第1話
とりあえず第1話。
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俺の名前は桜木海翔。
現在、ピッカピッカの高校一年生だ。
一年生になったからって友達百人できるとは思ってないし、富士山の上でおにぎりを食べたいとも思っていない、バカ殿をトロの一種かな?と中学一年生まで思っていたし、中三の時に友達に無理やりお化け屋敷に連れて行かれて泣き叫ぶくらい普通の高校生である。近くにいた小さい女の子が軽く引いてたけど…。
まぁごく普通のありふれた凡人だ。
一つだけ珍しいことがあるとすれば母がスウェーデン出身という事ぐらいだろうか。
なので俺は父親のと混ざって茶髪だが、妹の萌恵は完璧に母親似でまじりっけなしの金髪である。瞳も俺は若干茶色、というぐらいだが、萌恵は綺麗な水色である。
まぁ、母は萌恵の一二回目の誕生日の日に他界してしまったわけだが…。ま、こんな話はおいておいて。
さて、ところで先程俺は幽霊とかそういった類のものが苦手と言ったが実はそれにはちょっとした理由があるんだ。
俺がまだ五歳か六歳ぐらいの頃家族全員で遊園地に行ったんだ。
そしたらお化け屋敷に入ることになったんだが、この頃はまだ俺はお化けが嫌いじゃなかったんだ。
――で、どうやら親父がオカルト系がだめだったみたいで、親父がお化け屋敷で泣き叫ぶというか、パニクったみたいで半狂乱になってたわけよ。
たぶんそれが子供心には結構怖かったのだろう。
それ以来、俺もオカルト系がだめなのだ。これは親父のせいか遺伝か……はたしてどっちだろう?
戸塚駅を出て五~六分勃った。失礼、経ち、家まであと半分となった。
できるだけさっきの映研で見たホラー映画を思い出さないようにしているが時折頭の片隅をウロチョロしてしまっている。
それらを追っ払うように頭を横に振りつつ道を左へ曲がる。ここまではそこそこ大きい道路で車や人通りも多く道沿いにビルなどもあり明るかったが、ここからは電柱についている街灯(防犯灯と言うらしい)だけが頼りである。
最近街灯を蛍光灯からLEDの電灯に付け替えたらしく、以前よりは明るくなっている。
その街灯の下にダンボール箱が置いてあるのに気付いた。
愛媛みかんと印字されている。
その表面に紙が貼ってあり、『拾ってください』とマッキーか何かの油性ペンで書かれている。
俺は地球上で最も可愛い動物は猫だと思うほどの猫信者なので気になって箱のふたを開けてしまったのだ。
――そう、あ・け・て・し・ま・っ・た・の・だ!
「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
そう。そこにいたのは……!
もちろん猫ではなく、この物語のヒロイン、………でもなく。
「で、で…で……でデデデで、で、ででででででたぁああぁぁぁぁああぁぁああああああぁああっあああぁぁぁぁぁあああぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁあああああ!!!!!!」
幽霊、である。
血走った赤い目をギラギラと光らせ、色を忘れたような白い髪は逆立ち、口元からは赤黒い液体が垂れている。
頬には穴が開き、ここでは語っちゃいけないレベルのグロさである。
しかも右手は手首の先がなく、切断面が見えている。
……つーかこれ、幽霊じゃなくてゾンビじゃね?とか思う奴もいるかもしれんがこれは幽霊だと俺は思う。
なぜなら…足がないからだ。
太ももより先は色が段々薄くなっていってるので足がないのだ。と言うか見えないのだ。
と、その時、ふいにLEDの街灯が火花を散らして消える。
何故だ?ここのLEDはついこの前に蛍光灯から変えたばかりなので壊れるはずがない…つまり幽霊の仕業……?
「……………………………………………………………………………………………………………あっ~あぁああああああぁぁっぁああああああああぁぁぁあぁっぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああぁぁぁああああああああああああああああ~~のどが痛い……」
一目散に駆け出した。
『全出力を足に回すんだ!』
『了解!!』
『しかし隊長!このままでは家まで持つか…』
『持つかどうかじゃない!持たせるんだ!!』
『はい!』
……脳内が軽くアレな展開になっている。
ここからだと家までは走って三分といったところか…。
少しだけ首を後ろに回し見てみた。
「……………………………………………………………………………………………………………」
さっきのが追いかけてきた。
「待っで~~」
とか喚いているように聞こえなくもない。
いやぁ~アレだね。
家までは走って三分位だけど、こんなに三分が長く感じるのはお腹すいている時にカップヌードルに湯を注いで待っているのと同じくらい長く感じたね。
しかも幽霊がこちらに向かって走ってくるに従い、次々と街灯が火花を散らして消えて言ってるんだけど…。
人間というのはこういう時には火事場の馬鹿力みたいに普段より力が出るもので相当早く走ることができた。
そのおかげで幽霊を少しずつ引き離している。
何だ、その…足がないのに足が遅い幽霊って…その…ショボ(ry
やっとこさ命からがら家にたどり着き玄関の扉を開ける…するとそこには……幽霊、ではなく妹の萌恵がいた。
標準装備のツインテールを揺らして怪談、失礼、階段から降りてきたところだった。
我が家は玄関のすぐ左に階段がある。
「あっ、お兄ちゃんおかえり。……あれ?どうしたの?お兄ちゃん」
「……いや………」
「お兄ちゃん…顔が真っ青だよ?それに汗だくだし…お風呂入る?」
「あ…あぁ…ちょっと…ね。そこで幽霊…に会っちゃって……風呂…入るよ…ありがとう」
「あははっ幽霊ね…うんうん、分かったから。着替えは持ってくるから先に入ってて」
「うん……」
萌恵のご厚意で先に風呂に入らせてもらった。
まだまだ続くよ~。




