三章 名前をもらった日
ー落ち着け秋葉、今俺はどうなっている。
ーまず集落から目的地に向かって出発。
ーそして今、王女と遭遇?
ー一体何が起きている?
秋葉は混乱していた、しかも人生史上最高ランクで。
クスュリナ・トライド、トライド王国第三公女。
トライド王国、三大陸の一つ、グランツ大陸の約四十八%を占領している
ー確かこれがトライド王国の一般的な知識だったはずだ。
そんなことを考えていると。
「あの、どうかしたんですか?」
その言葉で秋葉は意識を戻す。
「いや、なんでもない、それより、貴様が王女だという証拠を提示してもらいたい」
秋葉はライフルを構えながら問う。
「回答しても良いですが、武器を下げてはもらえないでしょうか」
少し秋葉は考える、当然だもし相手が武器を持っていたらこの有利な状況が崩れる、
結果秋葉は、こう答える。
「了承した、その代わり、そちらが武器を持っていないことを確認したい」
「確認、と言いましてもどうすれば?」
「そうだな、そのローブをとってもらおう」
そう言ってローブを見た瞬間、王女は顔を真っ赤に染めて一歩下がる
「えっ、いや、それは、待って、無理!ローブ以外なら」
・・・なんだこの反応、絶対なんかあるな。
「ローブ以外は認めない、ローブを取らなければこのままお前を撃つ」
そう言って握っている銃に力を込める、しかし王女は聞いていないのか相変わらずテンパっている。
「いやいやいやいやいや、ローブは、ローブ無理!」
いい加減にしろ、心の中で喋る。
「仕方ない、ローブを取るぞ」
そう言って一歩近づくと王女は気づいたらしく、全力で後ろに下がり、こける。
「全く、いい加減にしろ!」
そしてローブの裾を掴み、一気に引っ張る。
ローブのしたから現れたのは。
「えっ・・・」
白い、雪のように真っ白な肌、二つの柔らかそうな大きな胸、そして白いショーツ
つまり、下着以外つけてない状態。
そしてそれを見られた女性は。
「ひぃ!嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
当然悲鳴を上げて。
「ゲボォハァ!」
殴ってくる。
大体三分くらい経った頃。
「あのー、落ち着きましたか?」
秋葉は様子を伺うように聞く。
ローブをきた王女は赤い顔のままこちらを向き
「こ、これで私が何も持っていないことは、わ、わかりましたね!」
「オーケーオーケー、あなたは安全だお姫様」
「お姫様はやめてくれないかしら、むず痒いわ」
「じゃあ、どう呼べばいいんだ?」
「クシュリナでいいわ」
「じゃあクシュリナ、お前は何故ここに居る」
単刀直入に聞く、回答はある程度予想がつく。
「前線で戦ってるあなた達が気になったので、ですが・・・」
解釈すると、移動中敵に襲われ味方とはぐれてしまった
(まあこんな感じだろうな)
「しかし、ここまで来れました」
(格好から察する、大体3日ぐらい前か)
「不躾なお願いかもしれませんが、私をあなたの集落に連れて行ってくれませんか」
(この質問は予想通りだ、考えていたとうりに)
「しかしだな、王女であるお前が集落に突然来たら、他の奴ら多分お前のこと捕まえに来るぞ」
「それは何故です?」
「当然だ、俺たちはレジスタンス、お前を捕まえればトライド王国に対してかなり優位な立場を取ることが出来るからな」
護衛がない状態でレジスタンスの拠点に来るなんて自殺行為だ
「お前が集落に入るための条件は三つ、まずお前が王女だと言うことは秘密だ、そして次に、出身地を明かさない、これは後で話す、そして最後に、クシュリナと言う名前を変えてもらう、名前のせいでバレることがあるからな、どうだ、出来るか」
クシュリナは少し考えたのち。
「いいでしょう、わかりましたそしたら私の名前どうなるんです?」
「そうだな、クシュリナからとって、梨奈でどうだ」
「梨奈・・・いい名ですね、そういえば貴方の名前聞いてません」
「そうか、俺は秋葉、さあ行こうぜ、梨奈」
ー今でも思い返すととても恥ずかしい
ーでも、名前をもらった日
ー目を瞑ると昨日のように思い出す
ー楽しかったな