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異世界ダメンズ探偵  作者: sen-an-ri
盗賊擬殺人事件
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盗賊の正体

王都に戻った俺達はガーネットからの情報と俺らの情報を照らし合わせる。この段階で正体はわかったが、証拠がない。

エマのテイムした狼に拐われた子供の臭いを辿ってもらう。まだ生きている可能性があると同時に生きていたら証拠になるからだ。ただC級冒険者を瞬殺できる盗賊の力量を考えると、俺はもちろん、エマやアイリーンですら足手まといにしかならない。ガーネットの力量はわからないが、一般的に黒騎士団はB級冒険者以上らしいので、戦えるとしたらガーネットしかいない。安全のためにも副長にも同行してもらうこととした。


※※※※※※※※※※


王都の中でもスラムと呼ばれる所に拐われた子供の臭いが残っている様だった。スラムの中でも人が集まらなさそうな廃墟の一角。もう一匹の狼にガーネットが準備した盗賊の私物の臭いを覚えさせ、盗賊の臭いがないことを確認した。廃墟の地下に牢屋の様な所があり、そこに手を縛られていた子供がいた。幸い、今回の事件以外の子供達も生きているし、疲れた感はあるものの顔色も悪くなかった。暴行された跡もなく、日に二度は食事が与えられたということだった。その子供達の証言から、盗賊の正体は俺の思った通りだった。この貢献(の賞金があるのかわからないが、)で、ガーネットへの借金が少しでも減ると助かる。少なくとも副長はエマとテイムした狼への好感度はよくわかった。


盗賊は一人であること、彼の正体とスキル予想を副長に教える。正直、スキルを伝えても相手の方が強い様な感じを受けるが、俺の弱さではどうしようもない。アドバイスすることしかできない俺は足手まといにしかならない。その直後、狼、副長、ガーネットが侵入者を察知した。

「ガーネット、そいつらの護衛しとけ。賊は俺がやる。」

「またですか~。たまには私に殺らせてください。」

何やら物騒な話をしているが聞かなかったことにしよう。俺達を助けてくれるならそれにしがみつくだけだ。


※※※※※※※※※※


ジェーファーソンはE級冒険者だった。

小さい時からスラムに産まれ、物心着いた時には親の姿はなかった。生きるために盗みや変態の相手、何でもやった。スキルがわかる15歳まで。スキルによって人生が変えられることを信じて。結果彼が持っていたスキルは、こちらの世界ではいわゆる死にスキルだった。ジェファーソンが絶望し、道を外すことも容易に想像できた。


ジェファーソンのスキル・・・音魔法


こちらの世界では、ただ音が出るだけの魔法は、奇襲や威嚇には使えるものの、武力としてはみなされなかった。そんな中、ジェファーソンは彼が師匠と仰ぐ人に出会う。師匠は、使い道のないスキルを使うアイデアをくれる。これを鍛えることで、新たに人生を変えれる可能性に希望を持てた。鍛えた技は、探索魔法・ソナー、魔法剣音・超音波切断ソニックブレイド、魔法剣音・ソニックブームの3種。通常の冒険者としての自信を取り戻したが、ジェファーソンは、道を戻ってくることはなかった。ある時依頼された仕事の依頼金額が、冒険者では一生稼げるレベルの金額ではなかったからだ。依頼内容は子供の誘拐。ただし、無傷であり、健康状態に問題ないこと。加えて6人まとめて納品することであった。当初は王都内で行おうと思っていたが王都は警備が厚い。スラム街の子供らは健康状態が悪い。時間はかかるが、森を通る金持ちの子供を狙うこととした。

探索魔法・ソナーを使って、獲物の大きさや数を確認。音魔法でモスキート音(子供にしか聞こえない音)を出して子供を酔わせて脇道にそらせた馬車を襲った。出来るだけ盗賊団として見られるように、一方的に蹂躙した。王都に戻った時は買収したスラムの人間を使って門番の気をそらし、地下牢まで連れてきた。それ繰り返し、最後の仕事で見つかってしまった。

「今回の仕事で終わるはずだったのに。」

目の前にいる騎士は一人。もう一人の騎士は周りの護衛をしているようだ。自信があるのか、騎士のプライドなのか、1対1なら何とかなるだろう。この武力を使って、何とか逃げ切ってやる。


空気中、広範囲が出来るソナーはまだ出来ていないようです。ちょっと無理がありますが、異世界ということで。

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