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I am Aegis 3  作者: アジフライ
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第43話【太陽の精霊】

依頼の帰還途中の男達を助けたイージス達は俺達が住む砂漠の街、 ティタルに着いた。

「ありがとう、 乗せてもらって」

「いやいや、 お礼を言いてぇのはこっちだ。 あんたらが助けてくれなきゃ俺達は今頃熊の餌だぜ。 元気でな! 」

そしてイージス達は荷車から降りて男達と別れを告げた。

……ここが砂漠の街、 ティタル……比較的獣人族の人達が多いな……てかあっつ! 流石は砂漠と言ったところか……街中に張り巡らせてる布の屋根の下でもかなりの気温だ……

(スキル、 環境適応が発動します。 )

……ジースさん……それを最初にやって欲しかった……

「相変わらず暑いですね……影の下なので少しはマシですけど……」

ミーナとヒューゴは暑そうにしている。

何とかならないか? ジースさん。

(スキル、 能力付与が発動します。 ミーナ様とヒューゴ様に環境適応が発動します。 )

「あれ? 急に快適になったぞ? 」

「俺のスキルを付与してみたんだが、 どうかな? 」

「イージスさん……それを早くやって欲しかったです……」

「うん……ごめん……」

そんなやり取りをし、 イージス達は街を歩いた。

「わぁ、 イージスさん! 珍しい食べ物ばかりですよ! 」

「どこの店もキラキラしてるな! 」

「そうだな、 ここはアクセサリーが人気なのか? 」

イージス達が街の風景を楽しみながら歩いていると

「……ん? 何だ……? 」

「おいお前ら、 いい武器持ってんじゃねぇか……」

おいおいかつあげかよ……気を付けろって言われてたがこんなすぐに来るなんてな……

柄の悪い男達がイージス達を囲んだ。

するとザヴァラムは両手に大剣を出し、 男達のリーダーらしい人物に剣先を向けた。

「その首を跳ねられたくないならさっさと消えろ……目障りだ……」

そう言うとザヴァラムから凄まじいオーラが溢れた。

「うっ……い、 行くぞお前ら! 」

そしてザヴァラムに恐怖を感じた男達は去っていった。

……ラムってやっぱり怖いな……

すると次にイージス達の周りに黒ずくめの人間達が現れた。

おいおい忙しいなぁ……

「名無しの英雄様ですね? 今すぐ教会へご同行お願いできますか? 」

「断っても連れていくだろうに……」

でも教会へって……何かあるのか?

イージス達は黒ずくめの人間達についていった。

教会へ着くとそこには一人の金髪の女性が立っていた。 顔は白い仮面で見えない。

何だ……シスターみたいな格好してるが……服が真っ白だな……それに不思議な力を感じる……

すると女性は話だした。

「ようこそ、 名無しの英雄様……貴方様のことを心よりお待ちしておりました……」

名無しの英雄って……俺のことを知っているみたいだな……何者なんだこの人……

「あなたは? 」

「私はシューラと申します。 ここの教会主でもあり、 この街の領主も務めております」

イージス達はシューラに案内され、 教会の中へ入っていった。

教会の中にはイージスによく似た石像の後ろに見覚えのある石像が三体立っていた。

この石像って……ラムとミーナとヒューゴ! ?

「お気付きになられました? この石像は私の先祖が作り出した予言の象徴なのです」

「予言……」

「私のお婆様が言っていました。 この街にいずれ名無しの英雄があらわれると……その暁には英雄様の像の下を見てみなさい……と……」

そう言いながらシューラは一番前に立っているイージスに似た石像の下を調べた。 するとその下の石の床板が外れ、 そこから箱が出てきた。

「……この中に……英雄様を導くヒントがあるはずです」

シューラはイージスに箱を渡した。

箱を開けると中には一枚の紙と琥珀色の宝石が入っていた。

「何だ? ……『北の祠にこの石をはめよ。 太陽の精霊が英雄様を導くであろう……』って……」

「この街の北に祠があるんでしょうか? 」

「太陽の精霊って何だ? 」

するとシューラは話した。

「太陽の精霊様は私達の住む街に恵みを与えて下さった守り神です。 ミーナ様のおっしゃる通り、 この街の北に太陽の精霊様を奉る祠があります。 そこへ行ってみてはいかがでしょう? 」

そこに行けば何か分かるか……とりあえず行ってみるか。

「分かった、 早速行ってみるとするよ」

そしてイージス達はシューラにお礼を言って教会を後にした。

……………………

「英雄様……どうか世界をお救い下さい……」

シューラは英雄の石像の前で祈りを捧げた。

数分後……

「ここが祠か……確かこれをはめろとか……」

イージス達は街の北にある祠の前に来た。 祠の入り口は塞がれていたがそこに窪みがあった。 イージスはその窪みに宝石を嵌め込むと入り口を塞いでいた岩壁は開き、 通路が現れた。

