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恋する乙女のひとりごと   作者: みなみまどか
14/20

はじめてのプレゼントはガチャポンで・・・

 八戸市に営業拠点を構える三五八交通。この会社は貸切バス部門の他に、引越しなどの運送部門を備える地元企業だ。しかもそのグループ企業には理系大学・附属高校・附属幼稚園も含まれ、この幼稚園の送迎もバスガイド付きの大型観光バスで行っている。


通称「幼稚園バス」と呼ばれるその幼稚園の送迎業務は主に新人バスガイドが担当することとされ、その中にバスガイド2年生の小比類巻夏帆も含まれていた。


そんな中、2年生バスガイドの夏帆はそのような送迎業務を離れ、滅多に出ない泊まり業務を行っていた。しかもそれは三業務五連勤という過酷なもので、初日に八戸市を出発して以降、仙台〜盛岡間を二往復するという過酷なものだった。さらには、業務の途中で他業務中の自社バストラブルの救済のため、乗務していたバスがスーハーハイデッカーのエアロクイーンから、ダブルデッカーのエアロキングに変わっていた。


実のところこのエアロキングというバスは、大柄で機動性に劣ることからあまり稼働が良くなく会社のよく目立つところにオブジェのように置かれているものだった。故障車救済のためこれを急遽引っ張り出してきて、意図せずそれを引き継いで業務にあたることになった夏帆の苦労が始まります。


それでは・・・

 その場所は東北自動車道の滝沢インターチェンジの上りランプの本線合流部だった。総排気量21000cc・430馬力を誇るV型8気筒のディーゼルエンジンを搭載するエアロキングが加速する中、バスガイドの夏帆が次の業務に向け揺れる2階客席の客席整備に取り掛かったところだった。


 このエアロキンキングというバスは三菱ふそう製の2階建てバスで国内最大級の高さを誇る。その高さは全高3.8メートルという道路構造令でいう建築限界ギリギリのサイズであるため、道路脇の樹木が張り出している山間部での運用には向いていない。

 夏帆の勤める三五八交通のテリトリーである北東北地方では、本来2階客室からの眺望が期待できる十和田湖周遊ルートや奥入瀬渓流での使用が期待されていたものの、実際には左側の斜面などから張り出している樹木の幹などを交わしながらの走行が難しく、思ったような運用ができなかったことから主に市内観光などの近場に使われていた。

 また一説には、八戸大橋を渡るエアロキングの2階席から見る眼下の景色が素晴らしいとの評価される一方、その景色が高所恐怖症の方には耐え難いほど座席が高い位置にあるとも・・・


 まっ・・・なんと言われようが、そもそも社長の趣味の一環で導入した車両であるため、その存在自体がが会社のシンボルとなれば目的は達成されているとも言えるところである。


 しかし、会社的に長距離の運用を想定していなかったそんなエアロキングだったが、今回急遽故障したスケルトンの救済のため引っ張り出され、続けて別業務中の夏帆たちがそのバスを引き継いで使用する羽目になるとは・・・


 しかも想定外の引き継ぎだったことから、燃料タンクの容量も無給油航続距離も未知数・・・というか何の情報も与えられていなかった。それも当然のことだった。何せこのエアロキングは、故障車の乗客を救済し、そのまま三五八交通本社のある八戸へ向かうはずだったのだから・・・


 そんな事はさておき、夏帆が2階席のシート背面ネットにエチケット袋を挟みながら一番後ろの席にたどり着いた時2階の一番前に設置されている内線電話の呼び出し音が鳴る。ちょっと聞きなれない音だな・・・と感じながら夏帆はその電話を目指し、その受話器に手をかけたその時だ。時速100キロで走行するエアロキングの2階席フロントガラスのはるか前方に見える高速道路に跨ぐように設置してある門型の柱に付いている「滝沢PA この先2Km」の大型案内標識がえらい勢いで目前に迫って来た。


「えっ?ぶつかる!」


 そう思い頭を引っ込めた夏帆のすぐ頭上をその緑色の標識が通過して行く・・・それほどエアロキングの2階席は高い位置にあるのだ。その時頭を引っ込めた状態で夏帆は受話器を取り左耳に当てる。


「松田なんだけど・・・」


 そう始まったその電話の主は現在、運転席脇のガイド席に座る松田運転手だ。この松田は先ほど故障にため牽引されていったスケルトンの担当運転手だった。そんな松田とは盛岡駅までの付き合いとなる。その松田が話を続ける。


「今、標識にぶつかると思って身を伏せたでしょ?モニターでバッチリ見ちゃったよ・・・」


 そうなのだ。この2階建バスの2階にはモニターカメラが設置されていて運転席脇の液晶モニターで見れる構造になっている。この内線電話と2階席のモニターは、道路車両運送法の保安基準でその設置が定められているものだ。


