってるものだ。色で決まるものでもない。経済は天下のまわりもので使った方が潤うんだけどなと思いつつ、高級ブランドの柄物をプレゼントした。まぁ、そこまでしなくてもいいのにと言いながら、喜んでいた。まぁ、そのプレゼントも別れた今となってはどうでもいい。なんでもいい。安くてもいいとまで思ってしまう。幸せなときは高い安いはもう関係なくなるものだ。相手の存在価値でだいぶ跳ね上がるのだから。ただそばにいるだけでお金以上の価値を得られていた。今ではその空間さえ手に入れられない。どんなに執着して、好きな物買ってあげるから、いくらでもお金をあげるからと言っても、お金なんていらないって夏楓に言われてしまうだろう。付き合うってお金ももちろん必要だがそういうことじゃないんだよな。気持ちとか言葉とか大事だったんだろうなって別れてから気づく。



 嘘つかなければよかった。

 後悔してしまった。たくさんの嘘を重ねてしまったこと。

 別に浮気とかではない。日常の何気ない嘘。それだけでも関係は良くなくなる。

 分かってはいる。

 

 今はとにかく新しい彼女を作るなんて考えられない。

 それでも、今は彼女との思い出に浸りたい。楽しかったことを走馬灯のように感じたいのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