命日
また投稿が遅れてすみません。また用事に追われてたのですが、粗方用が終わりましたので、多分投稿頻度が少し上がります。
それと、この章のタイトル、生死ではなく、生死です。
雨季に突入して3日程経った。
雨が降り、活動らしい活動が出来ない私はこの3日間ゆったりと宴を楽しんだ。夏休みでもなんだかんだで宿題とかをやるのに、ただ食べて飲んでなるだけの、こんなに何にもやらない事が続いた事はあんまりない経験だ。
少し自堕落気味だが語り合い、話し合い笑いながら様々な話しを聞く楽しい宴。しかし流石に3日も続けば少しダレる訳で、適当な話す事がなくなった私達は話しが下系に移り――
「で!本当の所はどうなんですか?ソラさんとカナリエさん、本当は二人共“愛し合っている”んでしょ?」
、、、、なんだろう、男なら間違いなく殴ってた質問だ。
「えっと、そうですね、、、、そんな訳ないじゃないですか!?」
殴りたい拳を机を叩きつけ、ふざけるんじゃないと少し声を荒立てる。というか、この3日間で初めて知ったけど、セレナさん酔う時は意味不明な事を口走るんだよなぁ。
「え~だって、二人共なんか仲良すぎるじゃないですか」
「そりゃあ、もう1年程の付き合いになりますからね!?ずっと一緒にいるので仲も良くなりますよ」
「ホラ、付き合ってるって!」
――キレそう。
「付き合っているって、そういう事じゃないですよ」
「そういう事じゃなくても、仲が普通に良過ぎるんですよ。ソラさんは色々と否定してますけど、カナリエさんはソラさんの事を本当に好きそうですけど?」
ジロリと、セレナさんは先輩に視線を向けて質問する。
先輩は戸惑いながら数秒私を見詰めると、ポツリと呟く。
「ん?えーとね、空ちゃんは分からないけど、私は空ちゃんを“愛しているよ”」
おい、見るな。私は分からないぞ。
ポッと頬を赤く染め、先輩はふふふんと一人でテンションを上げてる。
「あ――まぁ、あくまで先輩の片思いって事で、私と先輩はあくまで友人ですよ」
必死に目を逸しながら、私は料理にがっつく。ちなみに、先輩はハリィに足を踏まれているらしい。
「ちょっと酔いが回ったから、少し上で休むよ」
「回ったのは酔いじゃなくて熱じゃないんですかぁ~?」
よし、セレナさんの酔いが冷めたら一発シバいてやろう。
随分と場が居心地悪くなった私は、そう言い残すと階段を登る。あと、後ろの声聞こえているからな!
(しかし、、、、そうだなぁ、先輩と会って色々とあったなぁ~)
階段を上がりながら、私はふと感慨深いものが過る。
もし、私は先輩と合わなかったら――あるいは会ったからこそある今はどうなんだろうか、と。
部屋に辿り着いた私は、ベッドに身を委ねて「ほう」と息を吐き、瞼を閉じた。
◆
――『黒い海』を泳いでた。
いや、海かも正確に分からない。
ただ、溺れそうになって、漂って、疲れて眠って、それさえも確かではない感触が不確かな記憶として今ある。
黒い、黒い塗り潰された衝撃が残雪の様に覚えている気がする。
パクパクと口を開く、その事を衝撃があらかた過ぎた今に自覚した。
世界が白んた事にも同時に気付いた。
瞬間、意識が明瞭に、鮮明に隆起する。
視界に色が宿り、五感が目覚める。
すぅ、と口と鼻で息を吸う。
しかし、そこには吸われる様な酸素も空気もない。だが、息はある。
いや――正確には身体が酸素を欲してない、吸わなくとも息がある。
触覚が慣れない感覚を感じる中、今度は視覚が知らないものを感知する。
白い天井に――ランタン?
会社のオフィスみたいな天井に、ブラブラとLEDに負けない光を放つランタンが下がっていた。
(なんだ、、、、コレは?)
