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空白の願い
世界が変われば報われるという甘言は、現実を前に頽れた者にとっては夢を与えるものであり、逃避であり――愚かな思考であった。
生まれ持った魂は世界線を越えることもなく、たとえ流転しても道筋は変わらない。
授けられた運命を捻じ曲げられるものがあるとすれば、それは己の意志唯一つ。外的要因ではなく、内的要因のみが如何なる時も道を切り開く。
故に、真理から目を背け、虚言に生きる我が民よ。
我が自己満足を肯定して潰えた優しき勇者たちよ。
そして――愛に生き、愛に踊った、今は亡き友たちよ。
創世の神話を語り継げ。