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⑦
とにかく、ささやかな抵抗も
特に意味なく
僕は金髪坊主に
ズルズル引きずられて
ある人物の前に投げ出された
「おっ、アタル君!またあったね~」
例のタマってやはりアンタか!
青瀬 珠美!
「おい!タマ。連れてきたぞ?とりあえず殴るか?」
金髪坊主は、いかつい握り拳を僕の目の前にちらつかせる。
ひぃっ!
「こら、龍!暴力は一日一回までって約束したでしょ~」
…一日一回はいいのか?
「いや、僕が何したっていうんです!?僕は、家に帰るんです。放してください!」
僕は、勇気を出して不良に言う…
「え~、私、アタル君にとんでもない事されたんだけどなぁ」
…はい?
人の鳩尾に剛速球ぶつけた張本人が、何か言い出した。
「な、な、な、なにぃ~!!!!貴様、俺のタマさんに…許さないぞ!」
ヒートアップする
白井戸 春虎。
あの…キャラ変わってませんか?
「なんの事か、サッパリです青瀬さん。」
僕は、青瀬 珠美に返事をすると…
「あん?呼んだか?」
呼んでもいない金髪不良の龍と呼ばれる男が返事をした。
…なるほど、そういう事か。