「そんなことで電話して来たんですか?今ちょっと・・・」


 夏帆がそこまで言いかけた時、受話器の向こうの松田が話を再開した。


「今さ・・・ポットを見たら中身がカラなんだよね・・・専務が出発する時急いで準備したみたいだから準備ができてないみたいなんだよね・・・だから掃除のついでに補充しておいたほうがいいかも・・・」


 そうだ。今、エチケット袋を各座席のネットに入れてまわって感じていたのだが、カーテンが乱れていたり窓が微妙に汚れていたりしている。こんなことなら運行前清掃点検を滝沢インターチェンジでやっておけばよかった・・・と思いながらも、先ほどの井戸端会議が楽しかったと思う夏帆だった。


「分かりました。これから立ち寄る滝沢パーキングでお湯の調達と掃除なんか済ませちゃいますね・・・」


 でも・・・滝沢パーキングって今まで緊急(トイレ)の時何度か来たことあるけど売店ってどんな感じだったっけ・・・?思い出せないな・・・最悪、トイレ掃除用の水道を借りて・・・


 そう思った夏帆は乗務中常に肩に掛けている鞄のチャックに手をかけた。今摘もうとしているチャックには先ほどエンちゃんが付けてくれた小林ボデーのキーホルダーがついている。そのキーホルダーを引いてチャックを開け取り出したのは東北自動車道のパーキングエリアマップだ。


 令和の現代であればスマホでネクスコ東日本のホームページにアクセスしてすぐに得られる情報も、平成初期の夏帆の時代では紙での情報が全てだった。その屏風のように折られているそのマップを開き確認する。


 うん・・・大丈夫。きちんと売店があるから事情を話せばお湯を分けてもらえるはず・・・それに、できるだけ拭き掃除もしておきたいから雑巾用とバケツとモップと・・・


 そこまで思い出した夏帆の中に疑問符が浮かび上がる。


 あれっ?・・・そもそもこのバスにそれが積んであるのかな?仮にG(バスガイド)あり運行であればその辺のチェックはガイドがやっているはず・・・でも、このバスって車庫の一番奥にあってあまり使われないバスで、しかも運行前点検をやったのはあの専務と来ている・・・


 これって絶対怪しいヤツ・・・


 しかし・・・である。通常、前輪と後輪の間の客室下にあるはずのトランクにバケツやらモップやら脚立やら掃除に必要なものは入っているはずだが、1階席の床面がノンステップバスと同じくらい低いこのバスには床下トランクのスペースがない。ということは掃除道具はどこに・・・?

 現に、先ほどエンちゃんのレビンから積み替えた夏帆のキャリーケースと渡部運転手のボストンバッグはトランクに入れられることなく無造作に一階のVIP席に置かれたままだった。そう思いつつ作業を中断して一階へ降り、ガイド席に座る松田に声を掛ける。


「あの・・・このバスのトランクってどこに・・・?」


 そう問われた松田が『?』の顔をしている。するとハンドルを握る渡部運転手が代わりに返答した。


 「確かリヤタイヤの上に小さな業務用トランクがあったような気がする・・・このバスって、トランクらしいトランクがないから連泊の業務には向かないって聞いたぞ」


 そうなのだ。このエアロキングの欠点・・・それはお客様の荷物を格納する場所が確保されていないこと。言い換えれば通常あるべき床下のトランクのスペースを潰してまで客室空間を確保したバスがエアロキングとも言える。


 すると、そんなやりとりの最中にそのエアロキングが滝沢パーキングの減速ランプに入り排気ブレーキの排気が抜ける音と共に減速を始めていた。そしてパーキング入り口に差し掛かった時、フロントガラス越しに駐車場を見ると一般車がパラパラ駐車していて、その奥の大型車駐車場には大型の保冷車が数台が駐車している様子が伺えた。そしてもっと奥の大型バス専用駐車場には、保冷車の影になってよく見えないバスの後部がチラッと見える状況だ。


 そんな中、先に停車していた他社の観光バスの右側1台分あけた大型車駐車マスに一発で停めた渡部は、リーニングも終わらない状態の前側ドアから飛び降りトイレに掛けていった。


「ありゃ・・・緊急は緊急でも爆撃()の方だね・・・」


そんなことを思いつつ渡部の駆け込んだトイレの様子を2階席正面から見ていた夏帆の目に飛び込んだのは、渡部が入ったトイレから入れ替わるようにして大勢の観光客と思われる集団が歩いて来ているという風景だった。そしてその集団が向かった先は左隣の大型バスで、そのバスの屋根の上まで見えるほどエアロキングというバスの2階席の位置は高い。そんな風に見下ろすそのバスは、十中八九先ほど業務無線が被っていた台数口の9号車であろう。


 しかもそのバスは昨日、花巻温泉で一緒になった「イヌのエンブレム」が付いている帝国交通のエアロエース(通常の平バス)だ。しかも、そのバスの前で乗客を迎えていたのは今朝ほど花巻の温泉駐車場でキャッチボールとしたあの二階堂と来ている。


