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I am Aegis 3  作者: アジフライ
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第34話【十二の星】

イージス達がメゾルと出会ってしばらくした頃、 ルスヴェラートではまた別の何かが起ころうとしていた。

『お呼びでしょうか、 国王。』

ルスヴェラートの城にて十二天星騎士団が玉座の間に召集された。

「うむ……最近、 ルスヴェラートに謎の魔術組織が拠点を作っているという情報が入ってのぉ……拠点の大きさや場所は不明……目的は我が国の破壊を狙っていると思われている。そこで君達にその組織についてもっと詳しく調査をしてきて欲しい。良いかの? 」

『はっ! 』

「最近色んな組織が活発になってる気がするな……」

「まぁメゾロクスのイージス様が至る所で活動して回ってる見たいだからな」

二人はエルセとネルト、 十二天星騎士団の団長と副団長をしている。二人は普段から仲が良く、 時々一緒に食事へ行っているところを見かけられている。お互い性格が似ており、 とてもリーダー気質が高い。

「はぁ、 イージス様……もう一度会いたいわぁ……♡」

彼女はナターシャ、 十二天星騎士団の六番天星である。強い男性が好きで、 現在はイージスに夢中である。

「……早く……調査……やるよ……」

彼女はメラウラーヌ、 十二天星騎士団の九番天星である。人と話すのは得意ではなく、 騎士団の中でも一番性格が暗い。しかし他の団員からは気に入られている。(ただし本人は知らない)

メラウラーヌに促され十二天星騎士団はヒュエルで調査を開始した。

調査の為に騎士団は六つのグループに分かれた。

当然ながらエルセとネルトは一緒のグループで組んでいる。二人はヒュエル西部と南西部を調査している。

……………………

「まったく……何故私がこんな奴なんかと……」

「仕方ないであろう、 俺も組みたくてお前と一緒になったのではない」

二人はアリアスとスカフル、 四番天星と十番天星である。二人は昔からのお馴染みであり犬猿の仲でしょっちゅう喧嘩をしている。

何でもスカフルの人の事を考えずに発言するという所がアリアスの癪に触っているのだそう。

このグループは現在、 ヒュエル北東部と東部を調査している。

……………………

「……」

「……」

現在ヒュエル南部を調査しているグループである。

「……だぁぁぁ! ! ! 駄目だ! ! 何か話してないと頭がおかしくなりそうだぁ! ! ! 」

彼はグレン、 十二天星騎士団の五番天星である。とにかく脳筋な性格で騎士団の中でも一番パワフルである。

現在はメラウラーヌと組んでいる。

「そんなこと……言われても……話題……無い……」

「こんな状況耐えられん! さっさと調査終わらせるぞぉ! オラァーーーー! ! ! 」

グレンはメラウラーヌの手を掴み、 街中を走りだした。

「うぁ~~~~…………! 」

……………………

「はぁ……弱い男なんかと一緒になりたくなかったわぁ……」

「うっ……す、 すいません……」

こちらはナターシャ、 そしてレイナル。レイナルは昔から弱気な性格、 戦闘には不向きな性格ではあるが実力はかなりのものである。

このグループは南東部を調査している。

……………………

「しっかしこの街に拠点を作るとは……とんだ命知らずがいたものだなぁ! ハハハハハッ! 」

「そう油断はしない方がいいよ。ここに拠点を作るということは……それほどの力と自信を持っているっていうことだからね……」

こちらはミレウィーとキロウス、 二人は魔法学園生の頃からの付き合いで信頼し合う仲である。

ただしキロウスは学力成績があまり高くはなかった為、 ミレウィーよりかは頭が悪い。

現在北部の調査をしている。

……………………

「感じる……強者の気配を……」

「間違いあるまい……この組織とやら……ただの阿呆の集団ではない……」

ロベリックとオランのグループ。二人は昔から人や魔物の気配に対して敏感で、 半径2キロメートル以内の敵を感知することができる。

しかし二人は極端に慎重な性格であり、 自ら敵の場所へ突っ込むということはほぼ無い。

……………………

そして六つのグループはそれぞれ調査をしていた。

数十分後……

「おい……」

「ここだな……」

……………………

「これは……! 」

「ふむ……間違いあるまい……」

……………………

「グレン……見つけた……」

「よし、 それじゃあ早速突っ込むとしよう! 」

……………………

「見つけたわよ」

「うっ……やだなぁ……」

……………………

「ここかぁ、 では行こう! 」

「……ここはエルセとネルトに報告するべきなんだろうけど……その前に少し中を偵察した方が良さそうね……」

……………………

「……ふむ……どうする……? 」

「……エルセとネルトに報告すべきだが……この通路、 また消える可能性があるな……魔法が掛かっている……」

……………………

それぞれのグループは出入口らしき謎の通路を見つけた。

エルセとネルトのグループにて……

二人は既に中へ入っていた。

「気を付けろ、 罠があるかもしれない……」

「うむ……」

二人はしばらく通路を進んでいくと広い空間に出てきた。床には謎の紋章が刻まれていた。

すると……

「なっ、 エルセとネルト! 」

「それだけじゃない、 皆何故ここに! ? 」

他のグループ達が合流したのだ。

「まさか……罠……」

「それは無いと思うよ……恐らく組織の連中はいつでもどこでも集合できるように出入口を色んな場所に配置していたんだと思う……現に、 私達が通っていない通路があるのがその証拠。それに……」

