②
最後に思い出のグラウンドで
野球と決別する
そんな、ありがちな感傷に浸りたくて
僕はマウンドからお別れの投球をした…
投げたボールは、拾わずに帰る
決別だからね
ちょっぴり涙が出てしまう
感傷に浸りすぎた……
早く帰ろう
僕は近くに置いていたバッグを
肩にかけ、帰ろうと通学に使う自転車に跨った
その時だった
「ちょっと、君!ボールは、ちゃんと片付けなきゃダメだよ~!」
そんなお説教を小学生の少女にされてしまった…
ん…?
ちゃんと一人になりたくて、小学生がいない時間帯を見計らって来たはずなのに
「あ、あぁ、ゴメンね」
「分かればいいんだけどね~。ねぇねぇ君は野球好きなの??」
というか、小学生にしては、大人っぽい子だな、なんか制服着てるし…ま、最近の若い子は成長が早いって聞くし
って制服!?
「そ、それより、その服!誰かの?兄弟とかの?」
その制服には見覚えがあった
「え?私のだけど~?」
「ま、まさか、”薬師高校”の生徒!?」
「ん?そうだけど~?」
彼女は、首を傾げ、僕が何に驚いているのか、サッパリ分からないといった表情を浮かべた
僕が驚くのは当然だ
なぜなら
薬師高校といえば、県内屈指のスポーツエリート養成高校!
しかも彼女が着てる服はそのエリート高校の中でも限られた者しか着れない基本の紺色のブレザーに襟部分に白のラインが入っている
通称”百薬師”と呼ばれる制服を着ていたから……
ではない!
「高校生って、えぇっ?年上!?」
本当のポイントはそこだ