 よく見るとその二階堂がこのビンクパールホワイトに赤青のストライプが特徴の三五八交通カラーのエアロキングをチラチラと見ている様子がありありと伺えた。この二階堂が勤める帝国交通は平バスと呼ばれるふそうのエアロエースで統一されており、エアロキングどころかエアロクイーンの配備もない。それで物珍しさも手伝って目が離せない様子だ。そこで夏帆は1階に降り、開いた前側ドアの中からポット片手に大きく手を振ってみせると、その帝国バスのオレンジの可愛い制服を纏った小柄なバスガイドが駆け寄って来た。


 「小比類巻!オマエ・・・確か、今日の朝まで乗務してたのはエアロクイーンだったよな?八戸に戻ってまたここまで来たって訳か・・・それにしてもこれまた大きいバスに変わって・・・」


「いや・・・八戸へは戻ってないんだけど、色々あってクイーンがキングに変わってさ・・・で、今盛岡駅まで回送中なの・・・」


「このバスって二階建てだよな?なんでこんな地方で・・・都内観光のハトバスじゃあるまいし・・・」


「これって社長の趣味らしいんだよね・・・ウワサじゃ会社のパンフレットの表紙を飾るためにわざわざ買ったとか・・・」


「いや・・・さすがというか、恐るべきだな三五八交通・・・」


 バスガイドは、業務中の乗務員宿泊所や高速道路のパーキングで他社のバスガイドと知り合う機会も多い。しかし、駐車場での待機中でなければ立ち話もままならないというのもバスガイドの運命である。この時夏帆はそんな話しかできないまま手を振って互いの健闘を祈ることしかできなかった。


 というのも、夏帆はこれからポットのお湯を調達したり車内の清掃を済ませなけれならないし、帝国交通の彼女もこれからお客様を向かい入れ、人数確認などを行わなければならない。


 そこでステップから降り改めてエアロキングを眺めた夏帆の目に飛び込んできたのは、後輪の真上にあるトランクを開けホイールのリムの部分に足を掛け、中に半身を突っ込んでいる松田の姿だった。


「松田さん・・・何やってるんですか?」


「掃除にバケツが必要だろ?そのバケツを見つけたんだけど・・・右からも左側からもちょうど手の届かないところにあって・・・」


 そういう松田を見ると手が届かないというか、その出っ張ったお腹が邪魔で手が伸ばせないというのが正解だろうか・・・


「見つけていただいてありがとうございます。わたしが代わりに・・・」


 そこでその松田にポットを持たせ、代わりに夏帆がジャンプしてそのトランクの奥のバケツを取り出したのだが、それを後ろから見ていた松田の様子が変だった。どうやら、ジャンプした後トランクの入り口に膝をついた時にスカートが捲れ上がり、その中が見えてしまったようだ。


「松田さん・・・どうかしました?」


「いっ、いや・・・オレ、何にも見てないからね!」


「ん?何を・・・ですか?」


「いや・・・その・・・セクシーブルーの・・・あっ!」


この時口を滑らせた松田が誤魔化そうとしたのだが、墓穴を掘ってしまったようだ。


「セクシーブルーってあのCMソングじゃないんですから・・・ん?まさか?・・・えっ?」


このCMソングというのは、夏帆が小学生の時に流されていた「唇よ、熱く君を語れ」という口紅のCMソングだ。乗務中、バスガイドがリクエストで歌うことのある曲の一節でその場を収めようとした松田だったが、目の前で頭から湯気の立つ夏帆はそんなことでは収まらない。


「ごめん!これってたまたまだから・・・でも、夏帆ちゃんって膝下だけじゃなくって脚自体も長いんだ・・・でもストッキング越しっていうのも、これはこれでなかなかセクシーな・・・」


 スカートを履いた女性の脚の長さを確認したということは・・・つまり、そういうことである。その時、夏帆は戸惑いながらもその言い訳に加えニヤつく松田の顔を見てカチンと来た。


「松田さん!見たいんだったらもっと見せましょうか?なんならここでストッキング脱ぎましょうか?・・・ホレ」


 そう言いつつ夏帆は左脚を松田の前に差し出し、制服の裾を捲る仕草を見せる。こうすると大抵のオトコはこうである。


「わかったわかった・・・もういいから・・・」


 その時である。


「姉ちゃんいいぞ〜・・・もっとやれ〜・・・パンスト買い取るで〜・・・」


 そんな大勢の声は夏帆の頭上からだった。それは、1台分空け駐車している帝国交通のバスの乗客である中年男性が大勢で窓を開け、その夏帆と松田の寸劇を観ていたのである。すると今度はその帝国交通のバスガイドである二階堂が駆け寄ってきて火消しにかかる。


