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珈琲〜Coffee〜  作者: 餅月 響子


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第12話 1人寂しく部屋の片付け

 孝俊に夏楓の事を詮索していろいろ聞くことはのは諦めて、夏楓と自分の者との区別しなけばならないと部屋の片付けに没頭した。引き出しの中や本棚の中にクリアファイルの中に思い出の写真が次々と出てきて、しっとりと感傷に浸る。


昨年に有給休暇をとって夏楓の夏休みの時、一緒に行ったサファリパーク。

狂暴な肉食獣のライオンや、首の長いマイペースのきりん、鼻からシャワーを浴びる象、足の速いチーターなどいろいろいる中で車から乗ったまま鑑賞した。ひょうへのえさやり体験でこどものように興奮した。幼少期、両親が仕事で忙しくてあまり行楽地に行けなかった空翔は、サファリパークが新鮮で童心にもどったように喜んでいた。夏楓はまるで保護者のように見つめられていた。立場が逆転した瞬間だったかもしれない。


 また別な日のデートでは、初めて乗った遊園地のジェットコースター、気持ち悪くなって夏楓に背中撫でられた。ものすごく情けない。観覧車はベストポジションで写真を撮るのに夢中になる。なぜか不機嫌になる夏楓を理解するのに苦しんだ。あとから調べたら、デートでの観覧車でキスをするのが鉄板だというのを誰かに聞いた。そういうのは遊園地に行く前にすり合わせしようよと文句を言いたくなった。ロマンチックな行動は人から聞くのはご法度か。映画やドラマ、漫画の恋愛を勉強しておけばよかったと後悔する。男らしい場面を見せつけることができなかった。


空翔は夏楓の為に何かしていただろうか。料理を作るとか部屋を掃除するとか誰もができるもの置いておいて、空翔自身が自分じゃなければならないことはなんだったのか。考えてもわからない。今は自己肯定感が下がっているんだ。自信を持ってきっとこれだというものは思いつかない。

 反省することもせずに思い出の写真ばっかりが増えていっていた。今更、考えたところで何もならない。もう、彼女は孝俊の隣にいるんだ。ため息ばかりがもれてしまう。



◇◇◇◇



同棲するようになってからいつも休みの日は、インドアな過ごし方が多かった。

出不精で、誘っても生返事な夏楓をどうにか連れて行った春の公園。

露店が立ち並ぶ公園の通路で3色だんごを食べながら、見た桜が満開で暖かい風が吹いていた。

 

 桜の見物客が行きかっていた。

 明るい時間帯の桜も綺麗だったが、ライトアップされた夜桜も見た。月とともに写真を撮っていた。たくさん行き交う人混みの中寄り添いながら遊歩道を歩く。

 

 あの時のヒラヒラと落ちる桜吹雪もおだんご頭の夏楓も綺麗だった。


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