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幸福戦争  作者: 薪槻 暁
第三章~ヒトとヒトとの闘い~
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3、行動するには理由が必須だ

 こんばんは!本日も投稿させていただきます!!


 今回のテーマはこれと言って特にないという感じになりますが、次回に繋がる重要な話となってきます。。


 次回は漸く作戦というか行動を起こす回となるのでなぜそうなったのか、経緯を知ってもらえたらなと。。


 では、よろしくお願いします。。

「で、これからどうするんだい?」



 信用し信頼してきた友を自分からむざむざと裏切る感覚は心地が良いとは口が裂けても言えないので僕は気を持ち直して彼女に今後について促す。



「うーーん、これと言ってやりたいことなんて無いなあ。あっ、あるとしたら世界旅行かな」


「君が見たテンプル騎士団ってのも興味をそそられるんだけど、あいにく血が滴るのは嫌いだかんなーー」



 まるで長休暇の旅行計画を立てるように目の前の女性は語り始める。



「旅行って言ってもまだここにしか来たことがないからなあ。というかここ(アフリカ)が始めての観光旅行地なんて物珍しさもたまったもんじゃないね」


「でも地下じゃないか」


「そうよっ!だからアフリカに来たって感じはしないね……あはは……」


「ねえ。あなたってさ職業上ここに来たんでしょ?」


 

 あまり自慢できるものではないが。



「ならさ他にも違う場所に行ったりしたんでしょ?」


「そうだよ」


「やっぱりっ!!ねえねえ教えてくれない?あなたがこれまでに訪れた街とか、風景とか」



 僕は暗い暗い闇夜の中から鍵を探し始める。それは鍵というより断片的な何かが落ちているものを拾うような気がした。『記憶』という名の何か。



「知って得する話じゃないってことは言っておく、それでも聞きたい?」


「うんっ!」



 目に星を散らせた彼女の微笑ましい姿と表情。これでもう二回目だ。これはこれで僕としては嫌ではないが。


 一つ、また一つと思い出す凄惨で惨殺な記憶。僕の皮膚から吐き出したいほど染み出てくる他人の痛み。


 意味もあるのか分からないまま破壊、殲滅し尽くした地、瓦礫の山と化した街米国。外へ、そのさらに外へと逃げ出した骸がそのまま残り続けた本当の意味での死海が生まれた英国。ヒトの存在意義を否応なしに引き剝がされ、安全を模倣した国、中華人民国。


 どれをとっても『幸福』を掴んでいる者などおらず、権力を、財力を経済力を手にした者さえも生きる理由を見いだせないでいた。彼らにも欠点はあった、醜態を晒し人間特有の罪を犯した。けれどきっと本質的な罪を、無期懲役になるほどの悪態を犯したのは彼らではないのだろう。根源的で概念そのものに繋がるその答えは「僕ら」しかありえないだろう。



「ふーーん、まああなたたちが引き金みたいなものだからねえ。それは仕方ないんじゃないの?」


「でもさ、少しは何か見えなかったわけ?引っかかるところというか違和感みたいなものをさ」


「違和感か……」


 

 海外を渡りその都度ミーティングし報告してきた。それは僕たちの上層部であり……「マザー」だ。そういえばあの時、こんな感情を汲み取っていたっけ。彼が僕たちからすれば本物ではなく偽物だと。


ーーあなたが本当の母親とは思えないーー


 それは僕と彼らにおいて似ているところもあったし違うところも見つけられた時だ。



「そういえば、ヒトの感性とか考え方とは少し違うなって感じたような気がする」


「合理的に事を運ばせるっていうような傲慢さじゃないんだけど、何ていうか他人を見ていないって感じかな」


「それって結局のところ傲慢なんじゃないの」


「いや少し違うんだよね、自分の為に誰かを切り捨てるってことはしなんいんだよ彼らは」



 だからこそ、彼が我が子を自分の子供のように見ずに放っておこうとしたあの態度が違和感だったのだ。



「彼らだって自己中心的な世界を作ろうとはしなかった。低く見ても彼らは世界の中心はヒトだと認識していた」


「なんでそんなこと言えるの?私たちのことを殺そうとした張本人じゃないのよ」



 テンプル騎士団という名を語り虐殺するシステムのように殺す彼らの残虐性からすれば誰だって否定したくなる。けど僕は違う面からも彼らを見てきたことを伝えなければならない。



「そうだけどさ……彼、僕らがどう思って生きているか何度も訊いてきたんだよ。今は幸せか?ってね」


「彼らからすればさ、自国を敵から守るように安全策を練ったり食糧を確保したりってのはつまりは僕らのためにって考えなんだよ」



 目の前の彼女は机の上で頬杖を突きながら静かに聞き入っている。それを良いことに僕は淡々と淡白に持論を展開していった。



「君たちに危害を与えたのも、そのせい……」



 けど彼女は居ても立っても居られなくなったのか、頬杖を突いていた腕を僕の顔面に向けて言い放った。



「それって、あなたたちもグルってことじゃない」


「誰が死のうが、生きようが私には関係ない。どこかで誰かさんが処理して終わる。身勝手なものね」


「でも、これを知っているのは僕だけだよ」


「どういうこと……」


「情報操作だよ。政治の上層部がそもそも僕たちじゃないからどうしようもないんだ」


「あきれた……それで人間、いやヒトへの役目だって言うの?」


「生きるためには各個人に『正義』が必要なんだよ」



 僕の言葉に察した彼女は突然口ごもり口出しすらしなくなってしまった。







「で……あなたはこれからどうしたいの?」


「僕?僕がしたいこと……そんなの何もない」



 考えついた答えがそんなちっぽけなものだったので彼女は肩をすくめて息を漏らした。対する僕も自分の不甲斐なさに腹を立てていた。



「本当に?何かないの?誰かを助けたいとか、そんな大層なものじゃなくてもいいから何かがしたいって思わないの?」



 本当にしたいこと、弱虫の僕が自分で自分の力で成し遂げたいこと。願う夢なのではなく追う夢、希望を持ち走り抜けていきたい現実的な夢。


 それはあの日、あの時誓いを立てたあの決断を実行すること。



 ――この世界に終焉をもたらさん――



 僕は再度の握りこぶしに力を込めて決意を新たにした。

 読んでくださった皆様、ありがとうございました!!


 ところどころ、前の話を盛り込んでいるのですがおわかりいただけたでしょうか。。。


 例えば、「ーーあなたが本当の母親とは思えないーー」は第二章のエピローグでの台詞です。。


 最後の一文はこの作品の真のテーマにも繋がっていきますので少しでも覚えてくださると嬉しいです。。。


 本日はここまでにしますが、何か気掛かりなことやこ読みづらい部分がありましたらお教えくださるとありがたいです。。。


 では、今後ともよろしくお願いいたします!!

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