「これにて余興は終了です。すいません・・・粗末なものお見せしまして・・・」


 そう言いながらそのバスの窓に鈴なりになった乗客たちを制した。これがもし令和の現代だとすれば、その寸劇を動画で録画されSNSなどで拡散されるところであるが、この時はまだそんなものなどない平和な時代だ。


 しかし、後にこの漫才チックな寸劇が「旅のちょっとした想い出」として旅雑誌に掲載されることとなる。しかも、ガイドの二階堂から聞いたと思われる高校女子ソフトボール全国大会準決勝での出来事まで紹介されたことに加え、そのバスガイドがわんこそば大喰い大会で優勝した例のテレビ番組放映と、その雑誌の発売時期が重なり結構な話題となる。更にはこの事がきっかけで、後にあの大手の帝国交通と地方の小さなバス会社である三五八交通が業務提携をすることにも・・・


 そして、その帝国交通のバスを見送った後売店でポットのお湯を分けてもらっている時、背後から声をかけて来たのは先ほど夏帆を見送ったばかりのエンちゃんだった。


「夏帆ちゃん・・・お疲れ様。飲み物でも買おうと思って・・・」

 

 夏帆が振り返ったエンちゃんの脇では母子連れがガチャガチャをしていて、幼稚園児くらいの女の子が出てきたカプセルを見て大泣きしていた。それは売店内に響き渡るくらいで、その母親があたふたしている様子も分かる。恐らく思ったものと違うハズレが出て来ちゃったんだろう・・・しかもそのガチャガチャは1回200円という高額ガチャ・・・そして、そんな娘にを必死に宥める母親の姿・・・


 うん・・・ガチャガチャってそういうところがあるからね・・・次はきっと良いのが出るから今回は諦めて・・・


 夏帆がそう思った瞬間、目の前では何を思ったかエンちゃんが泣きぐずる女の子の傍にしゃがみ、そのガチャガチャに100円硬貨を入れ、更にはそのハンドルを回し始めていた。そして出てきた透明なカプセルを割りその中身を取り出した。


「これならどう?」


 そう言いながらエンちゃんはその女の子の前にしゃがみ込み目の高さを合わせながら、自らの掌に載せたそれをその女の子に見せた。すると、たった今まで泣きぐずっていた女の子が泣きやみ母親の後ろに隠れるようにしながら小さく頷いた。


「じゃ、君のと僕のを交換こしようか?」


 この言葉を聞いたその女の子の母親がエンちゃんに向かって口を開いた。


「いえ・・・そんな・・・」


「いいんです。泣きやんでももらえれば・・・僕にもこの娘くらいの妹がいますので、なんだか人ごとに思えなくって・・・それに、交換であれば僕が知らない女の子に何かをあげたということにはなりませんよね?」


「すいません・・・でも、こんなもの貰っても仕方がないですよね?」


 「いいえ、そんなことありません。僕はこれからこのガイドさんにこれをプレゼントしますので・・・きっと喜んでもらえると思います・・・」


 そう言っている傍らではエンちゃんの掌からソレを受け取った女の子が笑顔になっている。そして、その女の子は母親に促されると大きく息を吸った。


()()ちゃん・・・どうもありがとう!」


「どういたしまして・・・」


 そう言って手を引かれて自動ドアから駐車場に向かうその母子を見送った夏帆とエンちゃんの間に沈黙の時間が訪れる。そして、夏帆は笑いを堪えながら目の前のその「おじちゃん」に尋ねた。


「エンちゃん・・・今、おじちゃんって言われたよ」


「うん。言われたね・・・」


「いいの?」


「小さい子にとって大人はみんなおじちゃんだから気にしないよ」


「それじゃわたしって・・・」


「いや、夏帆ちゃんは着ているその可愛い制服からすると絶対に「おねえちゃん」って言われるはず・・・」


夏帆は幼稚園バスの時に「おねえちゃん」と呼ばれることはあっても「おばちゃん」と呼ばれたことはなかった。でも、間違って「せんせい」と呼ばれることも・・・


エンちゃんはそう言いながら改めて夏帆の着ている制服を足の先から頭のてっぺんまで目で追っていた。忘れていたが、このオトコは制服だけでご飯三杯もいける相当な制服フェチである。ちなみに夏帆の着ている夏服の制服は、合皮のローヒールを履き、青いワンピースに白いスカーフ、そして場合により着用する赤いチョッキと赤い帽子である。この時夏帆は帽子もチョッキも着用していなかった。


そしてそんな姿の夏帆を見たエンちゃんが夏帆に尋ねる。


「その制服のスカートって結構短いよね・・・」


そうなのだ。三五八交通はバスガイドの若さを売りにしているので、通常膝下であるスカートの丈が膝上5センチに指定されている。この時代の女子高生のスカートの丈に比べればそれほどでもないが、業界的に見ればそれは異質な存在・・・


