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勇者大戦  作者: 千里万里
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第二章その37

 その日の夜、「紅玉と翡翠の夕べ」亭にはいつものように勇者たちが顔を揃えた。神聖王国の勇者フォルナがいないのは昨日と同じだが、その意味は全く違った。

 勝者のフローリアが暗い表情で塞ぎ込んでしまったので他の面々も口が重くなり、その日はすぐにお開きになった。


 翌日、闘技場ではクライナーとヒルケの対戦が行なわれた。

 クライナーが手にする月の神の盾の絶対防御はヒルケの短剣に対しては効力を発揮しないが、ヒルケの短剣はクライナーの堅実な防御を破る事はできない。

 度重なる攻撃を全て微笑さえ浮かべたクライナーに防がれたヒルケは焦りから迂闊に踏み込み、一瞬にして両手の短剣を叩き落とされた。

 勇者大戦、第八戦目は交易の国の勇者クライナーの勝利に終わり、対アリアーネ戦で醜態を晒したクライナーはこの勝利によって面目を保った。

 残るは第九戦目、竜の国の勇者レヴィンと砂の国の勇者ヒルケの対戦だけとなった。

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