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第二章その5
「ゆーしゃ様ゆーしゃ様、どっちが勝ちそうですか?」
特別席で脳天気な声を上げるリーゼ。
「そうだな……ヒルケの方はどんな戦い方なのか、強いのか弱いのかも解らない。しかしひとつだけ言える事がある」
レヴィンは表情を引き締めて言う。
「フローリアは強い」
「はあ……そうなんですか」
「ああ。見た目は子供だけどな。この中で一番強いんじゃないか?」
「あの子、死なないしね」
と、その隣でアリアーネが付け加える。
「むむ……ではどうやって勝敗を決めるんですか?」
「相手を殺すと反則負けで、逆にペナルティを受ける事になる。だから相手を殺さずに戦闘不能に追い込む事が勝利条件になる。むしろ相手が死なないとなれば手加減なしで全力を出せるから、フローリアの方が不利になるかもな」
「むむ……なるほど」
「結果がどうなるか、その目で確かめてみるんだな」
「は、はい……」
レヴィンやリーゼらの見守る中で、勇者大戦の初戦が始まろうとしていた。




