私のこと本当に好きなの?
初投稿です。勢いで書きました。
豆腐メンタルです。よろしくお願いします。
「やっぱり駄目だ!もう我慢できない!
玲奈、今日からお前は、俺の彼女なっ!」
幼馴染で高身長。
いわゆるイケメンに分類されるであろう神崎猛。
奴は皆のいる教室の昼休みに爆弾発言を投下したのだった。
☆☆☆
「信じられない!何考えてるんだろう」
その日の放課後の教室で
私は、親友の金井佐奈に愚痴っていた。
「こっちからしたら今更って感じだけどね〜」
ふぅ、やれやれ、、とわざとらしくため息をつく佐奈。
私達と神崎猛は、幼稚園、小学校、中学校、高校一年
になる今もずっと一緒という、いわゆる幼馴染の関係で、
仲も良く、家族ぐるみの付き合いを続けている。
確かに、、。
小学校高学年の時、猛が好きかも、、と思った時もあったが私は、今の関係を壊したくないとその時強く思い自分の気持ちに蓋をしていた。
「でも、嫌じゃないんでしょ?」
ね?と可愛く佐奈が私に向けてにっこり微笑んでくる。
「うっ、、」
佐奈の綺麗な顔で微笑まれると反撃したくても抑え込まれてしまう。綺麗な顔には、なぜかNOと言えない理由があるに違いない!
いや、そういう問題じゃない。この関係を壊したくなくて悩みに悩んだあの小学生時代はどうしてくれよう。
許すまじ、神崎猛!メラメラ燃え上がる私に向かって
はぁーと前の席に座っていた佐奈は、大袈裟にため息をついた。
「あれだけみんなの前で言われると訂正は、できないね。」
「わかってる」
「あいつも相当我慢したと思うよ、だって玲奈一部にモテるから。」
「アニメ好きだからでしょ?話が合うと楽しいから自然と盛り上がるんだよね、推しが誰?とか。あの展開ヤバかったねとか、、」
「それが原因かなぁー、メンバー男子が多かったしね、楽しそうに話してる姿を見て焦ったんじゃない?」
「え?どーいうこと?」
「だから、今日の爆弾発言に繋がった原因。良い機会だと私は思うよ。お互いに一度真剣に向き合ってみなよ。」
ね?と再び微笑む佐奈。
やはり、、はい、、としか言えない私。解せぬ。
「じゃぁー、帰ろっか」
佐奈の一言で椅子から立ち上がり学生鞄を背負う。
外は暗くなり始めていた。
☆☆☆
その夜、私は正直全然眠れなかった。
幼馴染とは、いわば何でも知っているわけで、いや知りすぎているわけで、、、。
幼稚園の時、大好きな先生に告白して「結婚してるんだ」とやんわり振られ、奴にハンカチ出され泣いたことも、、。
小学校の時、5段の跳び箱が跳べなくて1人居残りさせられたら奴がきて手本を見せて応援してくれたのに、最後まで跳べなかったことも。その後、奴の提案で私だけ無理に跳ばなくてもよくなったことも。
昨日まで普通に、ふざけあっていた奴が、
初めての彼氏になるわけで、、。
どんな顔して会ったらいいのかさっぱり分からず、
悶々としているうちに朝になってしまった。
「おはよう」
玄関を開けようとしたところで、インターホンが鳴り、
まさか、、とドアを開けたら神崎猛がいた。
私とは視線を合わせず、顔を横にそらしたままの朝の挨拶である。心なしか耳が赤いような、、いや、気のせいか。
「おはよう」
私も不自然にならないように奴の顔を見上げて言葉を返す。身長155cmの私と身長175cmの神崎猛。
どこかホッとした表情をした神崎猛は、
今度はゆっくり私に目を合わせて口を開く。
「学校に行く前にちょっと話いいか?」
コクリ。私は黙って頷いた。
自然と後を追うかたちになり、
マンションの非常階段へたどりつく。
そして。
こちらに振り返り、神崎猛は、頭を下げた。
「ぶっちゃけ、昨日怒ってるかと思ったら、連絡できなかった。ごめん!でも玲奈のこと、彼女にしたかったのは本当なんだ。玲奈の気持ちも確かめずに悪かった。本当にごめん。改めて、やり直しさせてほしい」
そう全てを話してからおそるおそるといった具合に、
ゆっくり頭を上げる。
私が、、
「う、、うん」と答えると
顔を真っ赤にさせながら、私に一歩近づき口を開いた。
「玲奈、俺と付き合ってほしい」
言葉が耳をかすめ、私の頰がボッと熱くなる。
鼓動が速くなる。
幼馴染の関係を壊したくなくて諦めた恋。
本当にいいの?
だんだんと、実感が出てきて、
脚がガクガクしてる気さえする。
「私、、私でよければ彼女にしてください!」
ずっと言いたかった言葉。でも言えなかった言葉。
「はぁぁぁぁぁ」
盛大に息を吐き座り込む神崎猛。
まだ、顔が赤いから見るな?って?
いやいや、私も真っ赤だから。
落ち着いたら学校行こっか。
きっと二人して遅刻だね。
あのあと、奴は私の耳に口を寄せると囁くように呟いた。
「ずっと、、玲奈だけが好きだった」
「い、、いつから?」
「幼稚園。お前が先生に振られて泣いていてさ、
俺が泣かせたくないなぁって思ったんだ。」
ありがとうございました。