表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
たとえ歪んでいようとも  作者: ACROSS
2/37

初バトルは熊?さんと

説明回はもう少し後になります。駄文ですが、それでは続きをどうぞ。

「ん……」



 柳季(りゅうき)が起きると、周囲は高い木々に囲まれていた。要するに柳季は森にいた。



「あ〜そっか。異世界に来たんだっけか。でも、なして森?」



 異世界の神レザベディアと話していた時とは違いかなり砕けた、悪く言えばやる気の無い軽い感じの言葉使いだ。恐らくこれが素なのだろう。

 柳季は今後の簡単な予定をたてようと考える。


 (まずは川だな。水の確保が最優先だ。そのあとで食料。あわよくば人と会えればってとこかな)


 とりあえず行動を決めた柳季は、次に自分の服装と持ち物を確認することにした。


 (ん〜。黒い繋ぎ(上着とズボンが一つにつながった作業服)に運動靴か。それとホルダーに収まってるナイフが6本。完全に最後に仕事してた時の装備だ。ん?)


 ここまで確認して柳季は足元に革でできた大きめの袋が落ちていることに気付いた。中身を見てみると、恐らく非常食だろうビスケットのようなもの、小さな鍋やコップ、ロープ、布が3枚、火打ち石に寝袋と小さな袋が入っていた。

 小さな袋を取り出すと、中には金貨や銀貨がじゃらじゃら入っていた。


 (え〜っと、お金の価値は(レザベディア)からの知識によると



白金貨…1枚=100万エル=1億


大金貨…1枚=10万エル=1000万円


小金貨…1枚=1万エル=100万円


大銀貨…1枚=1000エル=10万円


小銀貨…1枚=100エル=1万円


銅貨…1枚=10エル=1000円


魔鉄貨…1枚=1エル=100円



 こんなだったな。単位はエルで1エル=100円。10枚毎に使われる硬貨が変わるんだな。この袋に結構入ってるのは神さんの計らいかね)


 柳季はナイフ以外の荷物を一つにまとめて背負うと川を求めて歩き出した。




◆◆◆◆◆◆




 歩き始めて10分程で、運よく川を発見した柳季(りゅうき)は水を飲み、一息ついていた。



「すぐに川が見つかってラッキーだったな。次は食料だな」



 休憩を終えた柳季は目の前の川で泳いでいる魚をチラ見しつつ手頃な枝を折ると枝の先端にナイフを括り付けて簡易の銛にした。



「3匹くらい捕れば良いかな」



 呟きつつ川に入ろうとした所で柳季は動きを止めた。背後からがさがさと何かが近づいてくる音が聞こえたからだ。

 銛を捨て、急いで両手でナイフを構える。



「グルルル」



 現れたのは熊だった。いや、正確には熊ではない。何故なら、4mはありそうな巨体に苔が生えたかのように緑色の毛、額には30cm程の禍々しい黒い角があるからだ。



「……縄張りだったのかな?」


「ガアアアッ!!」



 ビリビリと空気を震わせる雄叫びを上げた熊?は猛然と突進してきた。

 柳季はひらりと突進を躱すと、すれ違い様に手にしたナイフで切りつけた。



「危ねぇな。にしても、ノーダメージはあんまりじゃね?」



 ナイフが通用するか確かめるために切りつけたにも関わらず、ナイフは刃毀れしていた。

 どうしたものかと考える暇もなく、熊?は再度突進。



「おっと。ん〜やっぱ狙いは目かな」



 熊?が振り向いた瞬間、目にナイフを投げると見事命中。熊?は絶叫を上げるが、柳季はそれを無視して一気に接近。飛び上がり、刺さったままのナイフを回収しながら、もう片方の目にナイフを突き立てた。

 さらに絶叫を上げ、熊?は腕を滅茶苦茶に振り回す。


 視界さえ奪えばどうってことはないな。後は止めか。


 柳季は先程捨てた銛を拾うと、暴れている熊?に再度接近。駆け寄るのに気付いた熊?は見えないながらも迎え撃とうと雄叫びを上げながら腕を振り回す。



「お口チャック!」



 ふざけているかのような掛け声と共に柳季は冷静に腕を避け、熊?の口の中に銛を突き刺した。ついでとばかりに銛を蹴りつけ、刃を更に深く突き立てる。

 結果、ナイフは脳にまで達し、熊?は力なく倒れた。



「大したことなくて良かった〜」



 荒くなった呼吸を整え、倒れた熊?を警戒する。石を投げて見たが、ピクリともしないのを確認して柳季は隠れている存在に声をかけた。



「いい加減出て来いよ。居るのは分かってんだ」



 すると、1人の少女が木の上から降りてきた。

 少女は背が低く銀髪碧眼。スッと通った鼻にくりくりした大きな目。顔立ちははっきりしていて美少女と言える。

 だが、柳季の目は少女のある一点から動かなかった。少女の頭部には犬のような獣耳があったからだ。



「わっ私を弟子にしてください!」



 ペコリと頭を下げる少女を見て柳季はどうしよう?と困惑した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