大切なもの
夜の20時
会社帰りの駅のホームで立っている
サラリーマンとして生活し
日々が仕事の中で埋没しているような人間
仕事があまりにもハードで絶叫の毎日
ホームに立っていたんだ
何も考えずに
何も考えられずに
魂が身体に宿っていない人間のように
目の前にものすごい勢いの電車が現れた
その時に過去の事がフラッシュバックする
学生の頃に思い描いていた夢
あまりにも未来に希望を傾けて
高揚したような気持ちの中で生きていたあの頃
その時の気持ちが一気に噴き出てきた
驚いた
俺の中にまだこんな若々しい気持ちが残ってたのか
企業戦士となり
ただ目の前の仕事を処理するだけの機械のような人間
そんな人生が残りの人生永遠と続くと思ってたのに
忘れていた学生の頃の思い描く夢
走り去っていく特急電車が
目の前を高速で走っている間だけ
俺はどこかに落とした大切なものを
感じる事が出来たんだ