③
彼女は、その辺の小学生に混じってもおかしくない身長
あどけない顔
童顔というものなんだろうけど
ほっぺたはほんのり紅いが
きめ細かい肌をしている
タマゴ肌って奴かな?
最初に、大人っぽいと感じた部分の唇には、キラキラと艶めく何かが塗ってあるが
つまりそれを除けば完全に小学生にしか見えない彼女が
年上だった事に驚いたのです
すると彼女はいきなり
「ん~?あぁ!じゃ、自己紹介するね~♪」
頼んでもいないのに自己紹介し始めた
なぜか、肩まで伸びた髪の毛を
ゴムを使い後ろで一つにまとめながら…
「私は、青瀬 珠美。薬師高校に通う一年生!ここの小学校で、週一でクラブ活動のコーチしてるんだ~」
クラブ活動のコーチ?
薬師の生徒は、そういう事もするもんなのかな?
僕は自転車に跨ったまま
「ふーん、そうですか」
そう答えた
するとパッと見幼女の
青瀬 珠美はムゥと唇を尖らせ
「で、君は~?なんでボール捨てたの?野球嫌いになったの?」
そう言いながら僕が捨てたボールを拾ってきた
「僕は、黒田 中です。そのボールはもう僕には必要ないので、そのクラブ活動とやらで使って下さい」
彼女の言うクラブ活動とは、
内容を聞いていないけれど
十中八九で野球の事だろうと思う…
なぜなら彼女の手には、いつの間にか野球グローブをつけられていたからだ