「う・・・うん。膝が出ちゃうからなんか恥ずかしいっていうのもあるけど、わたしってさ・・・私服でスカート履かないし、そもそも似合わないよね・・・?」


「いや、そんなことないよ。すごく似合ってるし、膝下がすごく長いし、その・・・恥ずかしいって言ったた膝も綺麗だし・・・」


「エンちゃん・・・もしかして、脚フェチ?」


そう問われたエンちゃんの耳が真っ赤になる。このオトコはどうやら脚フェチでもあるようだ。


この時夏帆は困った風のエンちゃんを前にして、どしていいのか分からず話題を変える。


「ところで、ソレはいいとして交換した・・・ソレ・・・何?」


 夏帆はそう言いながらガチャガチャの本体を見ると、そこにはいろんなアクセサリーの写真が表示されていた。それは当然子供向けのもの・・・


 そこでエンちゃんはその大きめのカップを開け、更にはビニール袋を開け夏帆に見せた。それはシルバーの指輪を通したネックレスだった。


「これ・・・受け取って堪える?ガチャガチャのものだけど・・・」


 そう言いながら掌の上に乗せられたネックレスを受け取った夏帆はとりあえずそれを自分の首に回そうとした。しかし、それは所詮子供向けのアクセサリーだ。いくら細身の夏帆とはいえ、その長さが全く足りない。そこでそのネックレスについていたシルバーのリングを取り出し大きさを確かめた。それはどうやら大人サイズらしい・・・


「ちょっと見せて・・・」


 そう言いながら夏帆からそのリングを受け取ったエンちゃんが、それを売店の蛍光灯に透かすように見るている。


「どうかした?」


「うん・・・結構よくできてるな・・・って思って。しかも、おもちゃとはいえ結構いい造りしててさ・・・」


 よく見るとそれは金属で形成され銀メッキされた結構本格的なもの・・・


「夏帆ちゃん。ちょっと手・・・見せて」


「こう?」


 夏帆はそう言われるがまま両手を差し出す。この時夏帆は、エンちゃんがその指輪を自分の手に乗せて見せてくれると思い両手を合わせてその手のひらを上にした。


「手のひらを下向きにして指を開いて見せて・・・」


「?」


 夏帆はその意図が分からないまま言われた通りに自分の手を差し出す。


「これって・・・やっぱり・・・」


 エンちゃんがそう言ったのは夏帆の左手人差し指だった。それは長年ソフトボールのピッチャーをやっていたこともあり、その利き手である左手の指が太くとても綺麗な女の娘の指ではなかった。その中でもその人差し指は、マメが潰れたりタコが出来ていたりと結構酷使された後がありありと残っていた。


「エンちゃん・・・わたしの左手って・・・」


「うん。分かってる。この左手で全国行ったんだよね?すごいと思う・・・握力も結構あるんでしょ?」


「うん・・・人に言えないぐらいある・・・」


「ちょといい?」


 そう言われた夏帆はその左手を差し出した。するとエンちゃんがその手を取って、何を思ったかその薬指に先ほどのシルバーリングをはめてしまった。


「えっ?」


 その時、夏帆の左手の薬指にはめられたシルバーのリングを見るとそれがキラキラと輝いている。それは、どう足掻いても安物の銀メッキ輝きだ。


「エンちゃん・・・これって?」


「僕からのプレゼント。今は稼ぎがないからガチャポンだけど、その時が来たらきちんとしたものを渡すから・・・今は、仮押さえってことで・・・


「えっ?えええ〜??」


 そう驚く夏帆の前でそのエンちゃんが何かを考えるようにして再び夏帆の左手をとった。


「なんちゃってね。こんな安物プレゼントされても嬉しい訳ないよね・・・」


「そ・・・そうだよね。おもちゃだもんね・・・でも・・・」


 そんな戸惑う夏帆を前にエンちゃんが言葉を繋ぐ。


「うん!やっぱりきちんとしたヤツのほうがいいよね?それじゃ夏帆ちゃんの今度の誕生日に・・・」


 と言いながらエンちゃんがたった今はめたばかりの指輪を引き抜こうとした。しかし・・・である。

夏帆のその鍛えられた左手の指の関節が太く、そこが引っかかって抜けないのだ。


「それじゃ石けんを使って・・・」


 これは、誰もが知る抜けなくなった指輪を抜く常套手段である。さすが女系の家系で育ったことはある。その辺りの対応については抜かりがなかったが・・・


 夏帆は「時間がない・・・」という理由をつけそのリングを外すことをやんわり断ったその表情は笑顔だった。そして、走るエアロキングの車中では鼻歌混じりの夏帆が窓拭き用雑巾で2階席の窓拭きをしているのだった。