そう言うとミレウィーは床に描かれた紋章を見た。

「終わりはここでは無さそうだ……」

ロベリックがそう言うと床に描かれた紋章が輝き出した。

「転移系の魔法か……いよいよだぞ……」

「どんな奴でも俺が焼き斬ってやるぜぇ! ! 」

光に包まれた騎士団はその空間から姿を消した。

光が収まると騎士団の周りには大勢のスケルトン兵が囲っていた。

そして騎士団は武器を構えた。

「皆、 気を付けろ! こいつら……普通のスケルトンではない! 」

「うわぁ……こんなに沢山……無理だよぉ……」

「うるさいわよ、 十二天星に弱音を吐くやつはいらないわ」

「皆、 行くぞ! 」

『おー! ! ! 』

そして十二天星騎士団は戦闘を始めた。

しばらく戦闘が続き、 次々と階層を進んで行く騎士団は遂に最後の階層らしき場所へ出た。

「ここか……」

「今までの戦いから見るに……恐らく組織の連中は隠れて監視でもしていたんでしょう……」

「あぁー! ! さっさと終わらせようぜ! ここには雑魚しかいない! 」

そんなことを話していると騎士団の前に何人もの謎のローブを被った人間達が現れた。

「貴様らか……このヒュエルに拠点を作ったという組織というのは……」

エルセが聞くと集団の奥から一人の男が現れた。

「流石はこの国随一の強さを誇る騎士団だ……よくぞここまで……」

「あいつ……リーダー……凄い魔力を感じる……」

すると謎の男は手を前に差し出すと、 周りの人間達が魔方陣を展開し出した。

「その強さに敬意を評し、 我が組織の全ての戦力を君達に注ごうぞ! 」

そして大勢の人間達は魔法を騎士団に絶え間なく撃ち込んだ。

辺りには砂埃が立ち、 騎士団の姿が見えなくなった。

しばらくすると魔法攻撃が収まった。

「これだけやればいくら十二天星だろうと……む? 」

砂埃が消えると何事も無かったように佇む十二天星騎士団の姿があった。その先頭にはエルセとネルトがいた。

「悪いな……魔法は全て弾かせてもらったよ」

「このくらいの速度なら俺達二人で捌けるしな」

「……なんと……流石だ……」

すると謎の男は地面に手を着いた。次の瞬間……

『ぐわぁぁーーーー! ! ! 』

周りにいた人間達がバタバタと倒れていった。そして死体が次々と影のような物体の中へと飲み込まれていった。

「気を付けて……この魔力……超位魔法の気配……! 」

しばらくすると影のような物体は一つにまとまり、 段々魔物のような形になってゆく。

「ここまで追い詰められるのは初めてでしたよ……ですが、 このまま捕まる訳には行きませんからね……君達の相手はこいつが引き継がせてもらいますよ。それでは……」

そう言うと謎の男は姿を消した。

「チッ……逃げたか……」

「それよりも……まずいやもしれんぞ、 この気配……」

「分析するまでもなくヤバイわね……下手をすればヒュエルが一晩で滅ぶわよ! 」

そして影のような物体はドラゴンの形へと変形した。しかし目や口が見えず、 ただただ黒いオーラに覆われているだけのように見える。

「イージス様なら余裕で勝てるかもな……」

「かもなぁ……」

「そんなことより……ヤバいぞ! 」

黒いドラゴンの形をした物体は騎士団に襲い掛かってきた。

それに対してグレンは攻撃を避けた瞬間、 ドラゴンの腕を剣で焼き斬った。

「こいつ、 六に防御が成っていないぜ! 勝てる! ! 」

「はぁ……はぁ……まさか……これ程とは……」

「斬っても斬っても再生……それに魔法攻撃をしてもすぐに再生されてしまう……なんて再生能力……! 」

「それだけじゃない……こいつ……」

しばらく騎士団と戦っていた黒い物体はいくつかに分裂し、 十二天星騎士団の姿に変わっていた。

「……コピー……」

「ヤバいヤバいヤバいって! こんなの勝てる訳が無いよ! 」

そして複数の黒い物体は騎士団に襲い掛かった。

「来るぞ! 」

激戦は数時間にも及んだ。そして……

「くっ……このままでは……まずい……! 」

エルセとネルト以外の騎士団のメンバーは瀕死状態になってしまった。

未だに黒い物体は一つも欠けることも無く、 佇んでいる。

「こんなことなら……早く国王に報告をしておけば……」

そして黒い物体はエルセ達に襲い掛かってきた。

「畜生っ! ! ! 」

次の瞬間、 エルセ達に襲い掛かろうとしていた黒い物体が突然弾けた。

「なっ! 」

「なん……だ……? 」

エルセ達の前に現れたのは……

「ふぅ……間に合って良かったぁ……あなた達が死んでしまったら困りますから」

ロフィヌスだ。

「貴女は……確か……! 」

「ルスヴェラートの国王様に頼まれて、 イージス様の命により助けに参りました。メゾロクス守護者、 第六代表のロフィヌスです」

続く……

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