アンバランスな、何か時代と技術を履き違えた様な不思議な光景があった。
私は、視線を落とした。
白い天井からコンクリートの壁が映る。そして壁には、私の人生で一度たりとも見た事もない美術画が掛けられていた。
布ではなくパピルスの様なキャンバスを下地とし、油絵の具らしき物で描かれた絵は、深く影を落とした熟れた果物を下げる一本の樹だ。
緑の葉の中に生える果物は――柘榴に酷似しているがそれとは違う、別の知らない“赤い”果物だ。
見た事のない、その果物に何か惹かれて、見惚れて、私は不思議と果物へ手を伸ばした――
「ォ――、ぇ――、、、、ォ――、、、、」
ふと唐突にパンと、肩を叩かれた。
その衝撃にハッとし、伸ばした手を引いて肩の方を向いた。
「おーい、君。大丈夫かぁ?おーい」
金髪の若い西洋人風の男が、そう問いかけながら私を揺さぶる。
「聞こえるか?分かるか?もしも~し」
「あっ、、、、えっ、えぇ、、、、」
問いかけられた質問を、ハッキリとは理解せず反射的に返答をする。
「よし、意識はあるな。じゃあ、少し前の記憶はあるか?」
続けた質問に、私は違和感を覚えた。
言葉は“理解出来る”のに、相手は日本語を喋っていない。
それどころか、彼が喋っている言語は英語でもない全く知らない言語だ。
何故か、そんな言葉を聞いて理解出来るのは、どうしてか?また、何故私の話す日本語が理解出来る。
しかも、、、、翼?
「えー。あー、黒いものを、覚えているか?」
思考モードに入ってた私の脳を、男はその一言によって意識を変えた。
「あっ、あぁ、、、、黒い海を、泳いでた」
私の反応を見て、男はそうかと頷く。
「なっ、なぁ。ここって、どこだ?黒い海は、何なんだ?」
学校は――家は――どこに?
「、、、、ここは、『天界』だよ」
天、界?
「君は、黒い海の前の記憶を、覚えているか?」
言い辛そうに、顔を顰めて言葉を紡ぐ。
「もしも覚えてないなら言うと――――君は“死んだ”よ」
――――――、
――――、――――――――、、、、
嘘だ、そう思った。
けれど、嘘じゃない。
思い出した。
黒い海を泳いでた記憶の前、私は高校の入学式に遅刻しそうで、直ぐに着替えて両親に何かを話す暇もなく家を飛び出して。
あぁ――雷に打たれて死んだ。
「っ、んすぅ、、、、っん――――」
涙が出た。
分からない位何か悔しい。
本当に、本当に、どこか分からない苦しさが込み上げる。
後悔、不安、恐慌、絶望、悪夢、悪夢悪夢悪夢悪夢悪夢悪夢悪夢悪夢悪夢悪夢悪夢悪夢悪夢悪夢悪夢。
負の感情が脳と胸の奥底から溢れ出る。
「何で、何で――――」
泣き言を言おうとした。そうしたかった。
だが、その瞬間。
「だっ、大丈夫?えっ、と、えっと、なんて名前だっけ?」
女の子の声がした。
オドオドとして、何か自信なさげな声色の。
「えっ、そのね、あ~なんて言えばいいのかな?」
その子はエメラルドが輝いた様な色の瞳をして、白銀に見間違える程キレイな金髪をした、天使みたいな人だった。
――キレイ。
さっきまで溢れてた負の感情は、女の子はその美麗さで押し退けられた。
本当にキレイだと、どうしようもない位に私はただそう思ってしまった。
あまりにもキレイ過ぎて泣き言も引っ込むその人は、頭を掻いてはにかみながらとびきりに素敵なこう言った。
「えっとね、コホン。私はね、『カナリエ・べフェルト』っていうの。君は、何ていうの?」
話しもボチボチと書きましたが、ここで読んでくれた読者の皆様は、好きなキャラとかはいたりしますか?