 その左手薬指にはめられたシルバーリングを見るたび自分の目尻が下がるのが分かる。決して綺麗な輝きではないけど・・・たった200円のガチャポンのオモチャでも、自分の好きな人からもらった初めてのプレゼントがこの左手薬指のシルバーリング・・・しかも、後日きちんとしかものをプレゼントするとも言っている。これだけで夏帆は天にも昇るような気分だった・・・


 そして盛岡駅・・・


「左巻き込みOKです・・・」


 指差し確認をする夏帆には白手が付けられている。仕事中は薬指に付けているリングが見れないのがちょっとだけ残念だが、プライベートと仕事のモード切り替えにはいいかも・・・


 そんな夏帆の安全確認によりバスプールに入り一般降車場に停められたエアロキングの存在感は抜群だ。隣接する路線バス乗り場の待合所の客たちが振り返ってそのエアロキングに視線が釘付けとなっている。というのも、エアロキングのルーフが頭上のペデストリアンデッキにぶつかりそうな勢いの背の高さなのを見て心配しているというのが本当のところだろうか・・・


「オレ、483系がいいんだよね・・・583系だと知らない人と向かい合わせだからさ・・・」


 しばしの間バスの留守番をする夏帆を残し、渡部と松田がそんな話をしながらエアロキングを降り盛岡駅の改札口へ向かった。その松田はもちろん帰社するため上りの特急はつかりが待つホームへ向かったのだが、その片割れの渡部は駅の公衆電話に向かっていた。それは、次のお客様を迎えるためにホテルのエントランスへバスを横付けする時間を打ち合わせるため・・・


 ちなみに松田が言っていた「483系と583系」というのは、その松田がこれから乗車する盛岡駅始発の函館行き特急はつかりで使用している車両のことだ。

 特急はつかりは、昭和57年に盛岡まで東北新幹線が開業するまでは上野〜青森間の鉄道旅客輸送を担っていたがそれ以降は盛岡〜青森間の営業となり、昭和63年の青函トンネル開通後はその運行区間を函館まで延ばすこととなる。この時松田が乗って行ったはつかりは函館行きだった。


 参考までに、この時代旧国鉄時代にエル特急の車両として仙台〜上野間で活躍した「特急ひばり」などで使用した483系の車両と、寝台特急として青森上野間で活躍していた「寝台特急はくつる・ゆうづる」として活躍した車両を織りまぜて運行していた。483系車両は座席が全て進行方向に向いているが、583系車両は夜間に寝台特急として使用するその構造上、昼間使用時はボックスシートとなっており知らない人と向かい合わせになる使い方となっていた。しかも進行方向に向いたシートに乗れればいいが、後ろ向きだと最悪・・・というのがその583系だった。


 この時松田の乗った「はつかり」がどちらの車両かは分からないが、そんなことなどどうでもいい夏帆の元に電話を終えた渡部が戻ってきた。


 「夏帆ちゃん・・・今、最後の挨拶をやっているところだっていうから16:30に横付け指定となった。・・・これから向かって丁度いいくらいだね!」


 その時夏帆が見た右手首のG-GHOCKは15:50を示していた。でも、駅から指定場所まで5分少々・・・でも、指定されているエントランスは他社のバスも使用することから長居もできない。ということで16:25に到着ということとなった。


「了解です!気合い入れましょう・・・」


「じゃ、ちょっこれからの予定・・・確認しようか?」


 こんな時にブリーフィングだなんて・・・と思うところだが、一台での運行でも台数口での運行でも大体こんな感じである。


 そこで夏帆は1階VIP席の上に無造作に乗せられていた荷物を降ろし、サブバッグの中から茶封筒に入れてある行程表を取り出した。


「そうですね・・・本日はこれからお客様をお迎えして、向かった先のホテルのエントランスまで直行下車で本日の乗務は終了です」


「休憩は?」


「特に指定はありません。まっ、お酒も入っていらっしゃらないと思いますので緊急(トイレ)もないかと・・・」


「行き先は昨日と同じ花巻温泉だよね?駐車場も同じでいいのかな?」


「はい。お宿は違いますが、駐車場は昨日と同じ共同駐車場です」


「確か、宿は〇〇ホテルだったよね?」


「はい。エントランス直付けでお願いします」


「了解。そのホテルは庇が高いからこのバスでも大丈夫かと思う・・・」


この時渡部が言ったのは、昨日のホテルのエントランスが平バス対応になっており、エアロクイーンが横付けできなかったことにある。そんな渡部が昨日の記憶を思い出し夏帆に問いかける。


「ところで添乗部屋はどうなってる?昨日みたいに、「部屋がないっ!」・・・なんてことはないだろうな?」


ちなみにその「添乗部屋」とは、添乗員やバス乗務員が宿泊する部屋を指す。旅行会社によってはこの添乗部屋を別な宿泊施設としたりするところもあるが、この時の業務は旅行会社を通さないものだった。