「……行こう」

『はい。 』

イージス達は祠に入っていった。

祠の中には光を放つ石が壁に並んでおり、 案外明るかった。

……魔物の気配は無いか……ただシューラさんと少し似た気配を感じる……

そしてイージス達は祠の奥へ進むと神殿らしき空間に出た。 壁も床も天井も大理石のような材質で出来ており、 真っ白だった。

『来たか……名無しの英雄よ……』

どこからか声が聞こえた。

気配が強くなった……しかも段々暑くなっていく……環境適応がなかったらしんどかったな……

すると部屋の天井から光が現れ、 イージス達の前に降りてきた。

その中から一人の人間らしきものが現れた。

これが太陽の精霊……

「我は太陽の精霊、 サヌラ……この時を今か今かと待ちわびたぞ……」

話している途中、 サヌラの動きが止まった

「……? 」

するとサヌラは大きくため息をついた。

「ぶはぁ! ! なぁ、 この喋り方止めてもいいかな? 」

「……え」

「いやぁマジで待ちくたびれたわぁ! 俺ちゃんが予言を教えてあげてからもう200年近くは経つからなぁ! ぶっちゃけもう来ねぇんじゃね? って思ってさぁ! あっはっはっ! 」

マジか……チャラいやん……太陽の精霊って言うから凄い威厳があるのかと……

イージス達は苦笑いしながらサヌラを見た。

「っとぉ……そうそう、 名無しの英雄様ことイージス様を呼んだのは他でもない、 チミの仲間のミーナちゃんにとーーーっても大事な用があってね」

ミーナに? 一体何の……

サヌラはミーナに指招きした。

「ミーナ……」

「大丈夫です」

ミーナはサヌラの前に出た。

するとサヌラは手をミーナの頭にかざした。 サヌラの手から光の粉らしきものが出てきた。 光の粉はミーナの頭に振りかかった。

「……何でしょう……力が……魔力が湧いてきます……! 」

「何をしたんだ? 」

「ミーナちゃんに俺ちゃんの力を分けてあげたんだよん♪ 」

(報告、 ミーナ様の回復魔力、 攻撃魔力、 魔法防御力が大幅に上がりました。 ミーナ様はスキル、 太陽の加護を習得しました。 )

驚いた、 ミーナの能力値が大幅に上がっている……それに太陽の加護って……

するとサヌラは説明した。

「太陽の加護はねぇ、 どんなに強い闇や呪い系の魔法や攻撃をスキルも無関係に無効にしちゃうスッゲェスキルなんだぜぇ。 大切に扱ってねん♪ 」

マジか……すげぇ……

「イージスさん! 」

「ん? 」

「これで私、 もっとイージスさんの力になれますね! 」

ミーナは微笑みながらイージスに言った。

ミーナ……

「……あぁ、 そうだな。 頼りにしてる」

「あのー、 いい雰囲気になってるところ悪いんだけどさぁ……あまり時間が無いっぽいんだよね……」

イージス達がサヌラを見てみるとサヌラの体が消えていっているのに気が付いた。

「なっ、 どうしたんだ! ? 」

「俺ちゃんはミーナちゃんに力を授けるためにずっと待ってた訳よ、 だから役目を果たした今、 もう実態である必要が無くなったって訳♪ 」

やけに軽いな……

するとサヌラはイージスに言った。

「最後に伝えておきたいことがあるんだ……名無しの英雄様……その剣……まだ強くなるよ……」

「え……? 」

「そんじゃ、 バイビー☆」

そしてサヌラは光となって消えてしまった。

詳しい説明も無しに消えちまったよ……まだ強くなるって……いったい何があるんだ?

イージスは背中の剣を抜いて見た。

(……解析結果、 能力値、 及び性能も不明。 解析不能のエネルギーを観測しました。 )

「……サヌラの言ってたことは間違ってはいない……のか……? 」

「イージス様」

ザヴァラムはイージスの手を握った。

「……帰りましょう」

「……そうだな」

今は考えても仕方ない、 とにかく街へ戻ろう。

そしてイージス達はティタルへ戻った。

ティタルに戻ったイージス達はすぐに教会へ向かった。

「シューラさん」

「英雄様! 戻られたのですね」

イージスはシューラに太陽の精霊のことを話した。 するとシューラはイージスの話を聞いて何か考え込んだ。

しばらくするとシューラは何かを思い出したように教会の奥の部屋へ入っていった。

「……これを……」

部屋から出てきたシューラの手には一枚の紙があった。 それにはイージスのと全く同じ形、 模様をした剣の絵が描いてあった。

「これって……俺の剣だ……」

「昔お婆様から貰った絵です……お婆様はこの絵に関しては何も語りませんでしたが、 英雄様の剣を見て思い出しました」

俺の剣に何があるんだ……この紙には絵しか描いてないし……

イージスは紙を裏返した。

「……シュラス……? 」

人の名前か? この人が何か知っているみたいだが……

「シューラさんは何か知らないんですか? 」

ミーナの質問にシューラは残念そうに首を横に振った。

「残念ながら私はこの絵しか……」

「……そうですか……まぁ今考えても仕方ない。 サヌラの言っていた意味はいずれ分かるさ」

慌てても答えは出ないしな。

「力になれず申し訳ありません……お詫びと言っては何ですが今夜はここに泊まっていって下さい」

「ありがとうございます」

そしてイージス達はシューラの教会で泊まることにした。

その夜……

イージス達は食事を終わらせ、 夜の街を散歩していた。

「この街の料理美味しかったですね! 」

「結構辛いのが多かったけどな……」

「いやぁ、 カレーなんて久しぶりに食ったよ」

「……カレーって……何です? 」

あぁ、 そうか……この世界じゃカレーって呼ばないのか……

そんな話をしながらほつき歩いていると……

「……? 」

ミーナが何かを感じたように路地の方を見た。

「どうした? ミーナ」

「いえ……あの路地に誰かいた気が……」

……何か怪しいな。

「……行ってみよう」

『はい……』

イージス達は路地のへと入っていった。

続く……


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