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いつかの君へ弔いを  作者: 現身サン
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1.昨日の友は今日の

「戦闘訓練だぁ?」

G6支部、支部長室。対面に頓狂なことを告げられた俺は露骨に顔をしかめた。

ヒーローとして活動を始めてかなりの年数が経った。場数だってそれなりに踏んできたつもりではあるし、鍛練も欠いたとは思わないくらいには続けている。何より、俺はやれ態度がどうだの振る舞いに自覚が足りないだのは言われてきたが、戦闘に関しては他のヒーローに引けをとらないとの評価を下されてきた身だ。それが今さら、駆け出しの新米が受けるようなカリキュラムを受けてこいと指示されたのだから、こんな顔にもなる。

「ああ、勘違いしないでほしい。別に君の実力を疑おうだとか、後輩の教育に~などと言うつもりはないんだ」

「なら余計に、どうしてだ」

支部長が二枚の紙を取り出す。それはよく見知った二人のヒーローの経歴書だ。

一人は、ホワイトクローバー。未だヒーロー科の学生ながら確かな実力を持ち、何度も現場を共にしている。当然、戦闘技術や精神面において難のあるヒーローではない。

もう一人は、エクスクラメーション。出自に謎は多く、また性格は自由奔放だが、こちらも充分すぎるほどに現場で活躍するヒーローだ。最初こそ警戒視されていたが、最近は初対面のヒーローと組んで事件に当たったりもしているらしい。

「君たち三人がチームを組んだときの功績の目覚ましさは素晴らしいと聞いている。まだ経験の浅い二人を君が率先して引っ張ることで、ヒーローとしての──」

本題が見えない。俺は話を遮った。

「わーった、このまま前置きが長くなんだろ、どうせ。そういうの要らねぇよ、本題を教えろ」

「はは、済まない。しかし少し頼みにくいことでね、少し柔らかく話そうかとも思ったんだが……その心配はなさそうだ」

トン、と書類をまとめて、こちらにすいと追いやる。上になったのはエクスクラメーションの経歴書だった。もったいぶった咳払い一つと共に、支部長の目が据わる。


「単刀直入に問おう。ブルースワロー、君はエクスクラメーションを殺せるか?」

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