「え〜っと・・・一般客室ということになっていますのでそれは大丈夫かと・・・」


「だと・・・いいけどね・・・ところでこれから向かう集合会場のエントランスって横付けしちゃっていいのかい?・・・ん?その前にこのバス(エアロキング)で横付けできるのか?屋根・・・大丈夫だろうな?」


これから向かうホテルにのエントランスにも庇が付いているのは分かっていたが、会社の中で誰もその高さを確認した者はいなかった。


「う〜ん・・・前に何度かエアロクイーンで来てるんですが・・・屋根の高さは意識してませんでした・・・」


「それじゃ、現地で確認・・・と言うことで・・・」


「了解です」


この時、室内からは全く見えないバスの屋根の高さを目で追いイメージしていた渡部が驚いた声を上げる。ちなみにこのエアロキングは2階建となっている構造上、運転席からは自車の屋根の高さが全く分からない。


「かっ・・・夏帆ちゃん!」


「なんですか?」


この時渡部の指先が、ドアの目の前にあるガイド席に座る夏帆の頭上を指している。


「ネーム板・・・」


「あっ!」


夏帆が見上げるドアの上にあるのは運転手と車掌のネームホルダー・・・しかも、その運転手のホルダーに収まっているのはあの専務のものだった。ちなみに、夏帆たちのネーム版は専務が運転していったエアロクイーンの中に忘れ去られていた。でも、その重要性を知らない夏帆は渡部に軽い気持ちで返した。


「お客様に自己紹介もしますし、ソレがなくとも支障はないものと・・・」


「違うんだ。これって道路車両運送法で営業運行時に表示しておかないといけない決まりなんだ。だから、表示しないというわけにはいかない」


「そんな重要なものだったんですか?ガイド研修では「お客様を乗せて走るときはネーム板を入れること」ってしか教わってませんでした。そんな法律があるとは・・・」


「どうしようか?」


「そこに明示してあればいいんですよね?」


「そう・・・なんだけど・・・」


そんなことで、夏帆の勉強用ノートに名前を手書きしたのもを破いて入れられることとなった。


「ないよりはマシですよね?」


それはドアの上に掲げられた夏帆の字で書かれたネーム板だった。


「まっ・・・いいんじゃない?でも・・・達筆だね・・・」


そう言いながらその引き攣った笑顔の渡部を見た夏帆のほっぺが膨らむ。


「もう・・・」


そうである。ご察しのとおり、左利きの夏帆の各文字はお世辞にも綺麗とは言えなかった。そんな怒り顔の夏帆を見ながら渡部が業務モードに戻る。


「ところで、お客を乗せたら宿までのルートは高速使用でいいのかい?」


「う〜ん・・・高速料金は会社の総務から渡されていますし時間的にはそうなんですが、何せ細かい指示がないんですよね・・・担当者の指示に従ってくれとしか書いてません」


「添乗員はつかないんだよね?」


「はい。今回はつかないとのことでした。観光旅行じゃないから案内も最小限でいいとも・・・あと、人数が25名と少ないですし・・・」


「25人って・・・その人数じゃ、こんな大型じゃなくっても短尺(全長の短い車両)でもよかったんじゃないのか?」


「でもですよ・・・この団体ってそもそも長尺車(通常使用している全長12メートルのバス)を希望してるって聞きましたよ」


「どんな団体様か聴いてる?」


「はい・・・何か自動車関連の設計か何かをしている会社と伺ってました。え〜っと・・・東富士研究所という会社様です」


「荷物いっぱいだったらどうする?」


「そうですね・・・少人数ですので大きなものは1階において、小さなものは2階の後ろに置いてもらいましょうか・・・」


「そうだね・・・そうするか・・・オレは一階への荷物搬入やるからそのへん仕切ってもらえるか?」


「了解です。今回は比較的若い団体さまと伺ってますのでその辺はスムーズに行くかと思います」


そう言いながら夏帆は茶封筒から二つ折りにされているステッカーを取り出し、広げながら渡部に見せる。


その「ステッカー」と呼ばれるものは、観光バスのフロントガラス内側に掲げられる団体名を記したアレである。しかも、この時代はまだ人の手で書かれていた。しかも、それは綺麗な筆文字・・・


「うん・・・いつ見てもこの筆字って綺麗だよね。これって総務の()が書いてるんだよね?」


「そうですね・・・なんでも書道四段の腕前って聞いてました」


「なんかそれだけで食っていけそうだな・・・」


「聞いた話によると、知り合いの食堂のメニュー表なんかも書いてるって言ったました」


この時代そのステッカーは手書きが主流であり、どの会社でも書道の達人みたいな人がそれを書く担当だった。しかし、その後ワードプロセッサというものが登場すると、徐々に手書きからワープロ書きに移行していくこととなる。


