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【完結】「愛する君を殺したくない」と王子様から断罪されたので、大人しく殺されに行ったら、私の愛が重すぎて呪いが壊れました  作者: ましろゆきな


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第八話(本編完結):【永劫の檻】静寂に溶ける、甘い契約

 1. 嵐の後の蹂躙(政治的解決)


 教会での出来事は、奇跡として王都に知れ渡りました。

 当然、一度は「不貞」を理由に断罪を宣言した教会や、それを利用しようとした政敵たちは、自分たちの非を隠すべく、執拗に婚姻の正当性を攻撃してきました。


 しかし、呪いから解き放たれ、本来の「冷徹な知性」を取り戻したギルバート様にとって、それはあまりに容易い遊戯ゲームでした。


 彼は慈悲深い微笑を絶やさぬまま、教会の汚職記録を一つひとつ机に並べ、反対派の貴族たちが密かに通じていた隣国のスパイ網を「正攻法」で摘発していきました。

「アメリアを害する者は、この国の敵である」

 その理知的で揺るぎない圧力の前に、敵対勢力は音を立てて崩壊し、二人の婚姻は「国の安定のための絶対の真理」として、盛大な結婚式とともに祝福されたのです。


 ◇◇◇


 2. 王子妃宮の静寂


 それから数ヶ月――。

 新しく整えられた王子妃宮の奥。そこは、アメリアが望んだ通り、静かで、少しだけ仄暗い、穏やかな空間でした。


 正面の大きな窓からは、王都を一望する眩いばかりの陽光が差し込んでいます。

 アメリアは、その光の中に浮かび上がるように椅子に腰掛け、静かに微笑んでいました。

 王子妃としての公務を完璧にこなし、聖女としての慈愛を振りまく彼女は、今や国民の憧れの的です。


 けれど、彼女が一番安らぐのは、この「光と影が交差する静かな部屋」で、あの音を待っている時間でした。


 コツ、コツ、コツ……。


 規則正しく、理知的な靴音が廊下に響きます。

 かつてのように床を砕き、大剣を引きずるような荒々しさはありません。

 けれど、一歩ごとに近づいてくるその「重み」は、呪われていた頃よりもずっと強く、彼女の肌を心地よく粟立たせます。


「……アメリア。ここにいたのか」


 扉が開き、ギルバート様が現れました。

 乱れた髪は整えられ、軍服のボタンは一つも違わず留められています。

 血走っていた瞳は、今は理性の色を湛えた、深い蒼。


「ええ。貴方をお待ちしておりましたわ、ギルバート様」


 アメリアが立ち上がると、ギルバート様は静かに歩み寄り、彼女の白磁の如き頬に、愛おしそうに手を添えました。

 その指先が、首筋に残る「あの日」の淡い痕跡をなぞります。


「外は騒がしいな。……君を、一生この部屋から出したくないと、また思ってしまった」


 理知的な声で囁かれる、狂気じみた独占欲。

 ギルバート様はアメリアの腰を引き寄せ、壊れ物を扱うような優しさで、静かに唇を重ねました。


 窓の外に広がる輝かしい世界とは、切り離された二人だけの空間。

 そこには、呪いという名の殺意すら必要としない、完成された永劫の檻がありました。


(ああ、幸せ……。この静寂こそが、私の求めていた『絶望』より深い、愛の形ですわ)


 アメリアは目を閉じ、理知的な仮面を被った猛獣の腕の中で、勝利者の微笑みを浮かべるのでした。

明日、2月22日(日)21:00より――

衝撃の番外編【全5エピソード】を一挙公開し、本作は完結を迎えます!


【番外編の見どころ】

両親から「愛の重さ」を、そして母アメリアから「殿方を陥落させる秘術」を英才教育で受け継いでしまった愛娘が登場。

隣国の冷徹皇帝を、母譲りのテクニック(※R15!)で翻弄し、骨抜きにしていく「最強の愛娘」の快進撃をお見逃しなく!


(※影で「うわぁ……」となっている兄王子たちの反応も必見です)


明日の夜21時、最高のフィナーレでお会いしましょう!

もしよろしければ、今のうちに下の【☆☆☆☆☆】やブックマークで、彼らの門出を応援いただけると嬉しいです!

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