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リアル異世界  作者: 紘希


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3度目の失声。

 今回は、また(なごみ)に失声症状が出た時の事を綴ろうと思う。

 失声は解離症状の一種で、和が強い不安などに襲われた時などに起こる。今回のきっかけは、近頃和の活動時間(表に出ている時間)が短くなった事だ。俺の活動時間が伸びて、いずれ自分が出られなくなるのではないか、自分は自分の人生も一人じゃ生きられないと不安になったようだ。

 確かに、最近は俺が表に出る機会が一時期に比べると多くなった。強制交代の頻度も増えていた。原因として考えられるのは、2つ。1つは、以前失声症状が出た時の記憶の蘇り。あの出来事が最近の和の精神状態に影響を及ぼしている事は、主治医からも指摘されている。2つ目は、5月の連勤だ。ゴールデンウイーク中に通所7連勤という多忙な時期があったのだが、5月に入ってから約半月、事業所のインターネットが繋がらないというトラブルが起きていた。和の3Dモデリング作業はオフラインで出来るが、俺のデザイン作業はオンライン作業でしか出来ない。その為、Wi-Fi復旧までの期間は和が通所をしていた。その疲れが後を引いてしまっているのだろう。

 そしてWi-Fi復旧後も、3Dの指導員がいる日はほぼ全て和が通所している。3D指導員の方は恐らく週5勤務のスタッフさんなので、通所日のほとんどは指導員の方が居てくれる。和は直接指導を受けられるのでとてもありがたいのだが、和が通所する日が増えた事で疲れも溜まってしまっているように感じる。和は作業自体はとても楽しんでいるが、事業所の利用者数も増加して一日の通所人数が多くなった。人が多い環境があまり得意ではない和にとって、通所するのは楽しい一方で多くの人や話し声は無意識のうちに負担になるようだ。その結果、仕事を終えると疲れて交代してしまう場合が多いのだ。それで自宅で家族と過ごす時間が減ってしまう事が和にとっては不安だったようだ。その不安を泣きながら母に話してから少しして、和の声が出なくなった。

 和が強い不安を感じた場合、交代する事もあれば失声症状が出る事もある。この違いが何なのかはわからない。今度主治医に訊いてみようと思っている。

 ちなみに今回も、不安感が強い様子だったので頓服薬を服用させた。30分程で気分は改善されたようだが、失声症状の改善はされなかった。3度目という事もあり、和の動揺は少なかったように思う。ただ、声が出ない事で周囲に面倒や心配を掛けるのではないかと心配していたようだ。翌日も通所予定だったが、声が出なければスマホなどを使えばいい。そこまで心配する事はないと母と俺で伝えた。それに翌日には治っている可能性もあった。

 そんな期待もむなしく、翌朝になっても和の声は治ってはいなかった。しかし前日よりは声が出るようになり、囁き声程度ならば出せるようになっていた。

 前回失声症状が出た時も通所はしているので、今回もそのまま通所してみる事になった。今回もコミュニケーションがスマホがメインだったが、前回と違い囁き声は出るので指差しなどの他にも小さくはあるが声で補足が出来た。仕事中に治る事はなかったが、特に問題なく仕事を終える事が出来た。

 そして帰宅し、俺が用事があったので和に頼んで交代してもらった。そして俺が用事を済ませて和に交代すると、無事に声が出るようになっていた。内界で休息を取れた事で症状が改善したのかもしれない。こうして和の失声症状は完治した。

 和に失声症状が初めて出て以来、おおよそ月に一回の頻度で症状が出ている。もしかすると少し癖になってしまっているのかもしれないとも思うが、これは決してわざとやっている訳ではない。解離症状の一種であり、交代がコントロール出来ないのと同じ事なので、深く考えすぎず付き合っていけたらと思っている。

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