「夏帆ちゃん。観光案内がない分、今回は楽・・・できるといいね・・・」


「そうですね・・・前の乗務みたいにお客さんおぶって運ぶなんてことはないと思いますが・・・添乗員は付かない分、その会社の担当者が仕切るみたいで・・・」


「これまた厄介な・・・」


 この時渡部運転手が口にした「厄介・・・」とは、旅客経験者以外が案内する道というのが大型バスの通行できない道だったりすることがあるのだ。それは大型車進入禁止だったり、物理的に大型バスが通行できない狭い道だったり・・・


 こんな時「この道は通れない・・・」と言うと決まって「路線バスは通っている」と反論される。しかし、そもそも路線バスと大型バスの大きさが違うのだ。しかも今回は大型バスの中でも最大級のエアロキングである。一般の路線バスは大きいものでもその長さが10メートルほど・・・でも、ご存知の通り大型の観光バスが12メートルもある。たかが2メートルと言われることもあるが、その長さの違いがこれまた厄介なのだ。


「左から歩行者一名横断します・・・そのあとオッケーです」


 その後、その夏帆の安全確認でバスプールを出たエアロキングは指定されたホテルのエントランスが近づいてきた。これからお客様を迎えるとなるといつもながら緊張するものだ。

今回は観光案内が必要ない代わりに添乗員もいない。もしかしたら、お葬式や結婚式の送迎に近いものがあるかも・・・


 その後指定場所のエントランス手前に停車したバスの開いた中扉前から飛び降りた夏帆は、バスの前に出て10メートルほど離れた位置からエントランスの庇とエアロキングの屋根の高さを見比べ、運転している渡部に向かって徐行するよう指示を出す。

するとエアロキングから「キシッ・・キシッ・・・」というギアの入る聞こえるエアーの抜ける音が聞こえゆっくり動き出した。


「うん・・・大丈夫!」


 夏帆は庇とバスの高さの間に余裕があることを確認すると運転席の渡部にOKのゼスチャーを出した。


するとその大きな車体がまるでその庇に挟まれたかのような姿で停車した。そして「プシュ〜」と言いつつニーリングする姿を見届けた夏帆はホテルの受付へ駆け込む。


「お迎えに参りました。三五八交通です・・・」


「先ほど連絡いただきました三五八交通様ですね?」


「はい。そうです」


「お待ちください・・・」


夏帆の対応にあたった受付嬢はそう言い残すとどこかへ電話をし始めた。


「真島さま・・・迎えのバスが参りました・・・あっ、はい。そうです・・・。はい、かしこまりました。少々お待ちください・・・」


するとその電話を保留にした受付嬢が、受付前で棒立ちになっている夏帆のネームプレートを見て目を凝らす。


「小比類巻さま・・・でよろしいでしょうか?」


「はい・・・バスガイドの小比類巻です」


 不思議だった。この時なぜ名前まで確認されたのか・・・?この前きた時は「あっ、三五八さんね?はい、はい・・・」みたいな扱いだったのに・・・


 そして再び受話器に向かって事務的な話をして受話器を置いた受付嬢が、目の前の夏帆に向かって口を開いた。


「まもなくエントランスに集合いたしますので少々お待ちくださいませ・・・」


そう言いながら立ち上がり夏帆に向かって会釈をした。


「どういたしまして・・・おせわになりました」


それに対して夏帆も思いっきりの営業スタイルでそう応える。


 そしてエントランス前に駐車しているエアロキングの中扉前で待っていると、その自動ドアを挟んだ夏帆の視線に黒いスーツを着たブロンド女性に案内されるようにして大勢のスーツ姿の男たちが現れた。


「えっ?ブロンド?」


ここで夏帆はいつもと違う違和感を感じた。そしてその正体が、目の前の自動ドアが開いた瞬間判明することとなる。


「えっ?あっ・・・あの・・・マッ、マイネームイズ・・・カホ・・・コヒルイマキ・・・ディシザエアロキング・・・」



 今回夏帆が従事している3業務5連勤の最初の業務は東京の大手旅行会社が企画し、宮城県の松島から岩手県の平泉、そして盛岡という東北を縦断するという言わば王道的な観光ツアーでした。

 そのツアーの乗客達は比較的ご高齢の方々で、お客様がお年寄りということもありそれなりの覚悟で挑んだ業務でしたが、その添乗員が夏帆の恋するエンちゃんの従姉妹という事がわかり意気投合することに・・・

 

 しかも途中からエンちゃんやその実のお姉さんも合流し、しかも終盤にはエンちゃんの義姉でもある高校の時の担任も加わり楽しい業務となり幕を閉じました。


しかし、次号から始まる2業務目となる次の業務が異質なものとなります。

そのお客様は比較的小さな研究所の団体であり、乗務自体は観光ではなく盛岡〜仙台の移動と工場視察のみなのですが・・・夏帆が苦戦することになります。


そんな次号となりますのでお楽しみにしてください。


また、毎月1日の投稿に心がけますのでよろしくお願いいたします。


みなみまどか

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